君は雪間に希う (君雪)|ネタバレ感想

こんばんは。
いつもご訪問ありがとうございます。
また、やる気ボタンとパラツー記事の拍手を押していただき感謝です!
ハライチ岩井×オトメイトの企画が発表されてから数年、ようやく君雪がはつばいされました。
早速江戸時代に行ってきます!

プラットフォームNintendo Switch各種
メーカーオトメイト
発売日2021年7月29日
CEROC(15才以上対象)
原作・プロデューサーハライチ岩井勇気
シナリオ佐々木麿/結城由乃/仰木サヤ
イラストTeam.ナガオカ
キャスト小林裕介/前野智/山下誠一郎/佐藤拓也/浪川大輔/斉藤壮馬/他
公式サイトhttps://www.otomate.jp/kimiyuki/
敬称略
プロモーションムービー
オープニングムービー

あらすじ

時は享保元年。
八代将軍・徳川吉宗が江戸を治めることになった世。
江戸の町では、異形の化け物による事件が多発しており町民は度重なる事件に不安と不満の声を漏らしていた。
そこで徳川幕府は町の治安維持のため密に異形を取り締まる組織「御庭番」を設けた。
それから季節が巡り――享保十一年。
江戸から遠く離れた村に特別な力を持つ一人の少女が暮らしていた。
彼女が「黒い糸」を見た場所では必ず禍が起きる。
不気味がった村人たちは、雪が降り積もる山奥へと少女を追いやった。
そんな彼女の元に御庭番と名乗る青年が現れ……。
これは一人の少女と「人ならざるもの」たちが出会い、愛を知る物語。

君は雪間に希う公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(ルート又は章毎の途中プレイ機能)
フロートチャート×
選択肢又は未読箇所までのジャンプ
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)
ステータス(パラメータ)画面
アイキャッチ
フォント変更×

いつものオトメイトさん仕様です。

物語は、共通章、所属、個別と3段階に分岐します。
所属は武家町、城下町、娯楽街にそれぞれ攻略キャラが2人ずつ配属されています。
プレイヤーは所属を選択し、進めるうちに同じ所属内の好感度が高い方の個別ルートに入る仕様です。

世界観とヒロイン

ゲームの舞台は江戸中期、徳川八代将軍吉宗の治世ということで1716年~がモデルです。
吉宗自体はキャラクターとして出てきます。
薄桜鬼よりも更に昔の年代で、ゴリゴリの江戸時代です。

今作のヒロインは紗乃ちゃんです。
紗乃
雪深い山奥に一人で暮らしています。
白皙(はくせき)という一族の末裔で、他の人には見えない「感情の糸」を見ることができます。
紗乃ちゃんが黒い糸を見た場所で禍が起きるそうですが、黒い糸は人間が宵禍(よいか)になる時の前兆のようなものです。
彼女しかこの能力は無いようで、人々は紗乃ちゃんが禍の元と思ってしまているようです。

攻略キャラクター6人は全員奇虚(きこ)と呼ばれる、半分人間、半分形人(かたちびと)
ちなみにこの人たちに「糸」は見えません。
生成の際に「あるもの」を失いますが、宵禍を討伐する力を得ています。

幕府に御庭番(おにわばん)という役職があり、奇虚たちは特殊性から「裏の御庭番」として所属しています。
( )書きの名詞は公式サイトの用語集に詳しく説明されているので、参考にしてみてください。

シナリオの序章で智成と國孝が幕府の命令で紗乃を迎えに行き、江戸につくとそのまま御庭番に配属されます。
そして、武家町、城下町、娯楽街の潜入捜査をしている3組から配属先を選びます。
武家町は智成・國孝、城下町は源十郎・与市、娯楽街は錦次・桜太郎のペアと行動を共にすることになります。

一番に思ったことは綺麗!
絵もボタンの効果音も画面タッチのエフェクトも…とにかく全部綺麗。
そして、キャラクターの振り返り立ち絵がかっこよすぎ!
ゆり子はキャラクター情報が解禁された時から源十郎が気になっていました。
なので城下町から特攻をかけました。

組別共通章とキャラクタールート別ネタバレ感想

Attention

以降はネタバレ回避のため【ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

城下町ルート

源十郎、与市に分岐するルートです。

配属後、紗乃の表向きの職を探しつつ、「髪切」と呼ばれる宵禍の討伐任務に着きます。
この宵禍は、綺麗な髪の毛の女性を狙い、髪を切り落としていく通り魔的な行動をしています。
城下町組はこれの討伐が目的ですが、事件のように情報を聞き込みしたり、謎解きのようなストーリー運びが面白かったです。

また、紗乃は足でまといになるまいと自ら戦闘の稽古を与市につけて貰います。
源十郎も筋がいいと褒めてくれますし、与市も小刀を信頼の証として与えてくれますし、戦えるヒロイン、かっこいいです。
そして、紗乃も白皙の血統の力で、宵禍の発生源の人物や形人に雪戲ができるとわかりましまし、活躍に期待します。

3人の努力によって事件は解決しますが、「髪切」の犯人は形人が宵禍化してしまったものでした。
今までにない事例と言うことで、懸念を抱えて個別ルートへ進みます。

城下町ルート

錦次、桜太郎に分岐するルートです。

悪からお金を奪い、庶民にばらまく―猫又小僧と言う義賊が娯楽街に現れます。
その正体は身請け前の遊女・瑠璃子という形人ですが、本人が蜘蛛型の宵禍化しており、お金をまく度に蜘蛛の宵禍が出現するため、娯楽街組が対処にあたります。
娯楽街組の上司である清彦が初代猫又小僧だった黒歴史等も出てきますが(笑)
騒動は無事に沈静化します。

この時、紗乃は白皙の一族の雪儀の力に目覚めます。
形人は元の道具を壊せば死ぬのですが、それをしなくても宵禍を止められる力です。
木札が残留思念に汚染されるようですので、基本的に奇虚達はそちらを切って宵禍を止めるようです。
瑠璃子は形人の宵禍化の調査と、罪の沙汰待ちで牢屋式に入れられ、身請け予定だった辰之助は落胆のままキャラクターの個別ルートに分岐します。

城下町ルート

智成、國孝に分岐るするルートです。

いきなりバトルのような茶会が…(笑)
武家町に配属になった紗乃は、旗本の奥方たちとお近付きになるために茶会を経験します。
茶道のマナーを知らない方が紗乃の気持ちにより近づける内容になっていました。

そこで不逞浪士の噂を耳にし、すぐさま見回りに出ると、吉宗の隠し子を名乗る山伏・天一坊改行(てんいちぼうかいぎょう)が宵禍を使役して幕府を脅して取り立ててもらおうと画策していました。
せっかちな性格もあって逸り、幕府との全面衝突スレスレにまでなります。
が、武家町組で改行の宵禍止め、なんとか難を逃れました。
改行は翡翠の勾玉を使って宵禍を使役していましたが、彼に売りつけ、入れ知恵して唆した「あいつ」とやらがいるみたいです。

…また悪事に協力する「あいつ」ですか…。
このルートでは、紗乃は白皙の力は自覚せず、智成、國孝のサポートに徹しました。

久賀源十郎ルート感想

源十郎
Profile

-勤勉で清廉なるもの-

名前:久賀源十郎

年齢:27

役職:番方/御庭番

管轄:城下町

CV:佐藤 拓也

城下町を管轄としている戦闘に特化した奇虚です。
性格は冷静沈着で努力家。
与市のことも先輩の務めとしてしっかり面倒を見る真面目な面を持つ人物。
主人公に対してはどんな力があるのか、純粋に興味を抱いています。

源十郎の個人ルートの前に奇虚達全般に思ったことを書きます。
奇虚化によって削がれた「あるもの」は心そのものでしたね。
嬉しいも悲しい怖いも…封印されているし、実体験もないので、説明を聞いても理解が難しい様子でした。
個々のテンションの高さや性格の違いは個体差かな。

心が戻らない限り、元々の調子でほぼ同じトーンで話していて、起伏はあまりなかった気がします。
グラフにすると波打たず、ずっと直線に見える状態です。
任務をしていて機械的に思う場面もあるので「ああ、人間とは違うんだな」って感じます。
宵禍の被害を受けた人が体調を崩したり、怯えていたりしても、淡々と話をしていたのが印象的でした。

でも、感情を推測はできるので気遣いは人並みにできますし、一緒に任務していて不快に思ったりはないです。
ただ誰よりも効率的な人たち、と私の目には映りました。

反対に紗乃にとっても、糸以外から感情を読み取らなければならない奇虚たちは初めての種族です。
紗乃は人とはあまり接する機会がなく生きていたので、感情の糸を気にしないで話せる気楽さと、感情が見えないことを不安に思う事と…慣れないうちは一回自分の中で思慮を巡らせてから言葉にしていました。
普通の人たちと接する時とは違うもの感じているようでした。

さて、源十郎ルートの感想です。
城下町ルートを経て、紗乃は雑魚宵禍なら1人で討伐できるようになっていますし、城下町の見回りも源十郎と手分けして行う立派な御庭番の一員に成長します。
会った時からですが、源十郎にはめっちゃくちゃ興味の目でガン見されます。
特に何か聞きたいとかでもなく…!
冷静沈着に淡々と話しますが、先導してくれるし面倒も見てくれるしいい人なんですよね。

しかも全てを「私がやる」という訳でもなく、紗乃の事も認めてくれて任せてくれるようになります。
自分が気が付かなかったことに紗乃が気がつくこともあると言ってくれた時は、よく見てくれてるな~と思いました。

ただ、人間と奇虚との違いから、会話していて紗乃の話の意図がわからなかったりはします。
あと、源十郎が不器用なのと紗乃のコミュ障がかみあってしまってなかなか関係が進まないのはもどかしいけど、間違いなく私が推しになるキャラによくある特徴だなと思って逆に安心しました。
ある日、源十郎を仇討ちの赤堀と勘違いして付け狙う形人の宵禍・半蔵が現れます。

かなり力が強いということで、紗乃は源十郎の奉公人兼何かあった時の伝令として一緒に行動することになります。
警戒中にも半蔵が城下町の多くの形人を操ってさらい、仇討ちの噂を広めるので、ついに源十郎が奇虚の役目を果たすのが困難になり自宅待機となってしまいます。
そして様子がおかしくなった源十郎と話して、紗乃は彼が悩んだり困ったりしているのだと気が付きます。

奇虚としての役目を果たせない事を気にしていたんですけど、ここから源十郎の感情が出てき始めます。
相談を受けた与市が「源十郎は奇虚らしいけど、奇虚らしくない」、任務には誰より忠実ですが宵禍の討伐より町民の安全を優先したりすると教えてくれるのですが。
ずっと組んでいる相棒だからこその視点ですし、口数少ない源十郎なりに町の人を大切にしている表れなので、温かい気持ちになりましたね。
そして今悩んでいることといつもやっていることの矛盾もなんとなく源十郎の優しさから来てるのかなと思いました。

半蔵の足取りがわかると、逃がさないために(本当は違うけど)仇討ち相手の源十郎が自ら赴いて戦う作戦が採られます。
市中には半蔵の流した悪い噂があるので源十郎を駕籠に隠れて移動するのですが、御庭番の仲間たちが駕籠舁き(かごかき)をやってくれます。
みんな、なんだかんだ仲良いし、息ぴったりの「よっせ、ほい」が可愛い…!
御庭番全員でのわちゃわちゃが楽しかったです!

そして駕籠の中での紗乃がドキドキしまくりのシチュエーションも萌えでした。
作戦後、半蔵の正体が神の力を借りた宵禍で、霊体なので形人を転々として何度でも襲い来る事がわかります。
源十郎の謹慎はとけないし、また、自分の元となった脇差の持ち主が半蔵の仇討ち相手とわかり今度は不安を覚えます。
道具は持ち主に似るし、封印されている部分が人殺しのように凶悪だったらどうしよう、と。
源十郎の心がどんどん解かれてきて嬉しい反面、宵禍の存在が余計怖いなと思いました。

そんな源十郎に紗乃は、他人の同じ境遇を知ったり、誰かの温もりに触れたりして気休めをしていたと言います。
源十郎は早速実行。
不器用に紗乃を抱きしめ、また、紗乃も自分が源十郎をどう思っているのかわからないことから不安になり、彼を抱き返します。

結構終盤にきても、2人ともめちゃくちゃぎこちないんですけど、そこが萌えました。
欲しいところでスチルも来ましたし、乙女ゲーならではのちょっとしたきゅんが堪りませんでした!
そしてね~半蔵は宵禍になるほどの負の感情を持っているけど、家族がいた頃の幸せな時間に比例しているのを知ってしまい辛かったです。

実は、半蔵の父が源十郎の元となった脇差を作った人で、赤堀はそれを盗んで半蔵一家を返り討ちにしたそうなんです。
源十郎も半蔵について考えてみて、記憶はなくても同じ時間・空間にいた家族だと思ったそう…。
ならば、半蔵がどう思っていても家族として何とかしたいと本心を聞かせれくれます。
もし、源十郎の封印された記憶に道具だった頃の事があったとしても、半蔵の思い出の中には脇差はあれど源十郎の存在はなく…。
それなのに向き合う源十郎が優しすぎて切なかったです。

しかし、半蔵にもはや殊勝な精神はなく、無慈悲にも源十郎が仇討ち相手でないと気がついていて途中から演技していました。
そしてただ源十郎を苦しめるために、感情を取り戻しつつあった彼に取り付いてしまいます。
そう、家族の話をした後、紗乃が半蔵の手下に襲われたのをきっかけに源十郎の封印が解けたんです。
感情を持つと宵禍に対抗できません。
源十郎はなんとか気力で半蔵を抑え、被害を出す前に「殺してくれ」と言い残し江戸を去りました。

その後は奇虚全員で半蔵を止めに行くのですが、行った先は紗乃の住んでいた山奥の社。
どうやら神とやらはこの土地に関係があるみたいですが、謎は持ち越しでした。

ラスボス戦だけあって、戦闘は激しかったです。
御庭番達がどんどんやられて戦闘不能になっていくのでハラハラしましたけど、全員が刀を持っている時点で戦闘は期待していたので個人的には盛り上がりました。

純愛EDは、最後は紗乃だけになるのですが、身体を乗っ取られてもずっと紗乃の声を聞いていた源十郎が自身の感情から得た力で半蔵を追い出します。
誰かのために頑張りたい・守りたいと思った時に発揮される感情から来る力です。
本当に奇虚らしくないですが、心があるからこその力…素敵でした。
最後は「家族」として半蔵に引導を渡しました。

その後、紗乃と源十郎はお互いに気持ちを確かめあって、夫婦になることを誓います。
ラスボス戦の最中にも好きと伝えあったのですが、源十郎の今後の生き方を決めてから、ふたりで新たなスタートを切ったのはED後でした。
感情に興味を持った御庭番仲間達が2人に教えを乞うべく、家を訪ねてきてわいわいしてるのがまた微笑ましかったです。
箱で推せるわ…と思いました。

悲哀EDはむごかったですね。
先に回収するのをおすすめします。
半蔵を討伐できずに奇虚は全滅、江戸の町も破壊され人間もだいぶ殺されたみたいです。
紗乃は最後まで源十郎を諦めてませんでしたが、虚しくも源十郎の姿の半蔵に殺されてしまいました。
最後に少しだけ本来の源十郎が出てきて、紗乃の死を痛みましたが、すぐに半蔵にかき消されて…。
この先は悲劇しか起こらないんだろうな、と思うような終わりでした。
悲哀どころか絶望EDですね。

あと、このEDでは半蔵に情報を与える協力者がいたと明かします。
「あいつ」と言っていたのですが、神以外に何かいるのでしょうか?

与市ルート感想

与市
Profile

-怠惰な正直もの-

名前:与市

年齢:21

役職:柳屋の番頭/御庭番

管轄:城下町

CV:山下 誠一郎

城下町にある柳屋という酒屋で番頭をしながら情報収集をしている奇虚です。
面倒くさがりで気分屋な性格なので、常にどう楽できるかを考えて行動しています。
言葉は飾らずまっすぐ本音を言う正直者。
食いしん坊で、同じく食いしん坊のこまめに好かれています。

柳屋という酒屋で与市と共に働くことになった紗乃。
素っ気ないけど女性に人気で告白されることが多い与市は、面倒を減らすため、紗乃と仮の恋人になります。
演技ですけど、初っ端から甘めのシチュや台詞が多くて楽しいです。
恋人らしいことをするために逢引き(道場で稽古)等もやりましたね。

でも、奉公人仲間の里という子だけは紗乃が与市を好きでないことを見破って別れるように忠告してきます。
この子は本気で与市のことが好きみたいで、好きでもないのに付き合っている紗乃が誠実ではないと思ったんでしょうね。
また、この件で紗乃は昔から糸が見える故に人のご機嫌を伺うことが習慣化しいて、気持ちをそのまま言えない自分を変えたい、と与市の関係に向き合うことを決めます。
与市の助言もあって、里とは和解して良い奉公人仲間になれました。
里もはっきりしてますし自分の非を認められる人なので、とても好感がもてました。

一方で、形人が宵禍化する案件が多発します。
その中で、同じ言葉を繰り返ししゃべり続ける変わった宵禍と対峙します。
なぜそんな宵禍がいるのか原因がわからない中、平岡和影という侍の妹、汐月が原因不明の病に罹っていると耳にします。
和影は巷で流行っている「泡沫の恋」という恋物語を副業で執筆している人です。
本当は汐月が書いているのですが…。

汐月の形人が宵禍化していて、残留思念の影響で体調を崩しているのではないかと睨んで、調査に入ります。
そうすると宵禍のしゃべる内容が「泡沫の恋」の一説で、大元がやはり汐月の形人であることがわかります。
また、汐月は与市の元になった櫛の持ち主でした。
許嫁の高本から送られた櫛でしたが、高本が遊女と駆け落ち。
高本の心は結局汐月にあったということですけど、裏切りには違いないので、この人に関わった遊女と汐月は可哀想でしたね。

汐月はそんなの知らないので、高本への恨みつらみと残留思念の影響を受けて、与市が形人になれるほど愛されていることをよく思いません。
対する与市も奇虚になる前の記憶を実は持っていて、人間に捨てられ、好き勝手されるのはたくさんだと考えています。
感情の糸はまだ見えませんが、心のようなものをすでに自覚しています。

しかし、紗乃は与市を心がまだ無い奇虚と見て発言してしまい、人間同士のギクシャクしたような関係になります。
でもさすがに与市が仕事の効率を後回しにしたときは奇虚の域は超えてるなと思いました。
ただこれは、紗乃の好意への応え方がわからなくて、与市が避けてるだけで(笑)
上司の宮地さんのアドバイスもあって、後に仲直りして、本当の恋人になるんですけど。
時々甘えを見せたので、早々と与市は紗乃のこと好きなんだろうな~とは思っていました。
照れたスチルも結構早めに拝みましたし。

しかし、微笑ましい場面も堪能させてくれず、しゃべる宵禍は待ったなしに江戸中に被害をもたらします。
そしてついに、本物の和影は亡くなっていて、今は形人で宵禍の根源であることがわかります。
しかも、比弥衛(ひびえ)という神が取り憑いて宵禍に力を与えて人間を滅ぼそうとしていました。
比弥衛は紗乃がいた山の社の神なんですけど、白皙の一族を滅ぼしたそうなんです。
穏やかな性格って公式サイトで見たのですが、与市ルートでは人間への憎悪に染っていて、神違いに思えるほどでした。
「憎い」の演出が恐怖を覚える程でした。

最後は無事に決着は着きましたし、汐月は高本の駆け落ちの真実知れましたし、何より自分が捨ててしまった櫛(与市)と本当の気持ちを分かち合えて良かったです。
すごく感動的でしたし、与市が知識としてでは無く、体験として理解して気持ちを伝えたり聞けたりしたのがジン…ときました。
高本のことは私は許せませんでしたけど、もう亡くなったのでしょうがないのかな。

純愛ED。
記憶や心がもどった奇虚は処分される決まりなのですが、宵禍の出現がめっきり減ったこともあり、与市は円満に御庭番の職を解かれるだけになります。
そして、旅をしたいと紗乃と共に江戸をたちます。
めっちゃラブラブで2人とも惚気全開だし、もう末永くお幸せにと言うしか…(笑)
与市には最後まで感情の糸は現れませんでしたが、確かに心があって紗乃を思っている事実はありました。
また、作中に出た「泡沫の恋」は実は未完成だったのですが、汐月がどうしても執筆したいと言い、あの里が独立して開業した貸本屋から最初の一冊が世に出ます。
里大好きです。
元許嫁への復讐に取りつかれていたけど、最後は思いとどまって新しい恋を始める主人公が描かれていて、与市ルートの汐月とリンクしていました。

悲哀EDは最後の戦いの時に、紗乃が汐月の思念に飲まれ、精神崩壊してしまいます。
それ以外はそこそこに解決したのですが、何にも反応できない紗乃を与市が甲斐甲斐しく面倒を見ていたのが痛々しかったです。
与市はこちらのEDでも感情の糸は見えない状態なので、中途半端に奇虚だなと言える部分を客観視したりしていて。
紗乃への好きな気持ちはあるのですが、紗乃の状態に対して感情を抱くことなく割り切っていたのが本当にやるせなかったです。

錦次ルート感想

錦次
Profile

-秀麗で気儘なるもの-

名前:錦次

年齢:29

役職:歌舞伎役者/御庭番

管轄:娯楽街

CV:浪川 大輔

娯楽街にある芝居小屋「菊里屋」で歌舞伎役者として情報収集をしている奇虚。
自尊心が高く我儘で、暇つぶしに相手をからかって遊ぶ節があります。
男女ともに見とれるような見目麗しさに反して力が強く、たまに制御できず破壊活動をしてしまうことも…。
御庭番に属する奇虚の中では一番の年長者です。

錦次は、紗乃を新しいおもちゃだと思ってよくからかってきます。
娯楽街ルートの時から、反応を見て楽しむために必要以上に近づいてきたり、目を見て話せと言い、顔を近づけて色っぽいことをしたり、意地悪が多いです。
でも、そのおかげで城下町ルートより乙女ゲー的な要素が多いですし、糖度も少し上かなと思います。

猫又小僧の騒ぎの後、江戸中で人間や形人の宵禍化が多発し始めます。
宵禍化したものはみんな、一本線が螺旋状に右腕から左に伸びる痣を持っており、その多くが瑠璃子のいた妓楼を出入りことがわかります。
紗乃は遊女の身の回りの世話をする禿(かむろ)として潜入捜査を請け負います。

本当は禿になるような歳では無いのですが、清彦が口利きしたそうです。
そして清彦は何をしても面白すぎますね。
常にキレてて文句ばかり。
なのに仕事はきっちりこなしているし、素直だし、部下にいじられるし…!
やることなすこと言うことにいちいちクスッときてしまいます(笑)

無事、紗乃は阿国というその妓楼随一の花魁の元で働きはじめます。
阿国は出雲阿国の形人で、100年は生きているらしいです。
錦次と因縁があるのですが、2人とも持ち主の意のままにしか行動できない形人と奇虚だそう。
錦次が女形を演じるのは持ち主の望みが強くて、それしかできないみたいです。
阿国は言わずもがなかぶき踊りです。

潜入の最中に、例の痣は「天女の羽衣」と呼ばれる原因不明の病だとわかります。
阿国の説明だと、男女共人間離れした美しさを手に入れる代わりに気が触れてしまうそうです。
今度は原因を詳しく調べるために紗乃の潜入は続きます。
人目をはばかって、錦次と何度か連絡を取る機会があるのですが、紗乃の成果に対して当然だという見解を示します。
妓楼への潜入も錦次が提案しましたが、それまでの仕事の出来―つまり実力を見て判断したそうで、信頼ではないと言い張ります。
紗乃の良い所は褒めますけど、自尊心が高い分、自分がそうしたのだから当たりまえというニュアンスなんでしょうね。

持ち主の件もあって「情」を寄せられるのが嫌だそうで、どこまでも合理的で奇虚らしいのが錦次みたいです。
戦い方も、自分の身犠牲にして宵禍をおびき寄せますし、錦次は唯一無二の存在と説明してもダメでしたね。
この時点では分かり合うのがなかなか難しいな~と思いました。

一方で、紗乃は初っ端から錦次を綺麗と感じたり、立ち居振る舞いに憧れて見たり真似したりしていました。
でも、遊郭に行ってからはたまに錦次に会えるのを嬉しそうにしたり、錦次と阿国の関係性を気にしたり。
無自覚で錦次のことを好きになっていきます。
膝枕などドキッとするスチルもちょいちょい会話の間に挟んできますけど、紗乃が気持ちがないのに恋人らしきことをしても虚しいな…みたいなことを言いますし、甘いシチュエーションでもそれに引っ張られて萌えきれなかったです。

ただ、戦い方を知ったあとは紗乃の何がなんでも錦次が大事だという喧嘩腰の必死のセリフを聞いて、錦次もバキュンと心を撃ち抜かれたみたいです。
なんにも変わっていない風でいて、時々胸押さえて…どんどん感情が蘇って紗乃を好きになっていました。
そこからは何がきてもきゅーん!
特に、紗乃を水揚げしようとする輩が出ると猪一に助けてくれたのと、その男が宵禍になって襲ってきた時は「汚い手で触るな」と守ってくれたのがポイント高かったです。

しかし、恋仲になってすぐ紗乃が天女の羽衣に感染していることが判明します。
(このゲーム絶対ゴールまでの一本道をくれない!)
しかも、雪儀で他人の感染を完治させると紗乃の天女の羽衣が進行してしまいます。
それでも元凶の処理と感染者の治療のために自分の身を犠牲にするのを厭わない紗乃。
錦次の戦い方と同じことをしていて、今度は錦次がその事に胸を痛めることになりました。
恋をすると錦次って結構心配性になるみたいです。
素っ気なかったのが嘘のよう…。
そして自覚と同時に持ち主の思念からも解放されて錦次個人として生きていくスタートにも立つことができます。

最終決戦で辰之助を追い詰めるとやっと天女の羽衣の全貌がわかります。
本命はまさかの阿国。
宵禍化した阿国が握手を介して広げていました。
辰之助も感染拡大に利用されていました…なんだか時事問題みたいですね。
さらに、霊体化した阿国の間夫も御庭番たちの前に立ちはだかります。
後からこの間夫は比弥衛(ひびえ)とわかるのですが、与市ルートを思い出すと人間への憎しみが深い神様でしたよね。
負の感情は宵禍を生み出してしまうので、彼の憎しみを受け止める間に阿国も宵禍化してしまったそうです。
ですが、比弥衛も憎しみに随分苦しめられていたようで、元の性格が優しいのはここでやっと判明しました。

純愛EDでは、死線をくぐり抜けた後、感情が戻った錦次は紗乃と共に御庭番を辞職します。
錦次は歌舞伎役者として舞台にたち続けるのですが、いつも阿国の元となった道具を身につけて演技します。
歌舞伎などの舞台は江戸時代では男しか立てないのですが、かつて出雲阿国(女性)が舞台にいた時のように、錦次を介して阿国を舞台に立たせていました。
伏線の回収がえぐくて純愛EDを読み切ったあとはしばらくぼーっとしちゃいましたね。

悲哀EDは紗乃が阿国のような宵禍になってしまいます。
しかし、決戦前夜にもし宵禍化したら錦次が殺すと約束していたので、愛する人との約束を守るためにトドメを刺しました。
が、紗乃を殺した負の感情から錦次も宵禍化が始まってしまいます。
「来世でも好きになる」と最後に約束して自害する、歌舞伎の演目にありそうな悲しい終わり方でした。
でも、錦次のキャラに合っているし結構いいEDじゃないかと思いました。
それからちょっと気になったのが、途中で武家町組と城下町組の表記が入れ替わっちゃってたのが…。
誤植でしょうけど、いやいやいやいやまさか。

國孝ルート感想

國孝
Profile

-温厚で男気あるもの-

名前:東条國孝

年齢:25

役職:書物奉行/御庭番

管轄:武家町

CV:前野 智昭

主人公を迎えに来た奇虚の一人。
気さくで面倒見が良く、主人公のことも新しい後輩として気遣ってくれます。
奇虚になって日の浅い智成を先輩として面倒見ていますが、構い過ぎるため邪見にされがちです。
さらに飼っている雀(こまめ)にも嫌われ、紗乃が飼うことに…。
不憫で苦労性です。

改行に勾玉を売った者を探し出す件の続きからスタートです。
城下町組も協力してくれます。
國孝は源十郎とほぼ同い年で、昔から周りに比べられることもあって個人的に意識しちゃうそうです。
兄弟みたいに信頼しつつ、劣等感も持っていて「敵わないな~」という感じです。

初っ端から國孝は人間に近かったですね。
恋愛方面は超王道な展開で、古き良き乙女ゲームです。
こまめとのふれあい中に事故で紗乃とキスしてしまい、紗乃は國孝を意識し始めます。
忘れろと言われるとさらに気になって、もしかして國孝を好きなの?と思っちゃいます。
悶々と考えて知恵熱出し、お見舞いに来てくれた彼の前で身だしなみを気にしたりとか優しくしてもらって幸せ気分とか…でも國孝は分け隔てなくみんなにこうだろうと落ち込む所までセットです。
色々予想ができてもニヤニヤが抑えられなかったです(笑)

紗乃がつまづく場面が3回あって、そのうち2回スチルが出たのはライターさんの趣味なのかな…?
國孝もちょっとは意識してたし、忘れろの時点で紗乃の気持ちには気がついていますし。
奇虚だから恋仲はありえないと突き放すのも乙女ゲームあるあるでした!

紗乃は1回失恋しちゃいますけど、気持ちを今まで以上に仕事に専念させます。
難航する宵禍と召喚者探しですが、國孝の寺子屋の生徒が犯人だとわかります。
しかも使役の道具は寺子屋で作ったおもちゃ。
子ども達は下手人に操られて宵禍を使役したそうですが國孝の寺子屋に通っていた全員が宵禍の召喚者でしかも行方不明になっいました。

また、最初の子を見つけた時に火事があったのですが、國孝はそれをきっかけに道具だった頃の記憶を取り戻しました。
道具の持ち主の時も火事で寺子屋の子ども達が亡くなる不幸があったのですが…持ち主は高本家の次男だったそう。
与市ルートのあの遊女と駆け落ちした高本の弟でした。
兄が駆け落ちしたから家督を継ぐことになりましたが、武士としての手腕はなくて、最後はお家取り潰しになったそう。

高本家がもう無いという真相は國孝の記憶に隠れていました。
國孝は記憶を取り戻したことが判明して御庭番全員から下手人扱いされていまいますが、四面楚歌でも紗乃だけは國孝を味方します
私もです。

正直、このあたりの展開はよくわかりませんでした。
将軍のお膝元で事件が起きて幕府が狙われているかもと言う推測はわかりますし、疑わしきでも罰する精神はわからないでもないです。
国のトップは替えがききませんからね。
でも、色々早合点だと思いましたし、何より負の感情から宵禍が生まれるのに、たった今記憶を取り戻したばかりの國孝(奇虚)がすでに宵禍化している、なんてぶっ飛んだ意見が出てきて謎でした。

記憶が戻る以前に作ったおもちゃが残留思念まみれで召喚に使われたら擁護できないとかなんとか…。
その時に宵禍化するはずないので擁護も何も、遡及する意味がわかりません。
源十郎ルートで、源十郎が宵禍の半蔵に取り憑かれて操られたのも記憶と感情まで蘇ってからでしたし。
疑われる理由と辻褄がなんでそうなるのかよくわからなくてモヤモヤしました。

ちなみに國孝の感情の封印がはっきりと解けたのも査問会みたいな会話の後からでしたし…酷い冤罪だな~と。
さらに紗乃の能力も御庭番に不可欠とか言いつつ、宵禍絡みの件なのにあんまり参考にしてなくて「???」でした。
上役達は何を考えていたんでしょう。
1周目だから私の読み込みが足りてないのかな…。

あと、源十郎ルートで奇虚達が仲間同士でわちゃわちゃしていたのが好きだったので、みんなに疑われる描写が私はやたらときつかったです。
上役命令とはいえ突然の四面楚歌。
でも紗乃が味方してくれたおかげで処分まで1ヶ月の猶予をもらい、2人で真犯人を探します。
しかしもっと悲劇が…。

捜査中に吉宗に謁見する機会があったのですが、タイミングよく宵禍が出てきて吉宗が負傷。
(仲間からの)國孝への嫌疑がもはや確信になってしまいます。
牢屋敷に入れられて、もう何もかも諦めかけていた國孝を鼓舞する紗乃はかっこよかったです。
諦めが悪いのは他のルートでわかっていましたけど、逆境でも揺るがない強さは凄いなと思いました。
仕返しとばかりに國孝の気持ちを聞いて振っちゃったのもメンタル強かった…です。
このルート終わったら御庭番は反省会じゃ全く…!

まぁそれでも途中で智成は協力してくれますけど、早々に京士郎にバレて追われることになります。
でも智成の協力のおかげで、宵禍召喚は遠隔で行われており、藁人形を介して町に出現していたとわかります。
丑の刻参りのあれです、召喚の「手」の代わりに子どもたちの爪を藁人形に組み込んでいるというね…グロい。
ラスボスの宵禍は隠し神と呼称するのですが、操っている大元もこの個体でよかったのかな?
(ちょっと曖昧です)

なんにせよ、悪事を許すわけにはいかないので拠点を探り当て、御庭番にも直前で知らせて追っ手より現場優先になるような状況を作り、戦います。

純愛EDでは、結果として元凶の隠し神は討伐できます。
でも嫌疑の晴れ方はなんだかちょっと雑で気になっちゃいましたね。
同僚達は仲直りの描写があったんですけど、上役達は査問会以来音沙汰無しでした。
それから改行に勾玉を売った者は放置されて終わったのですが、良かったのでしょうか。
隠し神は知能がなかったので、商売となると知能のある別の存在が裏で糸を引いていると思うのですが…謎は持ち越しです。

そして戦いの後、今度こそ思いが通じあった國孝と紗乃は寺子屋を再開して幸せそうに過ごしています。
吉宗曰く、白皙の結儀(むすぎ)という力で國孝は人間になれたのだとか。
吉宗も「あの人」からの又聞きなんですけど、誰なんでしょうね。
元になった道具を壊すと奇虚は消えてしまいますが、もうその心配もなくなってめでたしめでたしでした!

悲哀EDは、隠し神との戦いに敗れ、闇に飲まれてしまいます。
みんなが惨たらしく殺されてしまった中、國孝だけは真っ白な空間の中に紗乃との幸せを見ていて…気が触れていたのかな?
でも紗乃には現実の光景が見えていて、恐怖しているのに國孝は告白とか始めちゃって、なんかもう色々怖かったです。
その直後、隠し神が紗乃を殺したところで突然現実に引き戻され、結局國孝も地獄を見ちゃうんですけどね。
…という解釈なのですが、合っているのかわかりません。
何が起こったのかちょっとわかりにくいなと思いました。

他に、特に伏線とかはなかったと思いますけど、次に錦次をプレイしてみようかと思うシーンはありました。
あと、こまめがとても出突っ張りなルートでした。
会話にもよく出てきますし、重要な分岐の選択肢が全部こまめ関連でした。

智成ルート感想

智成
Profile

-寡黙で誠実なるもの-

名前:篁(たかむら)智成

年齢:20

役職:目付役/御庭番

管轄:武家町

CV:小林 裕介

主人公を迎えにきた人物の一人で、御庭番には一年程前に入隊したばかりの新米奇虚。
穏やかな性格だが、基本的に他人とは距離を置きがちで素っ気ない態度を見せます。
しかし、主人公に対してだけは「特別」という情報が備わっていて、優しい態度で接します。
道具だった頃だけでなく、入隊以前の記憶も失っています。

長年乙女ゲーをやっていると、メインヒーローポジションはまぁ攻略制限が定石だと確信していました。
先見の明どおり、攻略制限キャラ1人目は智成です。
多分ですが、管轄組割りルート毎に1人ずつ純愛EDをクリアしたら解放されます。
制限がかかるだけあって、このルートは白皙の一族の謎まであと一歩に迫るルートでした。

当の智成は何がどうしても紗乃至上主義。
紗乃にだけ優しく微笑んで、守ろうとします。
潜在的に「特別」に思っているところからの行動なんですけど、好きになる前から色々与えまくってくれるすごい人だなと思いました。
天然でぼーっとしてるイメージでしたけど、記憶が戻ってからまごころ(誠実さ)を実感しました。

それから、京士郎と三春のターンが入ってて嬉しかったです。
お互いに噛み合わなくて言い合いになったりするのですが、どう見てもお似合いにしか見えなくて…すごく推せます。
このルートで何度かこの組み合わせが出てくるのですが、だんだん意思疎通ができるようになって本当に仲良くなる過程が良かったです。
非番に紗乃、智成、京士郎、三春とピクニックに行った時は男性陣がずっと沈黙してて、合コンだったらさっさと終わって欲しいやつでしたけど(笑)

そのまま上手くいって欲しかったのですが、試練はつきものでしたね。
事件パートでは、天一坊に勾玉を売った商人探しをしますが、残忍な殺人事件が続々と続きます。

老中の木島氏、初めの茶会で仲良くなった千江さんの夫・丹波氏と明らかに幕府を狙ってきます。
…今までのように宵禍をバンバン倒すのとは違ってしんどいです。
死人が出る度に紗乃は白皙の一族として自分にしかできないことがあるのにできてないと自分を責め続けてしまいます。
責任感から早く下手人を見つけなければ、と事件に取り憑かれのめり込んでしまいます。
現場の光景のフラッシュバックも何回も起きてるし、精神的にどんどんおかしくなっていきましたね…。
情報を得るために脅し的なことまでやりましたし、前のめりに上司の京士郎に意見とかも言っていました。

一方智成は、強い言葉を使ってでも紗乃を事件から引き剥がそうとしますけど、結局紗乃が頑張るという形になります。
何回も悲しそうな表情のシーンがあって、堪えていたんだろうなと思います。
しかし、下手人は宵禍の遠隔操作と召喚もできるし、結界を張っているという懐まで潜り込んできて吉宗を狙います。
そして吉宗を庇った京士郎が死んでしまい、一気に事が動きました。

紗乃はさらに自責の念に苛まれるのですが、御庭番は奇虚であるため、誰も感情的な責め苦を言わず…。
二重に苦しくなっていよいよ限界になったところで智成が紗乃を連れ出して何もかもから逃亡しました。
紗乃には幸せでいてほしいし、このままだと壊れちゃうから、と。

これ、選択肢を間違っていると途中BADにも行くんですけど。
BADはBADで全てを犠牲にしたメリバでしたけど、純愛EDがなかったらこれでもいいかなって思っちゃいました。
なんだか壊れかけの紗乃を見ているのがしんどくてしんどくて。
逃亡後は智成が聞きつけた村で2人で静かに暮らします。
一緒に暮らしているうちにお互いに少しずつ変化があって良かったと思います。
智成は紗乃への好きな気持ち(感情)の自覚と好意の押しつけは良くないということ。
紗乃が逃げてきたことをずっと気にしていたので、色々話してみて気がついたみたいでした。
どんどん智成が成長していく…。
でも、与えられるがままになっているとBADに向かうっていうギリギリの綱渡りみたいなところもあって、流されてはいけない恋愛でしたね。

それから村で過ごすうちに白皙の一族の真実も少し見えてきました。
実は昔、紗乃一家が住んでいた村だったそうで、母の痕跡を追うと、智成が母の印籠から生まれた形人(家族)だったとわかりました。
(智成の記憶が戻りました)

その当時、紗乃の両親は駆け落ちしていたのですが、白皙の一族に見つかって紗乃が攫われ、智成は助けに行った時に白皙の一族に殺されてしまい、後に奇虚として蘇ったみたいです。
智成の「特別」は家族だった比護欲として根付いていたものでした。
ちなみに奇虚化してから芽生えた感情は恋愛の好きです。

もっと詳細を知るために、江戸に戻って吉宗に事情を聞くと、奇虚の起原が伝えられます。
紗乃の父・宗乃の存命中に、吉宗直々に紗乃が物語冒頭で住んでいた山奥の社に行き、比弥那(ひびな)という神に奇虚を作る知恵を授かりました。
智成もその時に復活させたそうです。

また、奇虚自体が白皙の一族の紡いだ糸によって存在できています。
体と魂が噛み合わないように、心と記憶が結びつかないように繋げているのだとか。
雪儀の力もその糸が源になっているそうです。

そして、比弥那は縁結びの神ですが、白皙の一族の滅亡によって力が衰えてしまったため、対になる縁切りの神・比弥衛が宵禍を使って国を滅ぼそうとしているのを止めて欲しいと吉宗に頼みました。
実は、紗乃達が江戸を離れている間に比弥衛の本体である神なる宵禍が江戸を滅亡寸前にまで追い込んでいましたが、そちらは御庭番の総力をあげて討伐しました。
死してなお、京士郎が道具を通して力を貸してくれているような描写が胸アツでした。
元々は仲間思いの温かい人物なんでしょうね。
それから、下手人(商人)と白皙の一族が滅んだ原因はまだわかりませんでしたね。
ただ、下手人の方はもう謎のある人物が桜太郎しか残ってないので桜太郎だなと思っています。
記憶を消す能力は持ってるのかわかりませんが。
白皙の一族の方は、智成の記憶が戻った時に紗乃に幼い頃の記憶がないと判明し、その落ちた記憶の中に真相がありそうな感じてした。
いずれにしても最後まで持ち越しになりました。

純愛EDでは神なる宵禍に破壊された江戸を再建します。
比弥那との約束を果たした社への報告を智成と紗乃が託されました。
信頼回復したということで良いのかな。
それから京士郎が形人として復活します。
奇虚の時の記憶はないけれど、また三春と仲良くやっていけそうで本当に良かったです。

悲哀EDも江戸再建に取り組むのですが。
京士郎は戻ってきませんし、智成も原因不明で存在が消えかけた状態になってしまいます。
しかも、紗乃への気持ちは執着だったと結論づけてしまい、紗乃に幸せでいてほしい、笑っていて欲しいでは無く自分の欲望から手を出してしまうEDでした。
誠実さを失くしたという意味ではキャラ崩壊ですえね。
智成さん、BADにいくと気持ちが通じてない上でエロを連想させることをよくやるんです…。
他には、紗乃達が江戸に戻った時に、逃亡を罰する場面があったんですけど、その辺はご都合主義でした。
まぁ乙女ゲームあるあるです!
…國孝ルートの時の濡れ衣への方が対応が厳しかった点はやっぱり納得できませんけどね。

桜太郎ルート感想

桜太郎
Profile

-活発なお調子もの-

名前:桜太郎

年齢:19

役職:店頭の呼び込み/御庭番

管轄:娯楽街

CV:斉藤 壮馬

表向きは娯楽街で呼び込み等の仕事をしつつ、情報取集をしている奇虚。
明るく社交的な性格で人懐っこいため誰とでも仲良くなれます。
主人公に対しても好意的です。
また、器用で身のこなしがとても軽いです。
面白いこと好きで、少しお調子者な面もあるが、持前の器用さでうまく世渡りしています。

攻略制限のもうひとりは桜太郎でした。
実は娯楽街ルートを通った時、「あれ?桜太郎ルート入ったけどクリアできない」ってなったので察しました。
でも、まさか智成までクリアしないといけないのは予想外でした(笑)
最後に相応しく、伏線回収のルートでした。

事件パートは猫又小僧の件で捕まっていた瑠璃子が行方不明になったのを探すのですが。
宵禍が関わっているとして御庭番全員で宵禍を誘き寄せることになります。
そのために百物語+妙な儀式をするんですけど、みんな少し怪談話の解釈が違っていて、面白話になっちゃったのが可愛かったです。

比弥衛を誘き寄せ、芋ずる式に天一坊も洗い出し、敵にどんどん近づいていく謎解きは面白かったです。
総集編のように、今までに出てきたサブキャラ達もほぼみんな見かけました。
その分少し振り返り要素が多くなりましたけど、私は悲哀EDの時にみんなの顔を拝んだのが効きましたね。
桜太郎ですが、奇虚なのに感情表現豊かで、初っ端から紗乃への好意を表してきて、紗乃も同じような気持ちに早々となっていきました。
ですけど、比弥衛と顔見知りだったり、残留思念が見える発言をしたり。
おかしな点を見せてきて、遂に奇虚の元となる道具が壊れても本人が平気なことから正体がバレます。

…宵禍でした。

白皙の一族だと思い込んじゃうようなフェイントも入っていたので、正体には驚きました。
数々の宵禍事件に裏で糸を引いていたのはまぁそうだろうな~という感じです。
半蔵の協力者とか、勾玉の商人とか色々…。

それから、白皙の一族の滅亡と紗乃の途切れた記憶も事件の合間に少しずつ蘇りました。
昔、比弥衛は紗乃の母・緤のことを思っていました。
なので、結ばれなくてもいいから、いつも社にお参りしてくれる緤に肩入れしてしまいます。
月日が流れ、緤達は麓の村で、智成も入れた家族4人で暮らしていましたが、比弥那が緤や白皙の一族を平等に扱ったことをきっかけに紗乃の誘拐事件が起きます。

そして白皙の集落に緤が戻ってきた時に、誤って緤が殺されてしまい、比弥衛が暴走。
白皙の一族を皆殺しにし、殺意から神なる宵禍になりました。
桜太郎は緤が大事にしていた犬型の根付でした。
思い入れのある道具でしたが、緤が白皙の一族から駆け落ちしたことをどこか申し訳なく思っていたためか、形人にはなりませんでした。

事件の日も緤が所持していたのですが、比弥衛の殺意を目の当たりにして宵禍化。
比弥衛と同じように緤を殺した白皙の一族を憎み、さらに白皙の一族を迫害して追い込んだ人間に復讐することを誓って十数年間、江戸で好き放題していたそうです。
ちなみに、宵禍化した時に智成が羨ましくてカッとなって殺してしまったらしいです。
智成死に損…。

そしてその宵禍は、5年前に本物の奇虚の桜太郎が生成される時に成り代わったそうです。
最終的には神なる宵禍の比弥衛を強化して乗っ取り、日本を滅亡させていと思っていました。
紗乃には、白皙の一族が滅亡した現場に居合わせた仲間として、同じ感情を持っているだろうと思って仲間に引き込もうとします。
でも紗乃は全然純粋なままだったから、桜太郎が気持ちを踏みにじっても酷くしても、優しくされるばかりで、かなり戸惑っていましたね。

一方で紗乃は、桜太郎を好きになっていましたけど、だんだん本当かどうかわからなくなって…。
曖昧なまま桜太郎の正体を仲間に報告せずに、どっちつかずな状態が長く続きましたね。
自分の感情を優先させて、みんなを裏切って危険に晒しているのが子の物語ではなんとも人間らしいと思いつつ、個人的には「何やってんだよ?智成ルートの二の舞踏んで壊れたいんか」と思いました。
悪であろうと切り捨てられないのは乙女ゲームヒロインのいい所でありリスクですよね。
でも、酷いことばかりしていた桜太郎が、紗乃の優しさに触れ続けてはじめて泣きました。

それを見て、どうしても桜太郎の事情を知って理解し合いたくて御庭番を説得して一度だけ話し合いをします。
先程書いた事実の全てを知った上で、紗乃が桜太郎の手を取るか取らないかで最後の分岐が決まりました。

手を取れば悲哀ED。
桜太郎と共に生きていく予定でしたけど、詰めが甘くて、御庭番の仲間を殺すことも江戸が滅びることも目の当たりしてから後悔先に立たずになってました。
知り合いはみんな死んでしまったでしょうし、怨念みたいなのが聞こえた時はさっき見かけた顔が浮かんでしまって本当にしんどかったです。
復讐を見ていられなくて、結局途中で本人にも置いていかれてしまいましたし…。
桜太郎は紗乃の気持ちを執着って言ってましたし、本当の好きではなかったのかなと悲哀全開でした。

ですが、桜太郎はそれを言えるくらい愛について最後の最後に理解しちゃっていて、皮肉だし、気がつくのが遅すぎたなという感じでした。
智成の言った「相手の全てを受け入れるだけが愛じゃない。間違ったら正しい道に導くことが愛じゃないの?」って言葉がめちゃくちゃ刺さりました。
それをしなかった紗乃はひとり残されて宵禍化してしまい、それでも行方不明の桜太郎を探し続ける救えないEDでした。

でも、私の好き嫌いはともかくとして純愛EDよりこちらの方がしっくりくると思いました。
桜太郎が十数年間やってきた悪事を思うと、末路としては妥当かと。

手を取らなければ純愛ED。
桜太郎と共に生きていきたいのは同じですが、こちらではちゃんと過ちを正し、桜太郎に罪を償うべきことを指摘します。
不運にも人間への殺意から生まれてしまったけど、桜太郎もただそれだけではなかったことに気がつけたのが大きかったです。
智成を羨んだように、全うに生きたかったという気持ちの欠片が改心に向かわせ、紗乃も桜太郎の本音を見て彼を好きと言えたので、誤魔化しもなく円満に両思いになりました。

比弥衛を止める戦いでは、超常現象が起きたり神のような力が使えたり、色々ぶっ飛んでてファンタジー色強かったなと思います。
多分、アニメーションにしたらもっと盛り上がる戦闘だったのではないかな。
また、白皙の一族の力の源は宵禍を倒した時の力を使っていて、実は対になる同じ存在なんです~ってここにきて情報が追加されてびっくりでした。

最後には比弥衛はきっちり浄化できましたし、本来の穏やかなところも少しだけ見られたので、やっと負の連鎖も断ち切れました。
御庭番と幕府が桜太郎に帰ってきてもいいって言ったのは、さすがに死んだ人が報われないな?と思いましたけど、奇虚の処分や記憶の問題もお咎め無しでしたし大団円ぽかったので水はさせなかったです…。

あとがき

君雪の個別ルート感想はこれで終了です。

なんだかんだ言って概ね楽しめたと思います。
個人的には城下町組が好きでした。
御庭番として鍛えられて成長できるいいルートじゃないかと思います。
もし入れるならここだな~。

ということで、次回は評価記事です。
評価くらいはなんとか空中分解しないようにしたいです(笑)

では👋

いつもありがとうございます。
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