泡沫のユークロニア|ネタバレ感想

この記事は、泡沫のユークロニアをプレイした感想記事です。

こんばんは。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
また、やる気ボタンを押していただき感謝致します。

体験版に引き続き、ユークロの製品版を最後までプレイしてきました。
一言で言えばとても賛否両論が出る作品だと思います。
何というかキャラクターの考え方や価値観をどこまで受け入れられるのか、自分の器の大きさが試された気がしました。
そして一口で勧善懲悪と言えない複雑な世界観もまた意見の幅を広げる要素になっていると思いました。
なので好きは好き、ダメなものは嫌いof嫌い、人によってそのポイントが偏る、そんな感じになるんじゃないかな。
悪い意味ではないです。
プレイすればするほど楽しくなってくるスルメゲーとして面白いと思います。

と、プレイした後に色々耽りましたが、個別の感想はいつもの調子で好き勝手に書いています。
おもしれぇ男が好きです、対戦よろしくお願いします(戦うな)

プラットフォームNintendo Switch各種
メーカーブロッコリー×ティズクリエイション(LicoBiTs:リコビッツ)
体験版配信日2024年3月14日
製品版発売日2024年4月11日
CEROC(15才以上対象)
シナリオかずら本舗
イラストRiRi
キャスト小林千晃/岡本信彦/斉藤壮馬/江口拓也/松岡禎丞/他
公式サイトhttps://licobits-game.com/uchronia/
敬称略
プロモーションムービー2
オープニング

あらすじ

舞台は空に浮かぶ箱庭。
理想郷と名高き、栄えた都。
――空中都市 凍玻璃。
名家に生まれ、不自由なく育った外の世界に憧れを抱く主人公雛菊。
18歳になった珠混淆はある日、記憶を失った青年矢代との出会いをきっかけに理想郷の豹に隠された真実を巡る事件に巻き込まれていく――

公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(√又は章毎の途中プレイ機能)
フロートチャート×
選択肢又は未読箇所までのジャンプ
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示×
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)
ステータス(パラメータ)画面
アイキャッチ
フォント変更×

キャラクタールート別ネタバレ感想

Attention

以降はネタバレ回避のため【▽ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

共通章

体験版では、序章と共通1章・2章(b,c)までがプレイできました。

共通2章からは分岐して、依・淡雪共通2章、帷・露草共通2章に最初から進めます。
最初に攻略できるのは帷と淡雪。
その後、露草と依が攻略可能になり、矢代は最後に固定です。
矢代ルートが開放されると、共通2章(a)へ進めるようになりました。

共通章(b,c)の感想は体験版をご参照くださいこちら

帷ルート感想

帷の画像
Profile

Name:帷

Age:21

Status:不知火の首領

CV:岡本信彦

花街の顔役という黒鶴が安易に踏み込めない特殊な立場にいる人物。
また、反大樹を掲げる組織の首領でもあります。
共通章では火付けの現場でも目撃され、凍玻璃の脅威では?と思っていました。
蓋を開けたらびっくり!
乙女ゲーマーが絶対に好きでしょの兄貴分がいました。

帷が良い男すぎて惚れるしかないルートでした。
というか、最初に帷を攻略したのですが、このあとどのルートで出てきても頼りになる、まともな人で惚れてしまう納得感がどんどん上がりました!
爆モテイケメンです。

シナリオは花街、帷が首領を務める「不知火」、それから罪人と科人の子孫が暮らす「泉下」から凍玻璃の歪みが見えてくるものでした。
蒸気機関が人体に悪影響を及ぼす「玻璃病」とか、科人の子孫だからと泉下で貧しい暮らしを強いられている人とか、凍玻璃の平和の下で踏みつけられている人がいるという事実がなんとも悲しかったです。
元々、領民(平民)を守るための貴族が雛菊とか石蕗とか一部を除いて権力を振りかざしているのに、花街は泉下の民も混ざっていたりして平民より酷い扱いをされているのが「もう凍玻璃は平和じゃないな?」って思いました。
依がわかりやすい貴族の思想を示してくれて良かったんですけど、攻略キャラの中にあとで地雷になりそうな人物が入ってて心配になっちゃいました。
(地雷ではありませんでした)

で、不知火は花街の人間で構成されているんですけど、反大樹をかかげ少しでも下の者の暮らしを改善しようと頑張っていました。
共通章では火付けをしていて危ない存在にしか見えなかったんですけど、帷の誰も傷つけたくない考え方を知ってめっちゃ好きになりました。
帷は泉下の生まれですが、荒れている環境下からしたらかなり凍玻璃の民の平和さに近いと思うし、近いけど大樹信仰が生む歪みをこのままにしておけないと思っているし、できすぎくんです。

帷は穏便派っていうのかな、でも帷の右腕の潮路が手段を選ばない強硬派。
自分たちの苦しみを訴えるアピールとマジの転覆を狙うってだいぶ違うし、目指すところは同じなのに潮路が色々暗躍していたのは、帷が可哀想でした。
潮路はどのルートでも帷に迷惑かけててあんまり好きになれなかったですね~。
そして帷が玻璃病に罹っているのを知っていて、被検体?実験体?にされじわじわ命を削られていたとか…しんどかったです。
泉下の診療所の松柏先生も帷を自分の子どものような存在と思いながら病しか見てないのが…。
雛菊目線で、平和以外の凍玻璃を知らない状態から初回からでこんな闇が出てきてびっくりしちゃいましたよ!
賢木宰相まで絡んでましたし、凍玻璃の平民以外はやばいと悟りました。
賢木を成敗した枸橘様有大正義!(と、この時は思っておりました)

雛菊は帷のやっていることを否定せず、自分の足で情報を稼いで知ろうとしていたのが好きでした。
好奇心旺盛なので厄介ごとに首を突っ込むのは理解した上で、その後の展開によっては私の苦手な状態になりやすいので、割と警戒していたのですが、セーフでした。
むしろ、帷は凍玻璃の法に背いているのに過度に怯えたり疎遠にならない雛菊が凄かったのかな?
帷は墨染の香という薬のせいで、人を襲う「怪物付き」を撃っちゃってるので一応凍玻璃ではあり得ないはずの人殺しをしていますからね。
雛菊が平和ボケした尺度だけで突っ走らなかったのがポイント高かったです。

まぁ徐々に帷を好きになっていたのもあると思います。
完全に身分違いの恋だし、凍玻璃では平民と貴族が子を成すことは禁忌ですし、貴族は体裁とかもあるし、困難だらけ。
ユークロニアで一番底辺と上辺の開きが大きいなので、もどかしいシーンも多かったけど私は好きでした。
帷が空気を読めるし視野の広さで何がどうなるかわかっているから、雛菊の気持ちに気が付いてもあしらっていたんですよね。
でも傷つけないようにしてるし、大人な対応にキュンしちゃいました。
そして帷自身も玻璃病のこともあって自分の気持ちを認めないでいるのがスパイス効いてました。
姫さんと出逢って、帷の中でも大嫌いな貴族に対して変化があって、雛菊の放っておけないところを仕方ないなって思う段階が良き。
王道な展開、それが最高でした!

BESTでは、もどかしい恋を越えてやっとチューしてくれて大歓喜!
でも帷の病のことが未解決でお先短いのかなって心配になりました。
各所小冊子が出ているくらいなので悲しい展開はないと思ってはいますが…。
添い寝しているスチルも良かったし、萌え半分、心配半分なEDでした。
イケメンは殺すな!←

BADは帷も雛菊も道半ばで亡くなってしまいます。
潮路が勝手してるとは言え、帷は不知火の首領。
黒鶴に見つかると捕まらないように動く前提があって、BADは失敗してしまうんです。
誰がチクったのか知りませんが、小生と石蕗と依に立ちはだかられたらもう絶望しかなかったです。
玻璃病の体で小生に勝てるはずもなく、帷を庇った雛菊も切られてジエンドでした。
最後に帷が「もっと好きだと言ってやればよかった」と後悔しているのと見て、私が泣いちゃいました。
帷ずっと我慢してたから…。

BESTも幸せ満タンじゃないのでもっと清々しいレベルのベタ甘がほしいなって思いました。
特典商法はほどほどにしていただいて…。

淡雪ルート感想

淡雪の画像
Profile

Name:淡雪

Age:26

Status:雛菊の世話役

CV:斉藤壮馬

激重感情の従者。
甘やかすだけではなく、時には口を酸っぱくして一番近くで姫を思い心配してくれるなくてはならない人です。
では、なんでそんなに思ってくれるのか。
淡雪自身の掘り下げによってもっと彼を手放したくなくなるようなお話でした。

このルートは絶対に依が嫌われるルートでした(笑)

淡雪が何故雛菊の従者をしているのか、いきさつや彼の過去に触れる大事なお話。
そして、貴族にとっての平民、平民にとっての貴族、「違い」によって相容れなさを象徴するようなところもたくさんあった気がしました。
ここで言う貴族はもちろん依みたいに身分で人を見下している人…ただ依はだいぶ頭がおかしい部類でしたけどね!←

淡雪はほんとーーーに過保護な従者で、ときに越権行為と取られても仕方ない言動もする姫命の人です。
重いのは重いですが、どろどろした感じは全然なくて思ったより綺麗。
雛菊がお転婆なため全ルート含めてちょっと口うるさいおかんポジションに徹しがちですが、心の底から雛菊の「もの」って思っていて、姫は自分がいないとダメって自負があるのが上からで良きでした。
雛菊にとって「完璧な従者」だけど不器用で、料理とか裁縫とかこっそり練習していて、隙があって可愛いのもプレイヤーを落としに来てるなって思いました。

で、主従関係の淡雪と雛菊の恋愛も身分違いなので大変は確定。
さらに依の妨害も入ってきて拍車をかけて多難でした。
でも結論から言うと、淡雪は生まれて初めて自分と言う個人を求めてくれたから雛菊の傍にいると決めた、というかけがえのない気持ちが根底にあったのがキュンでした。

まず淡雪は端街に生まれた平民。
両親を亡くして福祉で育ったが、とても運動神経が良かったから黒鶴に入りました。
身分的に出世は無理だけれど実力が認められ、枳橘の推薦で大樹の近侍にまでなりました。
その後、雛菊の両親が政敵に暗殺にあう事件があり、大樹の命で駆けつけた淡雪が雛菊を助けました。
出会いはたまたまかな、でも炎の中で雛菊が袖をひいて「淡雪」に傍にいて欲しいと言ったから近侍を止めて従者として仕えてたそう。
見た目や当時の境遇が似ていることもあったけど、雛菊の言葉が淡雪に刺さって嬉しかったのは素敵でした。
自分を姫の所有物と思っているのは、たぶん好きな気持ちを律していたから。
内緒で育ってきた思いや、主従として積み重ねてきた時間があるからこその葛藤がり、甘酸っぱさが私は好きでした。

そしてここに依がくる…!
淡雪ルートの最初に、淡雪への当てつけで雛菊に婚約を申し込んでくるんです。
黒鶴の士官学校時代、身分を笠に平民をいたぶっていた依を見かねた淡雪が止めに入って依に怪我をさせてしまったんです。
西二の家は淡雪を許しましたが、依はずっと根に持っていて、ここぞとばかりに仕返しにきたんだと思います。
「人生の汚点」と言うくらい淡雪を憎悪していて、それだけ依のプライドが傷つけられたって大事件だったってコトですよね。
選民思想は理解できませんが、嫌なことをされて怒る気持ちは誰にでもあるのでわかります。
性格が悪いから何もかもがビックスケールでえげつないけど!
たぶんそれが依にハマるかハマらないかの振るいだと思います。

それから依は雨月をそそのかして、反大樹思想の人間を始末していたんです。
凍玻璃のためにはなっていますが、正味は自分が生きやすい世の中のためなのでここも賛否の分かれ道かな。
やり方がえげつない分、正直この時はマイナスポイントが先行しました(白状)

そしてこれだけやらかしているのに、最後に泉下の牢屋送りになってもあまり反省してないのがタフすぎました(笑)
ちなみに捕らえたのは枸橘様、やっぱり小生有能!

淡雪から考えたら、どうあっても依は最悪の恋敵で邪魔でしかないし、何より雛菊に害があるのは許せないので平行線でいられないなら戦う相手になっちゃいますよね。
私は依好きですが、淡雪と分かり合ってほしいとは思わないし、バチバチのバトルで姫を守る従者~も見れたので楽しかったです。

BESTではもちろん雛菊と淡雪はらぶらぶ。
肌色のスチルも出てきて大興奮でした!
が、やっぱりちょっと気になることも…。
貴族と平民は結婚できないから、2人は独身の恋人として生きていくのだろうか、とふと思いました。

BADは企みに気づかれ逆上した依が雛菊を斬ってしまいました。
淡雪はもちろん依を倒しますが、雛菊も助からなくて…。
大切に守り育てたのもを失った淡雪の喪失感は計り知れなくて可哀想でした。
けど、「お前がいないと俺がダメ」っていう普段の態度とは反対のセリフが聞けたのが良かったです。
雛菊が死んでしまってからも、憧れていた地上を見せてあげようとしていたのは泣けました。
いつも姫のために嗜める言葉を言わなければいけなかったから、堂々と憧れを肯定しているのが本人亡き後っていうのがもう…。

依ルート感想

依の画像
Profile

Name:依

Age:28

Status:西ニの貴族/黒鶴の機関兵

CV:江口拓也

この人はダメです(笑)
性格が悪く、唯我独尊、おまけに位も高くて下手に逆らえないし、軽い気持ちで関わったら地獄を見ますね、ええ…。
だからこそ、依だけにしかわからない価値観とかいろんなものを見せてもらえるルートだと思います。
良い人か悪い人かと言うと後者なので賛否が一番あります。

大爆弾です!
自分が楽をすること以外はどうなってもいいと思っている超身勝手男!
「性格が悪い」と聞いたら意地悪かな、ひねくれかなと考えるけど、次元をぶっとんで人畜有害くんでした。←
でもちゃんと人を好きになれるし、愛情表現がわかりにくすぎるところが「可愛い奴め~」って感じで私は好きです。

依はやっていることはえげつないですし悪党ですが、勧善懲悪と言い切れるわけではなく…。
凍玻璃の存在が住む人の自覚なしに銀湾にとって有害であること、わかった上で依は外敵に狙われる凍玻璃を(自分のため雛菊のため?に)守っていること、誰もが綺麗事だけで生きていないのを考えさせられる内容でした。

こんなに尖っているので、依が雛菊に近寄った経緯は最悪です。←
淡雪への当てつけ+石蕗ての当てつけ(new)によって雛菊に婚約をお申込みします。
石蕗は父と妾の子の長子で西二の跡継ぎを所望され、雛菊を好きだけど遠慮して独身主義を貫いていました。
比較され、兄ばかりが賞賛され続けることが依とっては苦しかったんだと思います。
依は自分がおかしいことには自覚があって、それでも家族に合わせる努力をしたけどダメで、自分だけの生き方を選択したんだと思います。
凍玻璃の民の何かに従う生き方が気持ち悪くて、人間ではなく人形と思っていて…。
依の感覚は私も理解できないし、どこにも理解者がいないんだなと思うと異端児で可哀想…と感じた時点で依に捕まっていましたね私。

雛菊が東五の血を絶やさず当主を続けることを思うと、婿入りで好きにさせてくれる、気に入らなければ婚約破棄OKの依は破格の条件ですが。
淡雪は当然大反対してきます(それはそう)
依ルートは淡雪ルートのあとにプレイすることになるので初手からやばいしか出てきませんでした。
淡雪は依を好きになっていく雛菊に本音は何を思っていたんでしょうね…。

それでまぁ雛菊と依の関係は意外にも相手を知る度に好き度が上がっていく普通の恋愛過程でした。
途中までは。
依のカチンとくる言い回しは慣れてくるし、何よりデートしたり黒鶴が忙しいのに会う時間を作ってくれたりプレゼントをくれたりアプローチも普通!
茶寮で雛菊の注文品を一口もらっちゃうスチルはときめきました。
雛菊にもらったハンカチを肌身離さず持ち歩いてる依チェスカ好きですよっと。、
「キスくらいするよ」、それはそう、好きならする、雛菊とプレイヤーがわかってないだけでした。
キススチルは最多でした!

でも、依への違和感はずっとあって、例えば淡雪ルートで知った依の過去とは全然違ういきさつを語り始めるし、とにかく雛菊の気が向くような会話に努めていました。
好きだから当然なのですが、好きがわかりにくいから「ん?」ってなります。
でもこちらもだんだん気が付くようになって、ずるいって思えるようになったのが楽しかったです。
あとでギャラリーのスチルをつついたら依視点の気持ちがわかるので、それで「依いいじゃん!」って思いました。
なんなら依の方が先に雛菊を本当に好きになっていて青天の霹靂でした!
そして悪い方にもベクトルが伸びていて、依の価値観的に嘘はなんでもないこと。
雛菊が知って傷つくとこになるのを考えてないのは依の害悪たる由縁だと思いました。
まぁ弁明したらキャラブレになるからしてこなくて良かったです。

それから他人を蹴落とすことを悪と思っていないので、銀湾の間者も不知火の強硬派も邪魔な者はバンバン片づけていきます。
嫉妬で、雛菊を取られないために石蕗に冤罪を着せて退場させようとします。
なんならスケールも大きく、銀湾に不平等条約まで押し付けます。
凍玻璃を豊かに保つために墨染の香を強制的に買わせ、どんどん地上の都市を疲弊させていく…。
結果的には黒鶴の本来の目的「外敵から凍玻璃を守る」を着実に遂行していますが、やっぱりえげつないです(笑)
私はこのやり方は依らしさが出ていると思いましたが、婚約者がコレとなると話は別ですよね。
付き合っていくには依に向き合う強メンタルが必要です。
雛菊の選択肢も依から逃げるようなものはBADにいったのでそういうことだと思います。

ただ、BADもおいしかったです。←
依に傷つけられた雛菊を淡雪が見ていられなくて自分と恋人に、となるんですが、依様が謎に寛容で火遊びを許して婚約破棄の書類を破いて雛菊と結婚しました。
依と結婚できるBAD ED…。
「愛してるよ」と言ってもらえるBAD ED…。
なんでBAD EDがこんなに豪華なんですか!
雛菊の気持ちがもう依にないのが悲劇なんですけど、まぁ依を受け入れることの難易度が高すぎるのでBESTより流れは自然に思いました。

BESTでは、依と雛菊は婚約者のまま東五の屋敷で暮らしています。
淡雪もいます、心中をお察し…(何も言えない)
依はいったん捕まって、功績と階級ゆえに監視付きで釈放されたんですけど、何が変わるわけでもなく依のままですね。
唯我独尊、性格悪い、でも雛菊が好きでわかりにくい愛情表現をしてくれます。
めっちゃ甘いというわけではないけれど、たぶん何回もプレイしたらわかってくるスルメかなって思いました。
あと、将来的には結婚するっぽかったのでFDがほしいです。
たぶん本番はこれからのはず!
ブロッコリー頼む!

露草ルート感想

露草の画像
Profile

Name:露草

Age:18

Status:半月堂のカラクリ師

CV:松岡禎丞

出不精のカラクリ師。
でも雛菊には協力的で、記憶喪失の矢代すら住まわせてくれる懐の深い子です。
ちょくちょく見せる他の男へのけん制がかわいく、蓋を開けたら一気に押し寄せる○○枠が最高でした。

君は運命枠!
記憶喪失なのは矢代ではなく雛菊でしたのオチです。
昔に出会っていて、ずっと好きでしたっていうロマンチックカラクリ師。
ちょっとひねくれているけど、密かに雛菊を友達以上に思っていて、他のルートでも男が雛菊に違づくと反応しているのが可愛い子でした。

シナリオは、大樹信仰の危うさがメインですかね。
知の一族が政治で幅を利かせているから実際に大樹自身の意向は反映されておらず、また凍玻璃を豊かに保つためにあえて泉下を踏みつけているから綺麗事では済まない…。
それを内部から攻められたのを凍玻璃の要が実体験したからこその理想郷の一長一短を知り、在り方の改善の道を歩んでいくためのステップになるルートだったと思います。

実は大樹は代々異国の血が混ざった祖先から血統の一族が役目をやっているだけ。
つまり人間であって現御神という神格化は大袈裟すぎることでした。
そして、今代の大樹は露草の双子の兄・柊です。
いや~帷ルートからずっと顔は割れていて、関係者かなって思っていたので納得でした。
柊はおっとりした話し方をしていて優しく、大樹向き(らしい)

双子は不吉と言われ、幼い頃から2人で一人前として扱われてきた兄弟。
でもやっぱり2人なので派閥争いが起きてしまい、露草は市井に身を隠して暮らすことになりました。
その過程で、雛菊の父が暗殺されてしまったことに露草は心を痛めていて、雛菊に嫌われることを気にして隠していたのが可愛かったです。
普段から「あんたの頼みなら何とかしてやりたいけど~」と雛菊は特別扱いで好きがダダ洩れでキュン。
惚れた弱みですよね~ニヤニヤ!

最初は露草が雛菊との物理的距離を縮めていたけど、記憶を取り戻す毎に雛菊からも露草に友達以上の気持ちができていくのが楽しかったです。
だからそこ、雛菊が両親の真実を知って露草を避けるターンが来た時の壁ドンにハートを撃ち抜かれました。
避けられると辛いと正直に言う男、好きです。
依をプレイした直後だったので、好きって言ってないのにわかりやすい好きをにじませてくる露草が良すぎました。

しかも柊と露草で同じ子を好きになっていて、バチバチはしないけど遠慮とかがあったりしてもどかしさがあったり。
柊も幼い頃に雛菊に会ったけど露草のフリをしたとか…。
露草は雛菊が自分と柊の区別がついていなかったと思い込んでいたけど、実は幼い時からちゃんとわかっていたとか…。
露草は嬉しいだろうしそのままでいて欲しいし、でも柊の内心を考えたら涙が出そうになるし、三角しんどいってなりました。

で、このルートは不知火(潮路)の蜂起で禁域が乗っ取られ、大樹公の力が弱まっていると先導する動きと、帷や貴族を見せしめにして政権転覆を謀る暴力的なやり方が実行されてしまいます。
貧富の差は問題だけど、急にそれぞれの役割が変わっても立ち行かないし、インパクトだけで押していくのもダメだし、始めちゃったから退けない無理やり感が出ていました。
むしろ社会構造ってそうそう変わるものじゃないから簡単にひっくり返るご都合主義じゃなくて安心。
柊が暗殺されかけたのは本当に可哀想でしたけどね。
しかも回復するまで守っているのは枸橘様…。
あとで、とんでもなく危ない選択をしていたって気がして、露草ルートは奇跡だったかもしれないと思いました。
(小生はいつでもどこでも面白くて大好きです)

BEST EDでは、先導者たちを殺さずクーデターを終息させることができました。
潮路は貴族との間に子どもを作ってしまって、その子のために身分差のない世を目指していましたが、関係ない人の犠牲を厭わないのはやっぱりちょっとね…。
露草の言葉で世界ではなく先に実子に向き合うべきと考えなおしてくれて良かったです。
玻璃病で先は長くなさそうですが…。
帷も何回もせき込んでいて苦しそうで、後半はそちらもずっと気になっちゃいましたね。

BADは特に何も刺さらなかったです。
それでも凍玻璃は美しい~続いていく~みたいな感じでした。
蓋を開けると柊が暗殺されてしまって、露草が大樹の座につきました。
雛菊との恋愛は続いてないでしょうね。
大樹になる前に2人きりで話をして「あんたが好きな凍玻璃を守る」って露草が覚悟を決めちゃいましたから。
でもずっと雛菊を好きな描写があって切なかったです。
最後に鳴神が機械的なセリフを言っていたので、大樹って替えのきくパーツ扱い?と無慈悲なこと考えちゃいました。

矢代ルート感想

矢代の画像
Profile

Name:矢代

Age:24

Status:記憶を失くした青年

CV:小林千晃

初手、雛菊を暗殺者から助けてくれた謎の青年。
物語が進んでも矢代の中身が見えず凄く気になる存在ではありました。
記憶を失くした…胡散臭すぎるその正体をやっと知れる楽しいルートです。

記憶はあるけど感情が無い男です。
銀湾の間者で、凍玻璃を落としに来た外敵。
ですが、凍玻璃で過ごすうちに変化していく矢代の心情が面白かったし、何より少しずつ感情を宿しながら姫様を好きになっていく過程が良かったです。

矢代だけ専用の共通章aがあるんですけど、もう他のルートで銀湾の間者と言うのはわかっていたので、凍玻璃の蒸気機関に近づこうとする魂胆が行動の端々から見えて笑っちゃいました。
全然隠せてない、露骨(笑)
なので、冒頭で千鳥に雛菊を襲わせたのも自作自演で、貴族の伝手を作るためでした。
雛菊のことはそれ以上でも以下でもないって感じで、最初の内は適当にへらへらして「かわいい」って言ってたのにイライラしちゃいました。
あと雛菊が淡雪の忠告より矢代と色々で歩いちゃってるのがなんだか…淡雪可哀想ってなりました。
依や露草のように仕方がない相手じゃないからね。

「姫様が欲しいと言ったら全部くれるの」っていうゲーム発売前のセリフも話し方的に中身がなさそうと思っていたので、当時から萌えなくて…。
本編で聞いても全く心が動かなくて、感情って大事だなって思いました。

でも矢代は自分に良くしてくれる凍玻璃の民たちにすっかり毒気を抜かれちゃったんじゃないかな?
凍玻璃に来るまでは、銀湾を蒸気で汚し、墨染の香を売りつけてくる「敵」の認識だったはず。
でも、平和以外何も知らない人々がいて、悪いことなんかしていない。
そんな人々を諸共に殺してしまうって、そのあとどういう気持ちで生きていくのって思っちゃいますもん。
矢代は感情が無いから適任者となったのでしょうけど、銀湾もかなりむごいことしていてダメでした。

そしてやらなくてよかったです。
矢代は銀湾に処分される身になっていたんですが、巻き込まれた雛菊を必死に守ってくれたし、怖いとか怒りとか色々な感情が湧いてくるようになっていましたからね。
戸惑う場面も雛菊が寄り添っていてとても好きでした。
このシーンよりもあとの「かわいい」とか「好き」とかはちゃんとそう聞こえるようになったので、矢代を好きになれたし、緩急をつけられる声優さん凄いなって思いました。

でも、銀湾の間者の脅威はこれだけではなく…。
墨染の香をつかって「怪物付き」を街にはなって混乱を起こしたり、蒸気機関の鍵である羅針盤を盗んだり、派手に動く動く。
私はこの時がこのゲームで一番ワクワクしました。
だって枸橘(CV.福山潤)が胡散臭いけど有能で良い人で終わるわけがないじゃないですか!(こじつけ)
絶対に来ると思って、枸橘に会えるシーンまでマッハでAボタンを連打しちゃいました。

そして枸橘に会ってからが本編でした(矢代ごめん)
賢木よりも年上の銀湾の間者で、墨染の香で戦闘ステータスを最大値まで強化された秘密兵器。
他のルートで味方にいてこれほど心強い人はいないと思っていたら、敵でした(笑)
しかも完璧に自分は「もの」と認識した上の間者とか強いに決まってます。
小生は何かやってくれると思っていたので、対戦ありがとうございました。
矢代との戦闘スチルもすごい剣幕をしていてかっこよかったです!
攻略できないのが罪。

さ、それでBEST EDは枸橘も長年のガタが来ていたし、凍玻璃をやらせないという気迫に満ちた矢代が勝ちました。
感情ってやっぱり大事。
その後矢代や枸橘は、柊が凍玻璃の民として受け入れました。
枸橘様をそのまま元帥として受け入れたのはびっくりなんですけど、枸橘様確かに有能なので手放したくはないのはわかります。
それに凍玻璃って上層部が平民の混乱を避けるために誤魔化す…をめちゃめちゃやる風土なんです、慣れました。
それを信じちゃう人々に疑問を何度も感じましたけど、凍玻璃のメッキが剝がれているのをまず知らないか、と納得しました。

矢代も万事屋として独立し、凍玻璃に馴染んでいるみたいで良かったです。
姫様との恋は、もう上手くいくしかないよなぁ?
出会った場所でめっちゃロマンチックなキスをしてたので間違いないです。
ハッピーをありがとう!

BADは凍玻璃が立ち行かなくなりそうな雰囲気で暗かったです。
賢木も枸橘も死んでしまい中枢を担う者がいないし、大量発生した「怪物付き」を倒して生活に支障がでるくらい人口が減ったみたいですし。
そして矢代も結局自分の思いとは反対に銀湾の間者側のまま。
ただ最後に命がけで枸橘を止めに行ったのはかっこよかったです。
雛菊との恋はもちろん悲恋。
ん~矢代が敵サイドのままこちらに付かないならその状態で恋愛成就してみたかったと思っちゃいました。
敵との恋って萌えるのでね!

真相ルート感想

雛菊

凍玻璃の真相ルートです。
物語的には前向きで好きですが、個人的にはちょっと失速…。
でも感動もあってラストに相応しいルートでした。

凍玻璃の歴史のお勉強ルートです。
どんな願いを込めて作られたのか、創世の時からずっと記録のある鳴神のデータみたいなのを回想しながら真実が開示されました。
異国から来た露草の子孫が、失敗を繰り返しながらも理想郷や住む人のことを願ってチャレンジしてくところに涙ぐましい努力を感じてジーンと来ましたね。
そしてそれをいつもそばで見ていた鳴神。
鳴神ってまさかの失われた技術で作られたカラクリ人形なんですけど、創世者の言葉通り凍玻璃を守っていたのかなと思うとただのカラクリとは思えなくてまたジーン。
鳴神に感情はないのですけど、なんか絆みたいものを感じられて良かったです。
自分がいなくなっても凍玻璃を愛してくれますように、と託すように逝った顔も知らない創成者にうるっときちゃいました。

そして、雛菊の秘密も明かされます。
雛菊の父が健在のころ、禁域に行く機会もあって露草や柊と会っていたのですが。
その頃に禁域の泉に落ちて死にかけたことがあり、鳴神が自分の緋緋色金を分けて生かした過去がありました。
鳴神って神出鬼没で、いきなり雛菊の前に現れていたんですが、緋緋色金で存在がわかるからってことでした。
んー運命と言えば運命なので、某プリンスのようにメカとの恋愛展開あっても良かったかも。
正体バレが最高で、鳴神の腕がもげてカラクリでした~って大爆笑でした!
展開してたらもっと面白そうって思ったし、淡雪が雇用したがるほど従者として申し分ないみたいですし、歴史のお勉強以外も交流を深めたかったです。

他のキャラクターたちは、真相だけあって死人もほぼ出ず…続きを作る予定なのかなって思えました。
恋愛要素は発生しないですが、淡雪と露草にサンドされたり、依と帷の共闘を目の前で見れたり、個別ルートにはないキャラ萌えと楽しさがあって好きでした。

シナリオは今までの総集編で特にコレと言うところはなく、個人的には失速しました。
凍玻璃を落とす方法だけ今までと違ってスケールが大きく、そこは楽しかったですかね。
緋緋色金は凍玻璃の永久機関に使われているものなんですけど、その心臓であるコアを奪って機能を止めに来らたんです。
小生ももちろん加担しているんですけど、ラスボスみたいに朔が間者ですって言われた時は小生で峠を越えていたのでそんなに大興奮とはなりませんでした。
朔が緋緋色金を盗む理由も自分の寿命を伸ばしたいから…。
都市同士でやり合ってるのに突然どうした、違うゲームが始まったかと思いました。←

あと正直に、墨染の香が効能多すぎない?ってちょっと白けました。
毒にも薬にもなるのは今までの展開で十分わかっていて、その上体の成長止まりますと言われても「もうええんやで…」って思っちゃいました(疲れ)
属性はキャラクターに盛っていただきたく。

愚痴ついでにもうひとつ。←
銀湾の間者ってどうやって雲の上まで行かせてるんでしょう。
地上には大きすぎるものを浮かせる手段がないとして、凍玻璃側が交易ので下りてきた時に荷物に間者を紛れさせてるのかな?
凍玻璃にも関(関所?)があるし侵入するのは難しそうですけど…。
人だけなら飛べる技術が東えいにあったりするのかな、凍玻璃の技術を欲してるからあまり高度なテクノロジーも無いと思うんですけど、謎が深まるばかりです。
世界観の開示もお願いしたいです。
もしタケコプターだったら東大へ行ってください(何の話)

で、話を戻して、凍玻璃のピンチに落とすまいと身を挺している鳴神には心を持っていかれました。
そういう風に作られていたとしても、凍玻璃に尽くしている感じが人間に思えて好きでした。
凍玻璃のために自分の機能を停止してしまう時も、「心臓が熱くなる気がします」って人間ぽいことを言っていたし、鳴神と話せなくなるのが寂しいなって思いました。

エンディングでは、銀湾に帰った矢代に向けて雛菊が近況報告の手紙を書いていました。
私はここからシナリオが続いて欲しいです。
全編を通して凍玻璃の問題点はたくさん出てきましたが、解決はすべて先延ばしの印象なので、それぞれが理想郷を追求していくのを見たいです。
あと、凍玻璃の外には結局出なかったので、雛菊が外の世界を知るルートをやりたいと思いました。

あとがき

ユークロニアやりきりました!

今回、キャラクターは黒鶴の人たちが好きです。
どう考えてもパンチが効きすぎている人がいますが、もっと知りたいし甘い展開もほしいので、依の挽回とサブキャラの攻略を関係各位にお願いしたく…。
特に小生を私は攻略したいです。

シナリオは勧善懲悪ではなく、色んな側面から理想郷の問題をみつめることができて楽しかったです。
メッキの剥がれていく凍玻璃を理想郷たらしめるのは難しいけどみんなで協力して行こう、という空気感にまとまるのが良かったです。
シリアス展開があっても最後には希望が見えるのがとても好きでした。
でも、どのルートでもちゃんと解決はしていないのでそのあたりの進展が見たいです。
なので、ぶっ刺さったかと言うと微妙ですけど、思った以上には楽しめたし良い作品に出会えて嬉しいです。

次回は未プレイ者向け、ネタバレなしのまとめ記事を作ります。

では👋

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