幻奏喫茶アンシャンテ|ネタバレ感想

久しぶりに、真夜中にひっそりこんばんは。
ご訪問頂きありがとうございます。

冷え性で超絶乾燥肌なもので、いつも指先の冷たさを我慢するか暖房を入れて乾燥を我慢するか悩みます。
本日は冷え冷えの指でタイピングしてます(笑)
皆様はご自愛ください。

さて、新しいゲームを始めました。
オトメイトさんのSwitchタイトル「幻奏喫茶アンシャンテ」です。

プラットフォームNintendo Switch各種
メーカーオトメイト(IF)
発売日2019年10月10日
CEROC(15才以上対象)
シナリオ中山智美
イラストユウヤ
キャスト赤羽根健治/梅原裕一郎/石川界人/小野友樹/諏訪部順一/他
公式サイトhttps://www.otomate.jp/enchante/
敬称略
プロモーションムービー
オープニングムービー

あらすじ

祖父が営んでいた、一軒の喫茶店。
そんな彼の突然の訃報、そして遺言により主人公はその喫茶店へ関わることに。
どこか不思議な雰囲気のその場所で、彼女は不思議な男たちとの出会いを果たす。
「どちらさまも何も――異世界からのお客さまだけど?」
朗らかに笑う彼は、自称【魔王】。
その出会いは偶然か、必然か。
人ならざるものたちとの出会いの先に待つ、物語とは――。

公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(ルート又は章毎の途中プレイ機能)
フロートチャート×
選択肢又は未読箇所までのジャンプ×
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)
ステータス(パラメータ)画面×
アイキャッチ×
フォント変更×

基本はいつものオトメイトさん仕様です。

好感度のパラメータやアイキャッチ等はなく、手探りのプレイになります。
クリア後のチャプターからは好感度のhigh/lowを選択してプレイできます。

世界観とヒロイン

共通章の第一印象は、人外たちとのほのぼのとした日常ストーリーです。
OPもやっぱりほのぼの。
会話やノリはテンポ良くて、平和な日常の一コマそのものです。

しかしながら、所々ストーリーで不穏な要素がチラチラ目に入ります。
琴音が心臓を抉られる夢をみたり、人外のジョークですが世界を破壊とか征服とか全て無に帰すとか…。
うん、不穏極まりない。

琴音
主人公は淡木琴音ちゃん。
祖父の喫茶店アンシャンテを継いで、再開のために孤軍奮闘中。
何故か人間界の諸々に詳しい人外の彼らが時折手助けしてくれます。

人外たちは草庵のことを敬愛していて、その孫であり琴音にも友好的です。

その中のひとり、カヌスは首なし騎士。
キャラクターの重要ファクターのひとつ、顔面がない!
衝撃です。

そしてイルはだいぶメタが多いです(笑)
誰をモデルにしたんだよって思うくらい乙女ゲーマーです。

攻略は、イルからはじめて、クリアした順番に個別ルートの感想を書いています。

キャラクタールート別ネタバレ感想

Attention

以降はネタバレ回避のため【▽ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

イル・ファド・デ・リエルート感想

イル
Profile

Name:イル・ファド・デ・リエ

Origine:天界カエムル

Status:堕天使

CV:石川界人

見た目を裏切らない物腰柔らかで天然でぽやぽやしてるイル。
大の乙女ゲーム好きで、機械関係には強くて、生活能力低くて、肝心な部分は謎の多い子です。
ミシェルは弟のように、カヌスは騎士の本能?を燻ぶられて甘やかしてます。
イグニスだけは甘辛口なおかん、かな。
感情理解に疎い部分があり、先々に起こりうることを予期できないことや意思が通じてないこともしばしば。
しかし、イルの足りない所は彼の真実に繋がる大事な手がかり。
まさかの展開だらけで、イメージ通りのイルからは想像もつかない物凄くしんどいことになりました。

守りたい、この笑顔を。
これがドンピシャのルートだったと思います。
イルの育成物語というか、ヒロインイルをみんなで守り抜くというか…。
とにかくイルの笑顔の為に頑張り切るお話です。

ルートに入ってすぐ、イルと乙女ゲーのコラボカフェに行きます。
リアルのように普通に過ごして帰路につきますが、公園で小休止。
琴音がウトウトし始めたので、イルは気を遣って安眠できる歌を歌います。
が、これが大事件。
公園中の人が歌の効果で3日間の眠りについてしまい、ミシェル達が慌てて収拾してくれました。
イルは琴音に迷惑をかけたと落ち込みますが、これからは他の人外のように琴音に頼ってもらえる男になろうと手伝いを始めます。

初めは失敗ばかりで周りが見てられないくらいですが、琴音は根気強くイルに付き合います。
そんな琴音にイルは引かれ始め、琴音もイルがはじめてお手伝いを成功させた時に見せた笑顔が頭に焼き付いて段々と好きになっていきます。
そうです、この笑顔が守りたい笑顔。

イルの世話で母性本能やられた上、嬉しそうな笑顔なんかみせられたらもう降参ですね(笑)
一方、琴音はイルに勧められたのをきっかけに、イルが初めてプレイした乙女ゲーをやり始めます。
そのキャラクターのなにもかもがイルにそっくり。
違和感を覚えます。
そして、アンシャンテの周りで神隠し事件が起き始めます。

その首謀者は「神託の使徒」ソリトゥス。
堕天した片翼「断罪の使徒」を連れ戻しにきたのでした。
GPMの研究者、御門の助手がやたら出てくるのに素性分からんな~と思ってたらまさかの天使でした。
しかもですね、CV緑川光でかっこよすぎてどこまでも反則犯してます(褒め)
話を戻して、天使が感情を得ることは堕天(罪)。
天界では感情は安寧と不変を揺るがす排除の対象です。
堕天使となると、「断罪の使徒」に処刑されます。

そしてそれこそがイルの正体であり、個体名でした。
「イル・ファド・デ・リエ」とはただの乙女ゲーのキャラで、感情のなかったイルが模倣していたにすぎなかったのです。
なーるー。
他の人外より感情の相互理解が浅かったのはイルに自立した感情がなかったからなのか…。
引きこもって乙女ゲーしてるから、人を接する機会が少なくて感情の理解に乏しいのかと想像してました。
堕天も怠惰の末の堕天使かとプレイ前は思ってました(笑)
ちなみにミシェルがイルを甘やかしてたのも、乙女ゲーを渡して「イル」にしてしまったからだそうです。

ソリトゥスとのやり取りで、感情を失い断罪の人形兵器に戻ってしまったイル。
しかし、まだ感情を宿す器=「魂」は残っていたようで、琴音たちはイルの感情(笑顔)を取り戻す為、天界に向かいました。
天界は荘厳さと科学が融合した光輝く無機質な世界です。

神は科学で作られたAIで、天使たちは霊力炉という力の源から生み出された個体だそう。
琴音達は天界で出会ったエピロギという堕天使の協力を得て神のいる塔に侵入します。
が、断罪の使徒に戻ったイルは琴音をバグとして排除しようとします。
琴音の首を絞めてしまう寸前、「コトネ、コトネ…―」とイル徐々に感情を取り戻してくれました。
この間、イルは昔亡くした男女の友人たち、「追憶の使徒」が堕天した時の感情が「愛」だったと知ります。
ソリトゥスは折角元に戻した片翼がまた人間のバグやウイルスで堕天して怒ってましたけど、琴音は寄り添っていただけなんだよな~。
天使ってやっぱり他の人外と比べて寂しい種族な気がしますね。
分かり合えないって辛いです。

感情を取り戻し、自立し始めたイル達はアンシャンテに引き上げます。
しかし、人間自体を天界の敵とみなした神が人間界を滅ぼそうと計画します。
きたきたきた、世界を救うRPG展開!←
神を倒せるのは「断罪のプログラム」という神をも知りえない太古の科学技術を使えるイルだけ。
でも、それを実行するとイルの魂ごと消えて壊れてしまうということ。
戦いの準備の間、イルはそのことを隠し続け、最後の夜に今後の夢を琴音に語ります。
手伝いをして、頼れる男になって、つい先日気が付いた琴音への「愛」を伝えて…。
フラグの本数だけ心が抉られます。

神殺しに向かうイルの前にソリトゥスが立ち塞がります。
両者とも死力を尽くしますが、神の信託から外れ自由意思で戦うイルが勝利します。
ソリトゥスは無自覚にイルに友情を抱いていて、隣にいるのが当然の相棒だから連れ戻そうと執着していたそう。
皮肉にもソリトゥスも感情を知らず知らず持っていたんです。
イルの言う通りもう堕天してしまえばいいと思います。
結構な理不尽神託を寄こしてたけど、ソリトゥス悪い天使じゃない(確信)
神の元にたどり着いたイルは断罪のプログラムで神殺しを実行します。
最後の最後でイルが壊れてしまう事が琴音にバレてしまいますが、イルは琴音が好きて言ってくれた笑顔で「愛」を伝えてEDを迎えました。

少しずつ感情を無くすイルが悲しすぎて台詞を聞いてられません。
イルルートは何度でも心を抉ってきますね。
悲しすぎて、本気でノーマルかバッドエンドだと思いました。
攻略キャラから気持ちが消えるなんて悲恋EDですやん。

でも、これがハピエンです。
ちゃんとEDの後に1年後のアンシャンテが描かれてました。
イルが壊れて1年、天界はソリトゥスとエピロギが先頭に立って支え、アンシャンテにも日常が戻りつつありました。
琴音もいつも通りですが、ちょっと気丈に振舞ってる様子。
感情も消え動くこともままならないイルですが、琴音に「あいたい」という衝動だけを糧に突然現れます。
琴音の呼びかけで徐々に感情が宿るイル。
ここからまたふたりの「愛」が始まるんだな~という終わり方でした。

呼びかけで段々とイルが元に戻っていく描写が泣けました。
2回目に感情無くすときにもう無理だと思ってたので余計に感動。
アンシャンテでわちゃわちゃやってた日々が戻ってくるといいなと思いました。
ちょっと浮世離れしたイルの育成というよりは、スタートラインに立つまでの壮大な成長物語ですね。
特に琴音のためにどんな状況になっても堕天してみせるイルの気持ちは間違いなくかけがえのないものです。
このルートの終わり方は好きです。

でも、イルを見ていて悲しく思うことが多かったので、ED後は希望的観測だけでなく彼の幸せが約束されてるとよりいいなと思いました。
その、ゲームしすぎの悪い癖なんですが、具体性のない「いい方に向かいまーす!」みたいなのはフラグに思えてしまうのですよ。
フラグじゃない確証が欲しかったというかなんというか(しどろもどろ)

カヌス・エスパーダルート感想

カヌス
Profile

Name:カヌス・エスパーダ

Origine:妖精界メディオ

Status:首無し騎士(デュラハン)

CV:梅原裕一郎

その名の通り首がなく、見た目はとんでもないインパクト受けます。
でも中身は人外の中でも人間的。
優しく真面目で、よく買い物に出る街でも困った人を見過ごせません。
言葉遣いから何から古風な騎士のような彼です。
そんなカヌスですが、メディオでは「死を告げる妖精」と呼ばれ恐れられています。
メディオは一本の大きな木-世界樹で形成された自然豊かな妖精界。
妖精女王ティターニアが統治し、弟(?)ヴェンニーアがその補佐をしています。
相反するカヌスのイメージは一体何なのか。
ルートを進めるとメディオの摂理に縛られた悲しい事実が見えてきます。

ある日、カヌスとガーデニングの約束をしていましたが、カヌスは椅子でうたた寝中。
琴音は呼びかけたり顔の辺りをつついたりしますが反応はありません。
琴音が余りにも至近距離だからカヌスも寝たふりをしていました。
狩也くんに見つかるまでは。
狩也くんは共通章で出会ったアンシャンテのお手伝いさんで、体は妖精・心は人間の中学生です。
カヌスの顔がぼんやりと見えるんだそうです。
このあとカヌスは琴音と独り占めしようとした罪で人外ズの裁判ごっこに掛けられます。
罪状を読み上げるのはイル。
…ギャグシーンなのにイルルートを先にやっちゃったせいで笑えねぇ(震え声)

別の日、琴音はメディオへお茶会に行きます。
カヌスはお茶会の時はいつも通り席を外し、それ以外の面子でティターニアと談笑します。
ティターニアは世界樹と一体化して動けないのでいつもお土産話をするんですが、ファッション雑誌にキャッキャしてて可愛かったです。
その帰り道、カヌスを見かけて声をかけようとした矢先、カヌスは大剣で妖精を殺してしまいます。
混乱しますがひとまず保留に。
そして、アンシャンテのメンバーとより交友を深めるため、毒舌辛口慇懃無礼なヴェンニーアが常連になります。
初めは紅茶を飲んで帰るだけでしたが、次第に打ち解けて話すようになりました。
カヌスがリラックスしてるのをみて、妖精界では見たことないって珍しく笑った顔まで見せてくれました。
カヌスにとっては今も昔も変わらないアンシャンテが癒しの場になってるようです。

また別の日、カヌスとメディオへ行きます。
保留にしていた妖精殺しの件を琴音は独自に探ってみましたが見当がつかず。
凛堂のアドバイスもあってついにカヌスに直接詰問します。
返ってきた答えは、生まれながらにその役目を負っているということでした。
自然発生で増える妖精たち。
メディオでは「死」の概念がないので、寿命がない妖精たちが増えすぎないように殺さなければなりません。
しかしそれは建前で、真実は世界樹に養分を与えるため妖精を生贄にしているのでした。
カヌスはこれ以上琴音がメディオの闇に踏み入って来ないように拒絶します。
客の事情に不可侵な草庵と比べられ、種族の壁は厚いと突き放され…。

しかしですね、条件反射みたいに優しさからくる故意的な遠ざけの言葉だとゆり子はわかってしまいまして。
拒絶の言葉は痛いですが、不器用にしか立ち回れないカヌスが切なくてうるっときました。
おえんよ、弱いんじゃこういう展開。
そのあとのカヌスが独り、琴音の心配ばかりしているシーンで更に涙。
カヌス、不器用はディスアドだぞ。
そういう人好きですけどね!

琴音が帰ったあと、突然世界樹の根の付近にホールが発生します。
ホールの影響で根からの養分供給ができなくなった世界樹は、ティターニアと一般妖精から養分を吸収し始めます。
一方、琴音はアンシャンテの面子とヴェンニーアのゴリ押しでカヌスと対面することに。
メディオの悲劇と理を教えてくれます。

500年前、ティターニアたちの姉であり、先代の死を告げる妖精「バンシィ」が世界樹を殺そうとしましたが失敗。
世界樹は戦闘で受けた傷を治すため、大量の妖精を喰らおうと暴走します。
世代交代してカヌスが生まれ、妖精を殺して回って事態を収拾します。
そしてティターニアが女王に、妖精たちの犠牲を最小限に抑える妥協として世界樹の贄になりました。
カヌスは琴音に笑顔でいてもらうため、知らないままでいて欲しかったそう。
琴音は知った上で草庵と比べず自分を見て欲しかったようです。
そしてカヌスの帰る場所になりたいと。
ずっと拒絶反応を示していたカヌスですが、琴音の言葉に動かされてついに本心のままアンシャンテと草庵と琴音を称賛します。

褒めすぎ、好きすぎ、ファンすぎ…めっちゃ語ってくれました。
無意識に琴音好きまで告白しちゃうし(笑)
その後、琴音は様子を見に来たヴェンニーアと一緒にティターニアの所に戻ります。
が、ヴェンニーアにしてやられます。
ティターニアをどんなことをしても助けたいがため、琴音を無理やり贄の玉座に据え付けます。
琴音を助けるためにアンシャンテ側は絶対動くし、ミシェルたちの力なら確実に世界樹を殺せるから琴音を利用したのでした。
アンシャンテに通ったのは情報収集のためだったんですね。
ヴェンニーアはバンシィを失ったこと、ティターニアを世界樹に取られたことから自分の大事なものを守ることに固執しているみたいでした。
でも、非道になりきれず琴音に対してちょっと哀しそうにしてるのがまた切ないです。

その頃、カヌスはホールが発生した場所を探索中。
世界樹の分身、歴代の女王の成れの果て「ソウルイーター」と遭遇します。
妖精たちが脅威を逃れアンシャンテに逃げ込む瞬間、ミシェルたちが助太刀に。
言葉少なく加勢してカヌスを琴音の元へ行かせるアンシャンテの面子が本当に心強かったです。
過去にない事態に本来持たない「怒り」に震えた世界樹は更に玉座にソウルイーターを送り、ティターニアを喰らおうとします。
それを止める琴音。
世界樹に命を吸い取られて記憶が落ちてもカヌスだけは忘れまいともがきます。
間一髪でカヌスが駆けつけ、スタイリッシュ救出。
死を告げる妖精は今度こそ世界樹を葬りました。
数時間後、朝焼けに染まるメディオでカヌスと今後について語るふたり。
新しいメディオが芽吹く時、またふたりで美しいメディオを眺めようと約束します。
朝焼けの光が増す中、兜を外したカヌスは…。

EDへ続きます。
どんな顔をしてたのでしょうか。
琴音だけ見えたかもみたいな演出が憎い(笑)
その後、自由になったティターニアはアンシャンテの常連に。
カヌスは世界樹抹殺の件で死を告げる妖精の名を払拭され、メディオの復興のため「命を育む妖精」に。
なんでもアンシャンテでのガーデニングの知識を活かして妖精たちの先生的立場になっているようです。
そして、ヴェンニーアには罰としていかなる時もティターニアのそばに付き添うことが科されました。
実質無罪…いいのでしょうか?

ある日、琴音は復興の進むメディオへカヌスに連れ来られます。
新たなメディオは一面お花畑。
カヌスはそのど真ん中で、騎士らしく跪いてちゃんと愛の告白と花嫁になって欲しいと言ってくれます。
ぽっと出の告白はありましたが、想いが通じ合うのはたった今。
最後の最後に物凄く王道だけど、物凄く素敵なシチュエーションを頂きました。
カヌスと琴音なら、顔が見えなくてもお互いを分かり合って幸せに過ごすと思います。
世界樹の理はかなり理不尽でしたね。
犠牲を抑えるために優しいカヌスが犠牲になってて悲しかったです。

でも、そんなカヌスの心根あってこそ周りの信頼も厚くて。
ピンチになっても自然と信じていられるし、大事な局面も託せるし。
カヌスもそれに応えようとするところが、実直さがよく出ていたと思います。
いい人外関係が見られました。
ワンチャン、カヌスのご尊顔を拝めないかな~と邪な期待を抱いていたんですがお察し。
琴音だけが見たかもしれない神秘です。

あと、毎回クリア後に新しいプロローグの解放があるんですが。
冒頭のスノーノイズからショパンのノクターンへのコンボがびっくりするし不穏すぎます。
でもこのパートも重要なんでしょうね。

イグニス・カリブンスルスルート感想

イグニス
Profile

Name:イグニス・カリブンスルス

Origine:獣界ベスティア

Status:焔狼(ヴィニトル)

CV:小野友樹

物凄く大食らいなイグニスくん。
アンシャンテではいつもお肉ばかり注文しています。
ちょっとガラの悪い見た目通り喧嘩っ早いですが、面倒見がいい兄貴分です。
そんなイグニスはベスティアで一番強い存在です。
命なんて軽んじられる残酷な世界で、価値観を変えるべく「不殺」を貫く彼ですが、とんでもない秘密が隠されていました。

共通章でイグニスが助けて、アンシャンテで飼うことになった海獣(パークス)の子どもコロロ。
片言は話せるけど、普段はきゅーきゅー鳴いてる角アザラシみたいな可愛い生き物です。
イグニスが里帰りに付き合ってベスティアに連れていきます。
コロロは途中、謎の洞窟に迷い込みますが遊泳を楽しみました。
その後、倒れるほど腹ペコになって帰ってきたイグニスがアンシャンテの食材を食べつくしたので買い足しに出かけることになります。

途中でドローミと出くわします。
ドローミは勝手にイグニスを慕ってついてくる人虎という魔獣です。
ドローミが番だの雌だのイグニスの恋バナをするもんだから、アンシャンテにまで広がってみんなでイグニスの彼女妄想するの楽しかったです。
ていうか言い方(笑)

数日後、公園でスケボーをするイグニスを見つけた琴音。
彼の滑りを堪能して帰路に着きますが、ゲートから街に出てきた魔獣・豪角(アルムム)に遭遇。
イグニスが退治しますが、血を見ると赤い衝動がよぎるようになります。
琴音の傷を舐めるスチルまでありました…。
野生開放か…?
豪角時間がしばらく続いたため、GPMに話を聞きに行くと、アンシャンテを囲むようにホールから豪角が出現しているそう。

また、現れる豪角は揃いも揃って敵味方の見境がつかない様子です。
べスティアから姿を消しつつあるとの情報もあり、イグニスは現地へ原因を探りに行くことになります。
出発の早朝、イグニスは過去に暴走しかけた話をしてくれます。
たまたま転がり込んだアンシャンテで草庵の料理を食べた感動で正気に戻り、アンシャンテに通い始めたとか。
義理と恩に厚いですねイグニス。

調査が始まって数日後、イグニスがいないことを寂しく思う琴音。
珍しくコロロも夜中に目を覚まして寂しがります。
アンシャンテのゲートの部屋を見てから再び眠ろうとする琴音とコロロは何者かによってべスティアへ放り出されます。
カヌスとイルもすぐに異変に気づいてべスティアへ向かいます。

その頃琴音は狐姿の弱小魔獣に助けられ一命を取り留めます。
コロロがイグニス見つけてきてくれて、夜が明けるまで焔狼の縄張りで過ごすことになります
寝る前にイグニスが、寒さ除けに抱き寄せてくれて過去を語ってくれました。
べスティアのトップでいるのは、奪った命に敬意を持てる価値観へ変わって欲しいから。
昔、焔狼が襲われた時、イグニスは暴走して襲って来た魔獣を返り討ちにしたそう。
強さを証明するのが摂理の世界でも、なぜ喧嘩ではなく殺し合いが正当なのか。
世界が気に入らなくて、自分が不殺を貫いて意識改革に取り組んでいるみたいです。
イグニスへの理解が深まるし、めちゃくちゃいい雰囲気なのに。
さすがイグニス、お腹鳴らしてくれました(笑)
かわいいな~。

でも琴音から美味しそうな匂いがするって…やばい発言もかまします。
そこへ豪角が現れたと知らせが入ります。
駆けつけると人間界に繋がるホールへ入っていく大群の豪角が。
戦う中、理性を残した豪角からイグニスの過去の真実が語られます。
焔狼は迫害の歴史があること。
イグニスが暴走して焔狼を壊滅に追いやったと。
普通の魔獣は本能で殺し合いをするけど、イグニスだけは理性がありそれを無くした暴走状態で殺しをやる例外で化物だと。
そして、他の魔獣はイグニスがベスティアにとって危険な存在だから彼を狙うのだと。
焔狼サイドもイグニスに真実を隠して、生き残るために彼の力を利用していました。
不殺精神が崩壊した上に、身内すら裏切ってるとか…。
イグニスに世界が厳しすぎる!

失意のイグニスはショックと血の臭いで人知れず暴走衝動に駆られかけたのでした。
放心のイグニスを連れてなんとかアンシャンテに戻った後、みんなでイグニスの暴走本能を排除するための話を聞きに焔狼の縄張りへ行くことになります。
ドローミが密かに不満を言いますが…。
イグニスはイグニスで、自分の食欲や衝動が昔よりはるかに増していることに気づき始めます。
しかし、暴走本能については何もわからずじまいでした。
手詰まりかと思えましたが、イグニスが他の魔獣では不可能な「食事」ができることに今更気が付きます。
そして、コロロが人虎の近くの海に行きたがったのでそちらへ。
意味深に「いぐにす。えさ。たべる」と言い、冒頭の氷の洞窟へ向かいます。

以前に、誰かが石版の文字を読み上げるのを聞いていたコロロの言葉と石板の伝承から、イグニスが「焔の狼」の末裔だとわかります。
焔の狼=界喰狼(ヴァナル)は何もかもを喰らう災厄。
イグニスの食欲は界喰狼の血筋から。
焔狼の迫害は世界を守るためにやっていた苦肉の策でした。
本当に世界がイグニスに冷たくて厳しすぎ…。
イグニス自身が不殺から一番遠くて、ベスティアの摂理の根源だったなんて。

一方で、豪角が焔狼の縄張りに強襲したことで焔狼は全滅。
駆け付けたイグニスは惨状をみて暴走します。
追いついたイルと琴音はイグニスに食われ…ちょっとこの辺りはグロくて書けないです。
そのあと到着したミシェルたちの攻撃でイグニスは正気になりました。
一応、説明しますと、ここでの食べるはえっちな意味ではなくて捕食です。
琴音は怪我もしますし、何より恐怖でイグニスに近づくことができなくなります。
展開がキツい。

人間界に帰ると、ミシェルとカヌスは目覚めないイルの治療の方法を探しはじめます。
そして、凛堂の尋問で豪角や今までの事件を仕組んだのはドローミだと判明しました。
彼はイグニスに界喰狼を夢見ていたようで、自分の両親が殺された理由を正当化するためにイグニスに付いていたようです。
ドローミは界喰狼の復活を諦めず、尋問から抜け出し、街に豪角を放って混乱を作ります。
その隙に琴音を攫ってべスティアに戻ります。
ベスティアで、ミシェルの結界に閉じ込められたイグニス。
その前に琴音を差し出して界喰狼の覚醒を促すドローミ。
琴音は会いたいけど怖いという葛藤に苛まれながらも勇気を出してイグニスに近づきます。
精神的にも物理的にも。
しかし、健闘虚しくドローミが琴音の傷を開いて血を流したせいで、人間に味を占めたイグニスは界喰狼となってしまいます。
アンシャンテのメンツ、駆けつけた弱小魔獣たちの力添え、琴音の気持ちでイグニスを元に戻す長い戦いの末、EDへと向かいます。
なんと一番活躍したのはコロロと海獣。
誰もイグニスの動き止められなかったのに、海に落としてとめましたからね。

ED後、琴音の思いが届いたイグニスは元通りガルデレオカンで、アンシャンテの常連をやってます。
戦いの後、コロロは群れに戻り、いつでも会えるようにゲートの近くに住んでるみたいです。
べスティアも界喰狼との戦いの後、少しずつイグニスの望む不殺が浸透していくようになりました。
イグニスは頼りになるし、良い彼氏になるんじゃないでしょうか。
にしても、イグニスの口説き文句が男として喰べてやるはちょっとね。
本当に琴音の血肉を捕食してるし、冗談でも怖いのですが…。
好きに理屈はいらないだろうけど、喰われた恐怖が薄れるのが早すぎた感じはしました。

何はともあれ、幸せそうに過ごしてるようで安心です。
ちなみに、流れ的に必要ないので抜きましたが、好きなシーンがありまして。
コロロにアンシャンテのメンツの名前を呼ばせる場面がめちゃくちゃ可愛いです。
ちゃんと呼べる人もいればあだ名の人も…笑
カヌスだけイケボで呼んだのが面白くて、しばらく笑わせて頂きました。
かわいい。

戦闘と葛藤シーンの描写を殆ど抜いちゃったのでちょっと物足りない感想ですが、実際は天地がひっくり返るような事態を何とか乗り切る壮絶なお話でした。
みんなの戦いっぷりも圧巻ですし、是非プレイして圧倒されてくださいませ。
それにしても、イグニスルートはアドベンチャー要素は一番面白いけど、物理的にきつかったな~という印象です。
結構グロいし、琴音が怪我し過ぎで痛々しかった…。
特に、イグニスが暴走してイルと琴音が傷つくシーンは衝撃が凄すぎて、後引きまくって、最後の幸せ展開が頭に入って来ないくらい唖然でした。
だから、イグニスとラブラブになるの早いって思ったのかもしれません。
諸君、「好きな子食べちゃいたい」は怖いのでしばらく禁句です(笑)

凛堂香ルート感想

おじさん
Profile

Name:凛堂 香(42)

Origine:人間界

Status:超常事象対策機関(GPM)

CV:諏訪部順一

アンシャンテの常連の中で、唯一人間のダンディおじ様です。
人外の監視役としてアンシャンテを訪れますが、ミシェルたちには好意的です。
大人力で見守ってくれて、GPMの立場から、忘れてしまいがちな人外の危険性も常に忠告してくれます。
基本的に紳士ですが、自分の領分に人を入れない典型的な秘密主義者でもあります。
ただの歳の差恋愛ではなく、秘密に踏み込めば踏み込むほど斜め上をいく展開が待っていました。

人間と恋愛できると思ったそこのあなた。
詰めが甘いです(震え声)
「幻奏喫茶アンシャンテ」は人外との恋物語、そう、凛堂ルートも人外と恋愛するのです。

東北地方、琴音の地元近くの天咲島の事件後、突然アンシャンテに来た御門に彼女へのプレゼント選びを頼まれた琴音はイルと出かけます。
散策の途中、オフの凛堂ともばったり会います。
立ち絵の格好がハ○アンドローの撮影帰りの派手叔父?です(笑)
女子高生も引き気味で盛大に笑いました。
人外含めた全員に若作りって言われてたしな(笑)
おじ様、年相応のスーツでいてくれ!

数日後、狩也くんの健康診断のためGPMの本社へ。
診察の待ち時間に御門が彼女を紹介してくれるらしいのでついて行くと「くーちゃん」という白狐が。
ずっとぬいぐるみだと思ってましたが、なんと御門が自分の血を餌にして生かしている人外でした。
そしてビックリ、凛堂の妹で第二種の人外でした。
第二種は話せないけど敵意はない分類だったと思います(曖昧)
今までで一番驚いたかもしれません。
Aボタンを押す手がしばらく止まりました。

凛堂インパクトの翌日、上の空で仕事に身が入らない琴音。
ミシェルたちが心配してくれて助言してくれます。
凛堂に踏み込め、と。
ライバルに塩を送るみたいな事言ってたしミシェルは琴音のこと好きなのかな。
別の日、イグニスと買い出しに行った帰り、公園で凛堂達と人外の戦闘を目にします。
改めて、人と人外の違いを認識させられます。
人外にとっては当然でも人にとっては異常。
悪意ない食い違いから命を落とすこともあり、人外は危険だと。
人外の事は嫌いでないけど、妹の手前肯定もできず。
また、御門たちや仕事上の経験から人と人外の末路は悲劇にたどり着くものだと持論を教えてくれます。
そして、承知の上で凛堂の妹のことに踏み込んだ琴音。

夜、アンシャンテに戻って話をします。
妹、雫さんは元人間で御門の恋人。
しかし、GPMの無謀な人体実験の失敗で人外に変異しました。
暴走する雫に手を下そうとした凛堂を御門が止め、抑制剤をうち、建前上「貴重な人外サンプル」として生かすことになりました。
御門は今でもくーちゃんを心から愛していて、元に戻す研究をしているそう。
顛末を知ると凛堂の忠告がかなり説得力を増しますね。
そして御門の性格が想像を突き破って愛情深い人でした。
やっと凛堂へ踏み込めたと思います。
そうしたらなんと、好きかどうか聞かれてデートに行くことになります。
おじ様、何考えてんだろう?

翌日連れていかれたのは凛堂の自宅マンション。
実は、天咲島の事件で助けた人外-クーレイ族がお礼を言いたいということでした。
が。
そんなことは関係ないと思います。
お茶して、買い物して、楽しそうに料理作って、夜景を前にこうなるための口実以外に何があるというんだ!
ニヤニヤが止まりませんでしたが、ミシェルが絶妙なタイミングの電話で止めてくれました。
凛堂と琴音の事もね。

しかし、まさかの第二弾。
後日、本当にクーレイは言い訳材料で、再び凛堂のお宅へ。
琴音がいい雰囲気の中、凛堂に好きって言っちゃうからおじ様豆鉄砲食らってたじってました。
そこへ御門から意味深な電話が。
異変に気付いてGPMに向かいますが、潜入したら死屍累々。
凛堂も謎の人外に命を吸う呪詛をかけられて余命2日となってしまいます。
急すぎます。
感情が追いつきません。

アンシャンテの人外が必死で情報収集しますが、助かる見込みはほぼゼロ。
手詰まりになった時、御門から呼び出しを受けます。
応じると御門は、凛堂を生かすけど人外に変えてしまう薬を寄こします。
これは、過去に雫さんがGPMに飲まされて人外化した魔の薬。
御門は凛堂が生きることを望み、去っていきました。
琴音とアンシャンテの人外は生かすか殺すか、重い選択を迫られます。
生かしても、凛堂は望まない人外になってしまい、死んでしまったら本当になんにも残りません。
考えた末、琴音は凛堂のこれからを背負う覚悟で、彼を生かしました。
今までの選択肢の中で一番重いと思います。
アンシャンテの人外一人ひとりの意見も聞きましたが、全部正解にもはずれにも聞こえるし。
人間界で19歳の子が選ぶ選択肢じゃねぇです。

数日後、手と左半身が異形になった凛堂が目を覚まします。
諸処考えることはありますが、御門が雫さんを使ってGPMを襲撃したことがわかり、行方を捜索し始めます。
そんな中、辛い目に遭っても未だに一歩引く癖が抜けない凛堂にカヌスが本音を吐かせます。
「人外になんかなりたくなかった」
って言う悲痛な叫びが本当に痛かったです。
色々理由はありましたが、人と人外の末路は悲劇って思っているから、琴音ともし生きていくとしても人外になった自分とでは悲劇になることが怖かったようです。
妹が悲劇に見舞われた分、自分が幸せになることにも抵抗あるみたいでしたし。
しかもこれ、生死の選択肢、Aボタン押すのプレイヤーなんです…。
辛い。

また、密かにこれを聞いてしまった琴音は凛堂をデートに誘います。
罪悪感に押しつぶされそうになりながらも、人だろうと人外だろうと普通に過ごすことができて、幸せになれることを説きます。
告白して、キスまでして凛堂を説得しました。
「アンシャンテのマスターの普通を舐めないで」って殺し文句本当にかっこよかったです。
琴音の男気が凄すぎて、凛堂はここでもたじってました(2回目)
おじ様、若い子の推しに弱い…?
その後、御門がGPM本部の屋上に現れ、アンシャンテのみんなで駆け付けます。
凛堂と琴音が御門を説得しますが、決裂。
恋人を奪ったGPMを食ベさせてくーちゃんを人間に戻すつもりでいる御門と、殺し損ねた妹の悲劇を終わらせるために凛堂は戦いました。
過去の贖罪とはいえ、友人と妹を同時に失って人外として生きていかなければならない。
凛堂にとって悲劇すぎる幕引きです。
しかし、希望の道、琴音と悲劇に終わらない人と人外の道を探すことが凛堂の進むべき道となったのでした。

うーん、ハッピーエンドであり、バッドエンドでもありという感じです。
正直複雑ですが、悲劇ばかりを見ていた凛堂が過去を断ち切れたのは良かったのかなと思います。
ちなみに、ED後はアンシャンテで早速いちゃこらしてました(笑)
香呼びはまさかの最後まで無しです。
さっすが人外専門の恋愛ゲーム。
色んな意味でやってくれたと思います。
そして、人と人外の交流について考えさせられる深いお話でした。
違うから悲劇になるとか、危険性に留意しておくとか、全く違う生き物同士が同じ道を歩む難しさを感じました。
しかし、違う違うといって先を恐れるだけでは希望はなくなる一方なので、アンシャンテのメンバーが最初っから言ってる「相互理解」が共存の第一歩なのかな~と思います。
凛堂だけではなく、他のルートでも未来は描かれてないので、ここはFDで悲劇の未来にならなかった証明が見てみたいところです。

あとがき

さて、個別の感想はここまで。
ミシェルももちろんプレイしていますが、当初から書くつもりはなくて…。
でも、再プレイなどで気力が湧いたら追記したいと思います。

アンシャンテ全体としては、OP詐欺ですね(笑)
人外と一緒にほのぼのと人間の日常を過ごすのかと思ったらドシリアス…!
しんどいしんどいの連発で疲弊しました(いい意味で)
人によってはハンカチが必須かなと思います。

さて次回は、アンシャンテの評価記事を書く予定です。

では👋


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