この記事は「Vita版 十三支演義 偃月三国伝1」のネタバレ感想です。
ソフトには2も同時収録されていますが、感想は1と2で分けます。
こんばんは。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
また、やる気ボタンを押していただき感謝致します。
22年9月22日にSwitch版が発売されて界隈で盛り上がっている十三支。
ツイッターのフォロワー様たちから情報提供いただき、私もめちゃくちゃ気になるので積んでいたVita版をプレイしてみることにしました。
これで好きになったらSwitch版は買いのつもりです。
もくじ open
プラットフォーム | Vita |
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メーカー | オトメイト×RED |
発売日 | 2015年8月27日 |
CERO | C(15才以上対象) |
シナリオ原案 | 広井王子 |
イラスト | 悌太 |
キャスト | 石田彰/岡本信彦/鈴村健一/鳥海浩輔/鈴木達央/遊佐浩二/他 |
公式サイト | https://www.otomate.jp/jyuzaengi/vita/ |
時は後漢末。
公式サイト
乱世の奸雄曹操により、隠れ里から連れ出された『猫族』(まおぞく)。
人間の体に獣の耳を持つ彼らは、猫の姿の妖怪『金眼』(きんめ)の
子孫と言われ人間たちから忌み嫌われていた。
人間たちは猫が十二支から外れたという昔話から
十三番目の干支、『十三支』(じゅうざ)と呼び彼らを蔑んだ。
十三支演技
猫族である関羽、劉備、張飛の三人は幼い頃から兄弟のように育ち、
公式サイト
固い絆で結ばれていたが、平穏な日々は突然終わりを告げる。
漢帝国より勅命を受けた討伐軍の曹操は、
逃げた黄巾族を追って猫族の隠れ里に迷い込んだのだった。
猫族の高い能力に目をつけた曹操の策略により、平和に暮らしていた
猫族たちは人間たちの戦いに巻き込まれていく。
機能名 | 有無 |
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既読/未読スキップ・オートモード | 〇 |
クイックセーブ/ロード | 〇 |
バックログ | 〇 |
チャプター(√又は章毎の途中プレイ機能) | × |
フロートチャート | × |
選択肢又は未読箇所までのジャンプ | × |
ヒロインの名前変更 | 〇 |
デフォルト名呼びボイス | 〇 |
ヒロインフェイス表示 | × |
ヒロインボイス | × |
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等) | × |
ステータス(パラメータ)画面 | 〇 |
アイキャッチ | 〇 |
フォント変更 | × |
基本はいつものオトメイト仕様です。
十三支演技固有のシステムとしては「桃園システム」「バトルシステム」「旅システム」の3つがあります。
桃園システムは、シナリオ進行中に自動で起動し、桃の木が出てきます。
任意の花を選択すると選択したキャラクターの幕間が始まります。
好感度を上げられるチャンスもありますが、読む・読まないもプレイヤーが自由に判断できます。
バトルシステムは、戦闘がおこるタイミングでヒロインが介入するか・しないかの選択を問う画面が起動します(介入システム)
また、介入した場合、アイコンが出現しタイミングを合わせてボタンを押す画面が出てきます(タイミングシステム)
どちらも攻略に関わるものです。
旅システムは、キャラクターたちが移動する際に自動で起動します。
選択できるキャラクターの誰かに話しかけると会話や独り言を聴くことができます。
PSPからVitaへの移植の際の新規追加要素です。
共通
スクリーンタッチに対応
十三支演義 ~偃月三国伝~
メインキャラクターとのトゥルーエンド後の後日談
後日談での各キャラクターごとの新規イラスト
シーン回想機能
十三支演義 偃月三国伝2
メインキャラクターとのトゥルーエンド後の後日談のさらに続きのお話
上記での各キャラクターごとの新規イラスト
世界観のモチーフは「三国時代」です。
時期的には後漢末期の太平道張角の黄巾の乱からスタートし三国時代に入っていきます。
歴史では「蜀」という国を建国する劉備とその周りの者たちは、このゲーム内では「猫族(まおぞく)」という猫耳が生えた人型の種族となっています。
ヒロインの関羽は猫族の娘ですが、人間とのハーフ。
そのことに引け目も感じている様子です。
他人の窮地を見て見ぬふりができないまっすぐな性格です。
恋愛面は超鈍感です。
猫族一の武力を持っていますが、誰かを傷つけるために使うことは拒む優しい子。
ですが、曹操が猫族の村にやってきたことをきっかけに戦渦に巻き込まれていきます。
このゲームの攻略キャラはこちらの6人です。
関羽と同じ猫族の劉備と張飛。
猫族に好意的な趙雲。
関羽に執着する後漢の丞相・曹操と、十三支を嫌うその部下の夏侯惇。
最恐の(ヤンデレヘンタイ)武将・呂布に仕える張遼。
もっと詳しいキャラクターたちの所属はこちら
攻略した順番に感想を書きました。
張飛→趙雲→張遼→劉備→夏侯惇→曹操
以降はネタバレ回避のため【▽ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。
Name:張飛(チョウヒ)
Status:猫族・劉備軍
CV:岡本信彦
幼いころ、関羽に負けたことにより舎弟を名乗るようになった少年。
ちょっとおバカキャラで、自分の感情に正直な分振り回されるタイプ。
関羽のことが好きですが、本人には全く気付いてもらえずスルーされています。
張飛のルートは、理不尽な状況でも明るく人を引っ張ってくれる彼に癒される内容ですが、ちょっと展開に着いていくのが大変なお話でした。
猫だけど、関羽に懐いている大型犬みたいな子で、「姉貴姉貴」っていつでも関羽を慕っているのが可愛かったです。
でもそれは弟分としてだけじゃなくて、関羽に好意を持っているっていう意味もあって、男として守りたいと常日頃から思っているようでした。
うーん、他ルートはすべて失恋コースですね。
張飛も十分強いんですけど、それ以上に関羽が強いもんだからなかなか格好つけることもできず。
コントみたいに、関定と蘇双にからかわれてワイワイしつつも、昔、関羽と交わした約束に誓って本気で思っているもんだから葛藤もすごかったんじゃないかと思います。
「いつも姉貴の背中ばかり見てる」ってセリフが聞くたびに切なかったです。
乙女ゲーの男は、大切な人は自分の手で守りたいですもんね。
残念ながら関羽も途中まで約束を忘れていたので、その点はちょっと張飛が可哀想でしたね…。
でも、猫族は最初の村を出てからとにかく争いに巻き込まれてばかりで、心休まる時間がないので、そんな中でも落ち込んだ様子も見せない張飛はただ楽観的なだけではなくメンタルも強いのかなと思いました。
関羽も多分元気をもらっていたと思うし、言葉にしなくても自分の言いたいことを理解してくれている張飛の存在はとても大きかったと思います。
しかしだ!
張飛がとんでもないことをやらかしたのは話が別です。
袁術の動きが怪しいから直接交渉するために張飛に留守を頼んで徐州を出たら、その隙に呂布に取られてしまったんです…。
関羽の言いつけを守っていればよかったんですけど、なぜかおバカキャラと能天気と恋愛脳と…欠点という欠点を全部発揮して国を空けちゃったんですよね。
自分で呂布のことを「ヘンタイ女」って呼んで危険視していたのに「なんで放置したんだよ!」って言いたかったです。
さすがの関羽もキレちゃってましたが納得以外の感情はなかったですね。
まぁ張飛も自分で呂布を倒したので汚名返上はできたと思っていますが、徐州開放のために曹操に助力を頼んだ代償として関羽は曹操の元に行ってしまいます。
しかも、張飛は呂布戦で、民衆の前で猫族の獣化?をやってしまったので、それが巡り巡って帝の耳に入り、討伐対象となってしまいます。
呂布戦からお互いにギスギスしたまま生き別れてしまうのですが、会えなかった半年間をぜひもっと掘り下げてほしいと思います。
関羽は離れ離れになったことで張飛への気持ちに気が付くし、張飛は張飛で視野が広がって成長するし、状況的にも恋愛的にも好転する兆しが見えるいいところなんですけど。
ほぼモノローグでサラッと流れていっちゃったんですよね。
個人的にもったいなかったです。
関羽の恋愛感情の芽生えが唐突に思えてしまうかな。
張飛も声優さんが声のトーンと演じ方を変えるくらい変化があるのに、本当に突然に難民連れて山賊(義賊?)の頭領になって目の前に現れたのでびっくりでした(笑)
でも、再会してから両想いになったあとはめちゃくちゃ良かったです。
「姉貴をお嫁にもらう」っていう願いと告白も、昔の約束をオマージュしていてキュンでした。
関羽の背中に傷を作ってしまった責任を取る約束だったけど、当時の傷はもう癒えていて、でも新しい傷ができてしまったから…の流れが完璧すぎました。
関羽が曹操を裏切って張飛と一緒に逃げるくらいですから、張飛がすごくたくましくなっていて、姉貴を守れる男に相応しくなっていたのは間違いないです。
曹操への嫌気もかなり大きかったんだろうけど。
最後は猫族と徐州の民と難民の大所帯で曹操から逃れて南下する大移動。
でも、追いつかれてしまうからと、まさかの張飛が一人で知恵を絞って曹操に挑むもんだから、最初のおバカキャラはどこへいった?って感じでした。
相手の数を数えられないとか言いつつ、自軍を大軍に見えるようカモフラージュし、罠を張り、一騎当千で曹操に狙いを定める…完全に策士じゃん。
私はいつもがこういうのギャップ萌えする質なんですけど、今回萌えなかったのは絶対関羽と再会するまでの失われた半年のせいだなと思ってます。
このルート最大の未練だ、本当になんとかしてほしいです…。
でも、ハピエンで逃げ切った後の幸せそうなスチルや後日談は張飛の恋が報われて良かったと思えました。
そしてバッドは張飛が捕まって処刑されてしまいます。
関羽もその場に飛び込んで2人一緒にお亡くなりになります。
悲しいですけど、もう離れ離れにはなりたくないという気持ちが伝わってきて良いEDだったと思います。
Name:趙雲(チョウウン)
Status:公孫賛軍
CV:鈴村健一
真面目で大らかな性格。
猫族に対しても嫌悪なく他の人間と同様に接する人です。
天然のたらしです。
趙雲ルートは、関羽の身の上が明かされたがために、2人の恋が困難を極めた、そんな物語でした。
まず、関羽は人間と猫族のハーフですが、父は公孫賛で母は猫族の雪蘭(関麗)と判明します。
公孫賛は戦中に雪蘭と出会い、種族を超えての大恋愛をしましたが、父に反対されてうまくいかず。
雪蘭も関羽を身ごもりましたが、公孫賛とは離れ離れになり、関羽を世平に託して姿を消し、亡くなってしまいました。
公孫賛は初めから猫族に優しかったですが、雪蘭と分かり合えた過去があったからだったと納得でした。
部下の趙雲が同じなのも、公孫賛が猫族の真実を説いて回っていたからそうなのだと思います。
趙雲は真面目な武人ですし、関羽にも好意的でした。
一緒に戦場で戦う同志としてその雄姿を褒めつつも平和に過ごしてほしいを思い、自分を犠牲にしてまで人のために動いてしまう関羽をなんでだか守りたいと常々言ってましたね。
この疑問を言わなくなったときが、関羽への愛を自覚し始めた時期なのかなと思います。
裏がない人なので、本心をいつも言ってくれていただろうし、他意のない誉め言葉も結構序盤から関羽に届いていた気がします。
無自覚のくせにドキッとしたり照れたりしていているシーン多かったし、2人とも可愛かったです。
張飛ルートでもそうでしたけど、この趙雲の天然たらしに張飛はいつもやきもきして落ち着かないんでしょうね~でも結局その天然に丸め込まれてるのも面白かったです。
趙雲の人柄もあって、ほんわかした雰囲気も多かったルートですが、公孫賛が関羽を幽州の嫡子としてからは全部が波乱になっちゃいました。
公孫賛が今わの際に趙雲に「関羽が夫を娶るまで関羽を主として守ってくれ」って言っちゃうし、趙雲は性格から全部を忠実に全うしようとするし、関羽は趙雲との心の距離が離れてからやっと彼への気持ちを自覚しましたし、袁紹の作為的横恋慕もありますし…てんこ盛り!
袁紹もヤンデレで面白いし、彼の動きについては歴史を知らない方が絶対スリルがあって楽しいと思います。
この中で個人的に一番好きなのは、趙雲の激情でしたね。
真面目なカタブツの秘めた思い大好きです。
立場をわきまえまくって絶対に関羽に触れないし一定の距離を置き、忠誠と関羽ら親子の絆を大切にしてくれるんですよね。
関羽が趙雲を望んでいても…。
はじめは関羽への気持ちを諦められる算段だったはずなんでしょうけど、予想外に関羽への愛が増すばかりで、自分で自分を抑えられなくなったらいけないと自ら遠方へ勤務するまでの徹底ぶりはすごかったです。
関羽の幸せを願っているのに、他人と、となると壊しそうな自分がいるという苦しい胸の内とか、関羽への愛情とかを叫んでいるシーンはグッときました!
そして、この時は袁紹の策略にはめられていたので、趙雲の思い描く幸せビジョンの中に悪役の袁紹がいるのがめちゃめちゃに悔しくて、早く気が付けー!ってVitaを振り回した私の伝説も残りました(笑)
ハピエンでは、張飛や世平たち猫族のみんなに励まされて、自分も含めた関羽の幸せを考えられるようになります。
良くも悪くも公孫賛の遺言と自分の忠誠心がネックだったし、真っすぐだからこそ身動きが取れなかったんでしょうけど、趙雲がもう我慢しなくていい状態になってスッキリしました。
溜めていた分嫉妬したりとか、後日談で「寂しい」ってセリフも聞けて萌え!
クソデカ感情ありがとう。
何があっても最後まで関羽を守りたいって気持ちはブレずにずっと持っていたので、それも含めて趙雲も幸せになれる道が開けたのが最高でした!
バッドは、袁紹の罠から脱出できず…。
徐州は多分袁紹の手に落ちたし、関羽も奪われたし、2人が結ばれることなく終わってしまいます。
趙雲は死ぬまで公孫賛への忠誠や関羽への愛を貫きましたけど、その姿があまりにも真っ直ぐで痛々しくて泣きそうになりました。
ところがどっこい、ここから続く袁紹の桃園シナリオに行くと袁紹好きにとってはめちゃくちゃおいしいパラダイスになります。
趙雲好きにとっては、NTRになるので胸糞かもです。
趙雲亡き後、袁紹が関羽をそばに置いているのですが、思考力を奪って自分に依存させる超陰湿なヤンデレを発揮しています。
そのくせ、化け猫と呼んだり「僕が飽きるまで~」っていう発言があるので、本当にペットを飼っているような感覚もあるのかな…?
袁紹に支配されたい人は是非やった方がいいです。
Name:張遼(チョウリョウ)
Status:董卓軍
CV:遊佐浩二
物腰柔らかな呂布の部下。
命令に忠実で、人を切ることに躊躇いがなく危うい人物です。
張遼自身の意見はなかなか見えません。
このルートは、張遼が人間らしくなっていく物語です。
張遼は接していても全然人柄が見えてこなくて大変でした。
いつも行動原理が「呂布様の命令」で、最初は命令に忠実なのかと感じましたが、張遼の中身が空っぽ・虚無すぎて、張遼と対面しているのに張遼を通して呂布の意思と話しているように思えちゃいました。
でも、呂布が仙女で、張飛は呂布に作られた土人形だったとわかって納得。
そもそも張遼の感情も意思もないから無辜の民を切ってもなんともないし、自分も死なないし、作り主である呂布の命令は絶対だったんですね。
呂布は、不老不死の退屈を紛らわすために殺戮を楽しむ狂気的な快楽主義者なので、それの命令を遂行するってやばいな~と思いましたけど、同調してないだけ張遼には救いようがあったのかな。
呂布は呂布で関羽を欲しがる狂いまくったおもしれー女として好きです。
人外については、猫族がいる時点でもうどんなのが出てきても驚かないぞ…!
関羽は、事情を知るのは終盤ですが、戦場や町で張遼と遭遇するたびに人として大切なものが欠けている危うさとかを感じて気になってはいたように思います。
張遼は都度、呂布の命令と呂布のお気に入りの関羽の扱いの無難な着地点を「困りました」といいながら模索していましたが、関羽との接触が彼を変えていくきっかけになりました。
これはプレイヤーの私が、関羽と張遼が会うシーンが毎回楽しみでしたね。
呂布の教えと関羽の意見が違うことに疑問を持ったり、戦で無慈悲さが薄れてきたり…。
はじめはちょっとズレたこともしてましたけど、関羽に対して命令外のことを自主的にやり始めたときは「きたー!」って思いました。
関羽の存在が張飛にとって大きくなってきた証に嬉しくなりました。
そしてその後、貂蝉の罠にはめられてボロボロになりながら関羽を助ける張遼には泣かされました。
呂布も呂布で、ボロボロになった張遼を不良品扱いして新しい土人形(張遼)を作ってるし、本当に鬼。
関羽が新しい張遼だと知らずに会話して、2人の関係が振り出しに戻ったっと錯覚させられる演出は堪えました…!
張遼がボロボロになる前に関羽に気持ちを告げて返事待ちだったのも、このとき永遠に返せなくなったと思いましたからね。
展開えぐい。
でも、大切な人は守りたいという自我をもった張遼はいくらでも頑張ばれる「気持ち」があるので強かったですね。
曹操や袁紹たちとの連合軍に参加して、最後まで関羽と2人で呂布に立ち向かってくれました。
関羽は一人でも立ち向かう気でしたでしょうけど、張遼がることで心強かったんじゃないかなと思います。
ハピエンとバッドはちょっと運ゲーっぽい(拍子抜け)
呂布を倒すと、呂布の力でできた張遼は消えてしまいます。
そうならないためには呂布の持っている桃源鏡の能力頼みで、これが戦闘中に壊れたらアウト、残ればセーフという感じです。
これのせいで、両方良いエンドなのに泣けなかったです。
ハピエンでは、鏡の前で契約を結んで関羽の寿命を半分張遼に分け与えてともに生きることになります。
寿命って概念だけでなく、ぬくもりを分けてもらったって言い方がとてもよかったです。
もう張遼が冷たい土人形じゃないんだなって一番実感がわきました。
バッドはそのまま張遼が砂に還ります。
悲しいのは悲しいのですが、過去の行いを見ると報いなのかなって思えるので流れ的には自然な終わり方だと思いました。
ちなみに拍子抜けしたのは、バッドは関羽が呂布のものになる百合EDを期待していたからというのもあります。
呂布の狂い具合からそのくらいは余裕で来ると思ってました。←
Name:劉備(リュウビ)
Status:猫族・劉備軍
CV:石田彰
劉一族の末裔で、猫族の長。
15歳の年相応とは思えない幼い言動をしますが、猫族の精神的支柱となっている要人です。
劉備ルートは、猫族の真相に迫るお話でした。
猫族は、その昔人々を恐怖に陥れた金眼という猫の妖怪の末裔と蔑まれてきました。
しかし、真相はこうです。
金眼を劉備の先祖・劉光たちが苦労の末倒したのですが、とどめを刺したときに浴びた返り血が呪いでした。
多くは、金眼の特徴である猫耳と金色の目が現れて、それが猫族の起源となったようです。
劉光は、他の人より深く呪いが浸透し、その血統は脈々と受け継がれて劉備のときにはとても力が強まってしまっていました。
金眼の邪心を抑えるために劉備は無垢な子どもの姿のまま、偃月の夜だけ呪いが弱まって本来の劉備が表れる、ということでした。
蔑まれていた猫族が実は英雄たちの末裔で、劉備は金眼の跋扈を阻止する最後の砦、不老不死の呂布が生き証人で事実が判明したこと、とても皮肉な秘密が隠れていましたね。
関羽は事実を知ったとき、同族にすら言えないくらいでした。
もちろん、人間にまで知られたら討伐対象にされるでしょうし、劉備を守りたいという気持ちから本当はしたくない隠し事や嘘をつくことをしてる関羽は苦しそうで心が痛くなりました。
それから、関羽と劉備の恋愛ですが、かなり微糖です。
恋愛を育んでいく過程ではなく、関羽が劉備の全てを受け入れるまでの過程という感じでした。
昔、生まれが原因で孤立していた自分を救ってくれた子ども劉備は庇護対象であり関羽の全て。
本来の劉備といるときは恋愛らしい描写が一番多かったです。
そして、邪悪な劉備は否定的でした。
劉備も関羽を守りたいと思って力を欲したのですが、根源が金眼だからか「人間を滅ぼして猫族の国を作る」という程邪悪な思想なんですよね。
でも、関羽は劉備の「守りたい」には気づかずに、いつもの(子どもの)劉備に戻って欲しいと思っていました。
劉備曰く、どの劉備も「劉備」であって、関羽のことが大好き。
愛情表現の差で受け入れられなかったり、否定されたりすると当然悲しく思います。
関羽が、この邪悪劉備を「劉備」として見るのに時間がかかった印象でした。
まぁ、いきなり子ども以外の劉備が表れただけでも戸惑うのに殺戮のヤンデレ内包してるとか…うん…。
美味しい設定だとは思うんですけど、萌えなかったですごめん!
ちなみに萌えたのは、軟禁してる劉備に甘味を持ってくる夏侯惇、碁を教えに来た曹操、猫耳を自作してでも猫族に馴染もうとした趙雲でした。
大人たちなにやってんの(笑)
それから、このルートのハピエンですが、そんなにハピエンではなかったです。
邪悪劉備と止めるために猫族で夜襲をかけると、劉備の中から金眼が蘇って戦闘に。
倒すのは倒しますが、結局金眼の大元を劉備の中に封印して終了しました。
金眼の力は弱まったので、本来の劉備が出てくる時間が多くなっていい方向には向かいそうですけど、人間(の負の感情?)がある限り金眼は消えないしまた力をつける可能性もあるのでなんだかな~と思いました。
恋愛も進展は2に期待かな…?
バッドは、劉備を説得しに行った関羽が洗脳されて、劉備の宣言通り人間たちを消していきます。
曹操軍が迎え撃ったんですけど、邪悪劉備に感情移入できなくて、劉備ルートなのに曹操に味方しちゃいましたね。
関羽に気がある描写もあったし、帰ってくると信じていたのに、劉備に洗脳された関羽に殺されるっていうね…。
このときはまだ曹操ルートを未プレイで、彼をよく知りませんでしたけど、めっちゃ不憫でした。
Name:夏侯惇(カコウトン)
Status:曹操軍
CV:鈴木達央
曹操の忠実な部下で、女性が苦手、十三支を毛嫌いしています。
真っすぐで己の信念が強い反面、固執してしまう部分も。
従兄弟の夏侯淵のことは大事に思っています。
このルートは、敵同士、異種族同士がかけがえのない存在になっていくまでの苦悩と愛情の物語でした。
他のルートですと、夏侯惇は全てを曹操に捧げていて、信頼するは夏侯淵、十三支には排他的というイメージです。
曹操がにっくき十三支を重用するものだから、結構曹操に意見したり猫族に向かって吠えてるところも多かったですね。
関羽は幽州に身を置いた時に、公孫越の圧力で兗州に間者として向かいましたが、いざ曹操の領土に行ってみると夏侯惇の評判が良くてびっくりしてましたね。
民に慕われる一流の武人なのに、曹操に相応しい自分であろうと日々研鑽を積んでいる…凄い人格者だと私は思いました。
ヤンデレや狂人、馬鹿、天然だらけのこのゲームで一番まともとも言う(笑)
そしてギャップ萌えだらけでにやにやが止まりませんでした!
まっすぐな男ですけど、関羽に何かしてあげる時は言い訳を作ってだいたい照れているんですよね。
最初は「十三支など認めない」って感じでしたけど、共闘する中で関羽を対等な武人と認めてからは気恥ずかしさもみてとれて悶えるしかありませんでした。
曹操も「仲良くしろとは言わないが揉め事は起こすな」って最初は言っていたけど、夏侯惇と関羽がよろしくやっているのを見守っていた気がします。
部下にも冷たい曹操様は何処へ…関羽が近くにいるから機嫌がいいのかな?
あと夏侯惇、寝る時に抱き枕して寝てるのですか?
なんですかその情報(可愛い)
肝心の恋愛は夏侯惇が左目に矢傷を負った時からが本番に入ったかなと思います。
これは夏侯惇の今まで目に映っていたものの見え方が全て一新されるきっかけでもありましたね。
関羽の濁りのない瞳をいつも好ましく言っていましたが、代償を払ってやっと自分もそうなれた様でした。
傷で朦朧とする中、女性が看病をしてくれたのは覚えていて、その人が気になる人に…。
関羽が看病したのですが、この時はまだ夏侯惇が「十三支」と蔑称を使っている時期だったので終盤まで言い出せず。
でも、夏侯惇の気になる人が自分だと知ったときはすごく照れくさそうでした。
夏侯惇が自分を女ではなく「武人」としてみていることにガッカリしたりもしましたね。
なのにフェイント?
ハピエンで夏侯惇に好きだと告げられても「まだわからない」なんて言ったからな関羽!
甘い後日談が無かったら夏侯惇が気の毒で仕方なくなるところでした。
でも、不器用な夏侯惇の方が先に気持ちに気がついているのはポイント高かったです。
それから、避けて通れないのが夏侯淵。
夏侯惇とまるで半身のように生きてきた人でしたが、猫族への価値観の違いから決別してしまいます。
曹操が「些細な掛け違い」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。
まぁ、夏侯淵は独断で謀をやったので罪は罪ですが、夏侯惇が半身を失う痛みを負ってまで自分の手でかたをつけたのはまっすぐな武人のやり方ですよね。
話し合いでもできれば良かったんですけど、夏侯惇は自分達を鏡像と言っていたので、固定観念凝り固まった排他的な「自分(夏侯淵)」は聞き入れないだろうとよく理解していたのかなと。
夏侯淵は変われなかった成れの果てみたいで少し可哀想な気もしました。
桃園システムで夏侯惇ルートをやると、わかりあえた幻想ifもあるので、より泣けました。
この後、左半身の幻痛に苛まれる夏侯惇もすごく苦しそうで見ていられませんでしたね。
夏侯惇は左目を失っても、仲間を失ってもいつも気丈で、その悲しみを怒りに変えて曹操軍の士気に変えるのですが、さすがの曹操も「気負いすぎるな」と労るほどでしたから。
認め合い、信頼しあった関羽と支え合うことによって乗り越えたのは本当に素敵でした。
バッドは、夏侯淵に2人とも殺されてしまうのですが、最後に夏侯惇が関羽に看病されたことへお礼を言っていたのがすごく虚しかったです。
次に会う時は敵同士だ!って言った直後でしたからね…。
Name:曹操(ソウソウ)
Status:曹操軍
CV:鳥海浩輔
大陸制覇を目指す猛将。
野望のためには手段を選ばない冷徹な人物です。
関羽に並々ならぬ執着心を持っています。
どう考えても1番面白いルートでした。
何が面白いって、底知れない全力投球の執着ヤンデレと圧倒的なエンタメ力です(笑)
もちろんしんどいところはしんどいです。
共通章で猫族の村に曹操がやってきて、関羽と初対面し、「面白い女だ」といった瞬間全てのスイッチがONにされます。
惚れたのと執着心とヤンデレと…。
曹操に会ったら諦めるしかないです(結論)
曹操は孤独で寂しい人です。
父親の欲望から生まれた人間と猫族とのハーフで、気の触れた母ともども監禁され続けて「ひとり」以外を知らずに生きてきました。
そして、成長すると父への復讐を誓って耳を切り落として人間になりすましました。
序盤は夏侯惇ルートと一緒で、関羽は公孫家の間者として曹操の屋敷に住まわせてもらいます。
この時が、多分一番平和だったと思います。
関羽の武を欲してはいましたけど、曹操が本調子じゃないのもあって戦もないし結構放逐されてましたからね。
でも、関羽が滞在している期間に、曹操は父親を殺してしまい…。
「お前は死ぬまでひとりだ」と遺言を聞きてからは、より歯車が狂ったのかなと思います。
ちなみに呂布にも「一人寂しく(中略)死ね」言われます。
酒も薬も香も効かず毎日眠れない夜を過ごしていて、関羽と一緒にいるときだけ熟睡できるみたいでした。
元からやばいのはわかってましたけど、いっちゃってる上シナリオ中にさらに病みが深まるとか聞いてないですよ、楽しすぎます!←
それから、曹操は大陸制覇の野望を持っているけど、本当に欲しいものは見えていなくて。
関羽の隣で眠った日に十分に満たされたことに気が付いて、曹操には関羽がいなくてはならない存在になったみたいでした。
愛がほしいんでしょうけど、多分曹操はそれが何かも知らないんだろうなって感じでしたね。
夜にいつも中庭で関羽に会っていて、いなかったら探しに行っちゃうし、やたら素直だし、普通に口説いてくるし、情緒不安定なのも愛を求めてさまよっている子どもみたいでしたし、曹操の心が虚無で時も止まっているのは感じました。
関羽との戯れは甘くて良かったですけど!
でも、呂布戦で関羽の真実を知ると、今度は同胞の血に執着し始めます。
この辺りから愛を知らない故か愛情表現も無茶苦茶(笑)
関羽の武を欲っして戦場に借り出していたのに、突然戦から遠ざけて、貢物やらなんやらを送られるけどちょっと軟禁状態にされてしまいます。
関羽は呂布戦後から情報が無くて猫族の安否を気にしていたら猫族からも遠ざけるし、関羽が自分の元からいなくなるのを恐れまくる→猫族を消しにかかるはとんでもない病みでした。
かと言って関羽に少しでも拒絶されると「一緒にいると言ったではないか」と悲しそうな表情になるし、ひとりだったときには戻れないというし。
「お前は生まれたその瞬間から私の花嫁なのだ!!」と言って勝手に祝言を上げようとするし(笑)
個人的には、迷言・奇行のオンパレードでヤンデレの実力を見せつけてくれておいしい限りでしたけど。
自分だけを見てほしいがためにヤンデレを発揮されて束縛が酷いので関羽はついていけてなかったですね。
関羽はもうこのとき曹操のことを愛していましたから、曹操が自分の血しか見てないように思えて悲しかっただろうなと思います。
世平と再会したときの本音の吐露がとても苦しそうでした。
その後、袁紹戦では、ワケあって猫族が袁紹側にいることを聞いて、関羽は曹操の元を逃げ出します。
関羽本人より関羽が怪我をした「血を止めるのだーー!!」って、曹操の方向性が迷子すぎました!
そして気の触れた曹操が50万の兵を出して関羽を追い、それ以外は殲滅せよってところはもう無理、笑いが止まりませんでした。
私情全開!すべてが霞む全力!
ヤンデレの規模がとにかく壮大でした(笑)
袁紹戦でバッドにいけば、お望み通り敵は全滅。
関羽がどこにも行かないように監禁して、待望の子どもができます。
なんと名付けるか聞いて関羽が「…ゅうび」って言っちゃうのが無常でしたね。
曹丕じゃなーい!(そこ?)
1度は愛し合えそうだったのに、逃げたときから関羽の心はもう曹操にはないんですよね。
それでも、父と同じ過ちを犯してでも関羽を失えない曹操は始めに言っていた「己の為だけに動く」だけで、永遠に愛を知らず孤高のままなのかなって感じでした。
父親や呂布に言われた通りになってるのはちょっと癪。
唯一歪みを治せる可能性のある関羽がもう正気じゃなさそうでしたし、子どもも第2の曹操になるんじゃないかと…。
ハピエンでは、何があっても関羽への愛を貫きます。
袁紹が曹操の真実を知り、悪趣味を発動します。
まず、関羽に遅効性の毒を飲ませ、戦場で自軍、曹操軍、十三支全てに曹操の真実を暴露、解毒剤をチラつかせて曹操をいたぶります。
巻き込まれた趙雲も可愛そう…。
でも、曹操は殴られても蹴られても動じないですし、関羽が自分を刺すことになっても自ら刃を受けにいきました。
関羽のいない世界なんて耐えられないから自分の命を捨ててでも生かしたい…私の愛の重さを舐めるなよって(公式の)圧を感じました。
逃げ出すときに関羽は、曹操は私の血しか見ていないと思っていたのですが、血は関係なく出会った時からずっと関羽を愛していたことを知って、やっと2人の気持ちが繋がったときは嬉しかったですね。
ただ関羽は、最初の穏やかな時間と、曹操が血に執着し始めた時間とで彼が変わってしまったことを悲しんでしたんですけど、そこは言及されませんでしたね。
愛し方がヤンデレじゃなければいいのかな…?
何はともあれ、曹操様を救える展開になって良かったです。
猫族も曹操の領地に迎え入れられて、曹操軍を見る限り受け入れられているみたいでしたので、十三支問題が大団円のように丸く収まったのもホッとしました。
ひとまず「偃月三国伝1」はこれにて終了です。
三国時代自体がとても長い期間の戦の歴史なので、ゲーム内では経過をモノローグでまとめる場面多かったです。
しかし、敵も味方も入り乱れる複雑な群雄割拠の時代を頑張って表現されていてすごいシナリオだなと思いました。
ここまでに対しての感想ですが、三国志を知らない方が楽しめるんじゃないかと思います。
私は、超有名どころだけおさえている感じなので、歴史に沿っている部分は曹操や呂布あたりは次にどこで戦うのかとか察せてしまったんですよね。
いつ誰が何をするか、知らなければ知らないほどスリルが増すのかな~と。
もちろん、恋愛要素という全くのオリジナル展開もありますし、とんでもなく楽しめていますが、何となくそう思った次第です。
さて、この調子で偃月三国伝2もプレイしていきたいと思います。
キャラクターも増えているようで、とても楽しみです。
では👋
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