even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女|ネタバレ感想

この記事は、テン魔女こと「even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女」の感想を書いています。

こんばんは。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
また、やる気ボタンを押していただき感謝致します。

しんどいゲーと聞くテン魔女をプレイしてきました。
FDも発売されるのでやらなきゃな~と思いまして!

プレイ前からツイッターのフォロワー様に「ゆりちゃんはティレル様!(推しになる)」と言われまくっていて。
何も考えず始めてまんまとそうなってしまいました(チョロ)

それでは感想をどうぞ。

プラットフォームNintendo Switch各種(DL版のみ)
メーカーボルテージ
発売日2022年6月9日
IARC12+(12才以上対象)
シナリオ潮文音
イラストのりた
キャスト石川界人/古川慎/杉山紀彰/武内駿輔/他
公式サイトhttps://products.voltage.co.jp/tempest/
敬称略
プロモーションムービー
オープニングムービー

あらすじ

生きたまま、業火に焼かれ。
鉛のように重く鋭い嘲笑に心を潰され。
愛することを忘れ、愛されることを諦め、希望を見いだせず、絶望以外の色を知らないまま。
――彼女は死んだ。

無念の死を遂げた彼女に、魔女が囁く。
「もう一度やり直したくないか?」と――。
彼女は魔女より『死に戻り』という力を与えられ、黒く塗りつぶされて終わった人生を、白紙に戻す。

「次こそは必ず己が望む『己』となる」そう心に誓い、彼女は再び蘇る。
――しかしこの決意こそが、新たなる絶望の呼び水だった。
終末を謳う『魔女裁判―カーニバル―』が今幕を開ける。

公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(√又は章毎の途中プレイ機能)
フロートチャート×
選択肢又は未読箇所までのジャンプ×
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示×
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)×
ステータス(パラメータ)画面×
アイキャッチ
フォント変更×

ゲームを進めるうえでの基本機能はついています。
ちょっとテキストが小さめなのと、選択肢までのジャンプが無いのが気になる点です。

選択肢にアイキャッチは出ますが、ステータスはわからない仕様です。
時限式の選択肢も出てきます。

また、読み進める以外に操作パートと裁判パートというシステムがあります。
捜査パートは事件についての情報を収集して回ります。
それから、スキルと呼ばれる能力も身につきます。

裁判での選択肢にもなります。
裁判パートは、人狼ゲームみたいな感じです。
5人の被告人(サクリファイス)の中から魔女の道化(メンブルム)を探し出します。
しかし、犯人当てが目的ではなく、民衆の投票制なので、300人の陪審員から票を得られるかが裁判の鍵となります。
このために操作パートの情報やスキルが重要になってきます。

世界観とヒロイン

舞台は中世ヨーロッパのような感じの架空世界です。
貴族がいたり、騎士がいたり、魔女狩りが習慣であったり…現実味のある要素をそろえつつのファンタジーです。

アナスタシア
ヒロインは、侯爵家の長女アナスタシア・リンゼル。
継母に疎まれ、屋根裏に軟禁されて育ちます。
実父も継母も義妹も最悪で、家庭環境は劣悪です。
ある日、第一王子のコンラッドに婚約者として見初められて城に上がりますが、社会性がなかったアナスタシアはそのままコンラッドの野望に飲み込まれて最終的に魔女として火刑に処されます。
悲惨な死を遂げたアナスタシアですが、魔女・ルーンによって「死に戻り」という力を得て、人生をやり直します。
2度目の人生からは出家して翼騎士団の女騎士になってゆきます。

冒頭からずっとしんどい展開が続くので、元気な時にプレイするべきゲームかなと思います。
アナスタシアは、1度死ぬまでは、真っすぐだけど弱弱しいイメージで、誰かに与えてもらったり助けてもらったりを待っている少女って感じでした。
でも「死に戻り」が可能になってからはめちゃくちゃたくましい。
ファンがついたり、格上の王宮騎士たちのハートを「きゅん」と言わせたり、とにかくイケメンです。
「きゅん」のシーンは大爆笑でした。
ですが、原動力はコンラッドへの強い復讐心からくるもので、すごくもの悲しいヒロインだなとも思います。

そんな中、何があってもマヤというメイドだけはずっと味方をしてくれるので心強いです。
でも、マヤもかなり救いが無くて可哀想です…。

攻略キャラは全部で4人。
制限があるので、クライオス→ティレル→ゼン→ルーシェンの順番で進めました。

キャラクタールート別ネタバレ感想

Attention

以降はネタバレ回避のため【▽ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

クライオスルート感想

クライオス
Profile

Name:クライオス・キャソロック

Age:26

Status:翼騎士団の副騎士団長

CV:古川慎

女神の愛鳥ガルダを擁する翼騎士団の若き副団長。
整った顔立ちと紳士的な振る舞い、爽やかな笑みが、多くの女性を魅了する。
女性人気の高さと飄々としたつかみ所のない性格のせいで、男性陣を敵に回しやすいが、部下たちからの信頼は厚い。

おおよそ欠点の見当たらない人物だが、その内面には底知れぬ虚無を抱えている。

クライオスは上司として信頼に足るけれど、相手を誘導するような交渉術に長けていて最初は侮れないなって印象でした。
というのも身近な人が敵かも…みたいな固定観念が共通章でついちゃったからなんですよね。
アナスタシアの家庭環境がアレですし、コンラッドにハメられましたし、死に戻りで以前のことを安易に口にしたら魔女だと疑われるし、疑心暗鬼にならない方が無理でした。
クライオスも、笑顔が胡散臭いし、アナスタシアの継母と繋がりがあったりしたので疑念を持ちやすい人ではありましたし仕方ないのかな…?
前向きに考えて、クライオスは相手を誘導するのが上手いし、アナスタシアが真っすぐだから変化球を投げておちょくったりして「団長ずるい!」って萌えられる展開とかも期待しましたが、残念ながら…でした。

でも、アナスタシアには優しいな~と思える部分もたくさんあったし、アナスタシアが鈍感だからあえて好意があることを口にしなかったりするシーンとかもあったので、それを見た後は結構大事に思っていて味方してくれるんだなって思えました。
明確にここで落ちたみたいなのは無かった気がします…(読み逃してたらすみません)
クライオスが8年間、騎士団でアナスタシアを見てきたうちに惚れて、完全に自覚したのが最近になって、というのが妥当かな。
突然好き好きモードに入った感はちょっとありますけど(笑)
でも、途中で照れてるクライオスとかも見られるので、それは可愛くて良かったです。
実際、最初のエンドでは味方って言ってくれましたし、疑ってごめんなさいって感じでした。

クライオスは武芸大会にアナスタシアを推薦して、優勝したら正騎士に取り立てたり、一番お世話が大変なガルダを預けたり、ナチュラルに厳しくしてくることもあるんですけど、その辺は団長だから…で通じるかな?
副団長から団長に昇格したのは前団長を失脚させたから~って感じでしたけど、前団長も裏で悪事をやってたみたいですし、クライオスのやり方には人によっては賛否があると思います。

さすがにガルダ(騎士団の象徴の動物)が好きと言う理由までが利己的だったのは意外だったし、うーんって思いましたね…。
持病を治す薬を作るために、赤いガルダの羽か必要だったという理由でしたけど、結局薬が完成しても使わなかったし、何だったんだよ…。
真相を知ったら使っても無駄だし、生きながらえたとして愛するアナスタシアを傷つけたくはないのかなとは思いましたけど、簡単に諦めないでくれ!アナスタシアは死んで死んでも頑張ってるんだよ!って思っちゃいました。

そんな中、マヤが魔女のターゲットになって死んでしまうのですが、ここのくだりにクライオスはあまり関係なくてルートの主役大丈夫かって思いました。
(クライオスが魔女の道化になってない状態の魔女裁判)
捜査は一緒にしましたけど、裁判には全く出てこない…(笑)

それよりもマヤがとにかく可哀想で辛かったです。
アナスタシアが助けようと何度も何度も死に戻るのですが、マヤの死は確定していて…。
アナスタシアも精神が疲弊するし、マヤ死亡のままシナリオを続けなければならないし、しんどすぎました。
裁判でオーラが犯人だと特定しますが、民衆を味方につけなければならないし、立場が不利なアナスタシアを守ってルーシェンが冤罪で死んでしまうし、こんなめちゃくちゃな裁判あるのかって感じでした。
人狼ゲームみたいな雰囲気は面白かったですけど、結末が納得できなかったです。

裁判後に過去視の力を手に入れたアナスタシアがクライオスの過去を見たところからやっとクライオスルートの本番になります。
進めると姉・イザベラの死が見えてくるのですが、騎士団の仲間ヒューゴも関係していて。
アナスタシアがちょっと話をしてしまうとヒューゴは過去を思い出して闇落ちするし、もう一人のランドンって言う仲間は愛しのマヤが死んだのをアナスタシアのせいにして殺そうとしてくるし、本当にこの世界で身近な人って信用できないなって確信しましたね。
というか騎士団の仲間の扱いもなかなかに酷くて可哀想でした。

クライオスはクライオスで聖職者であるモナハン枢機卿を殺害した被告人にされるのですが…。
実は魔女の道化で、操られていた事実も最後にカミングアウトされました。
普通すぎて常に倫理感も何も無く狂ってる様子もカミングアウト直前までほぼなかったので、びっくりしました。
アナスタシアを好きだからというのを認めたから、好きになるほど、破壊衝動に支配されてしまって苦しんでいたみたいです。
そして、魔女の道化としての役割は放棄していたそう…メンタルが強靭すぎる。
結構クライオスのことは疑ったりして、そこまで入れ込んで無かったのですが、さすがに最後は救ってあげたくなりました。
でも、せっかく愛を伝えても魔女の呪いでクライオスは消えてしまいますし、アナスタシアも精神が限界を迎えて終わりました。

「え、これで終わり?」ってしばらくポカーンとしちゃいましたね。
気が付いたら強制的に記憶を消されてティレルルートに行くようにプレイ画面に選択肢がでてるし…!
流れるように自動で死に戻りしてくれてたすかりますね(やけくそ)
しんどいとか悲しいとかすべて吹っ飛んで、この時点ではただただ「どうやって収集付けるの?」て思いました。

悲恋EDの方が個人的には好きかもしれません。
闇堕ち気味のクライオスに押し倒されてリップ音付きのキッスをされて、眠らされてしまいました。

ティレルルート感想

ティレル様
Profile

Name:ティレル・I・リスター

Age:26

Status:異端審問官

CV:杉山紀彰

魔女を断罪する異端審問会のトップ。
磨き上げられた刃のような鋭い美と、類いまれな頭脳を持ち合わせているが、全ての長所の覆してしまうほどの毒舌家。
彼の振るう鞭は苛烈を極め、人々を遠ざける。
クライオスとゼンが唯一の友人。

揺るがぬ意思と何者にも染まらぬ正義。
しかしその首には、見えない首輪がかけられている。

2人目の攻略は有能な異端審問官ティレル様です。
共通章では、アナスタシアを魔女だと見抜いてきたりして敵には回したくないな~なんて思ってたんですけど。
おだてに弱くて意外とチョロいところなんかもあって、沼が深くなるタイプのやばい人でした。

クライオス‪ルートを1番目にクリアしたので、ルーンに記憶を消されてそのままティレルルートに突入しました。
えっと、クライオスに「愛している」とまで言いわれた仲の記憶を封じての死に戻りですか…。
個別ルートと言えば個別ルートですけど、EDを迎えて次へでは無いので、ずっと続けてプレイしていると1本の物語として繋がっている感覚になるので、クライオスが最初の男ってイメージがついちゃってるんですよね。
実際、ティレルルート中にクライオスルートの思い出を断片的に見てしまうし、集中力はだいぶ持っていかれました(笑)

魔女裁判では、ルーシェンを殺した魔女の道化を炙り出すのですが。
アナスタシアはティレルの部下という立ち位置で参加するのですが、破滅の魔女に交渉したり、魔女の道化を炙り出すための会話の意図に気がついたり、切れ者上司に似ていく様が凄まじかったです。
ティレルもティレルで破滅の魔女との交渉で、命を張ってアナスタシアを守るムーブをみせてくれるし、これは落ちないのは無理だなって思いました!
この時に出てくるキススチルが「医療行為」なのは意外でしたけど、おいしかったのでハッピー。

そして、捜査中からやたらと心に残るセリフを言って乙女ゲーマーにキズアトを残しまくるのずるすぎました。
例えば、このままではまた誰かが魔女の道化の犠牲にって時に「どんな状況でも気丈に、胸を張れるヤツが生き残る。負け顔した時点で負け確定だ」とか。
裁判直前に「自己犠牲は策を講じることが出来ない無能や弱者が、自分に酔うための手段でしかない」とか。
上から目線に聞こえますけど、ティレル様なりの激励だとわかったらもうイチコロでした(SUKI)
ティレル様のためになる教え3つも大好き。
ティレル語録を作りたくなりました。

魔女裁判を終え、未来視の能力を得てからはティレル様個人にも踏み込んでいきます。
ティレルがイシク族という王家に仕える一族の生き残りであることと、今の王族が女神クロムの末裔では無い=偽物であるという真実が明らかになります。
ルーシェンの残した手紙から芋づる式に真実が暴かれる展開がめちゃくちゃ熱かったです。

ティレル様もね、直接アナスタシアに愛を囁いたりは無いんですけど、手を見て白く柔らかなものより努力してきた手が好みだとか言ってくるんですよ!
この時代に騎士をめざしてそんな手になるほど努力する女が何人いると?(まずいない)
実質告白じゃん!と思いました。
何度も言うけど本当にずるいです。

それから、ニンジャという義賊的な存在とコンラッドの忠実な猟犬という暗躍する何者かが度々話題になっていたのですが、後者が真実で、ティレルが本人でした。
一族の使命としてそうしていたのですけど、アナスタシアがあまりに自分を卑下して他人を信用するもんだからティレル様も内心は複雑だったのかな…。
偽の主であるコンラッドに命じられるがまま暗躍していた自分を、ずっと賞賛して尊敬してくれるんですもんね。
アナスタシアの褒め言葉を素直に受け取れないのは照れもあったでしょうけど、こういう理由もあったのかなと思いました。

後半は、コンラッドが偽王族の事情を隠すために神器「時すさびの薔薇」を手に入れようとします。
これを利用して魔女裁判で民衆にまで王族の事情をバラしていくのはハートがめちゃくちゃ強くなったなと思いました。
それ過程で、マヤが魔女の道化になってリンゼル家を皆殺しにしてしまうって悲劇も起きるんですけど。
アナスタシアは家庭環境がアレなだけにマヤの心配こそすれど、リンゼル家全滅には特に何もコメントが無くていっそ清々しかったです。

そして、ティレル様も仕える相手が偽物だと見抜けなかったのを命を呈して償ってしまうんですよね…。
またBAD EDになったので、次の死に戻りでゼンルートに行くんですけど、過去視・未来視の能力や記憶はどうなるんだろうな~とまだこの時点では疑問符まみれでした。
(クライオス→ティレルは記憶リセットしましたけど、ティレル→ゼンはすべてを保持したまま武芸大会前に戻りました)

でも、やっぱり上司に似て、アナスタシアが諦めずにコンラッドに一矢報いようとするところはかっこよかったです。
ティレル様も「自信を持てよ」とか、「敵以上に、味方がいる」とか、最後までありがたいお言葉をくれてもう好感度はカンストしました。
ティレル様が喋れば喋るほど好きになってしまう魔性のルートでした。

ゼンルート感想

ゼン
Profile

Name:ゼン・ソルフィールド

Age:?

Status:?

CV:武内駿輔

出身地、家門、年齢、全てが謎に包まれた人物。
大柄で強面な顔立ち。無愛想で目つきも悪く、本人にその気がなくとも他者の威圧してしまう。
善悪の所在は不明。
主人公にとって敵なのか味方なのかすら定かではない。

ゼンの正体を知るには、彼を味方に引き込むしかなく、ゼンを味方に引き込むには、彼が何者か暴く必要がある。

死に戻り前は行政官、ループが始まってからはずっと探偵の職にあったゼン。
ティレルルートで「死に戻りはやめろ」と明らかに事情を知った風な助言をしてきて、だいぶ真相に近い人なんだろうなとは思っていました。

蓋を開けると、まさかの異世界から迷い込んだ人でした。
不老不死で死なないし、攻略キャラで唯一すべてのアナスタシアを知っていて、ある意味理解度が一番高い。
それでいて、今まであまりアナスタシアに関わってこなかったのは、破滅の魔女・イシュとの契約があり、ゼン自身もアナスタシアを元凶の魔女だと疑っていたからでした。
疑念はあっさり解消されるんですけど、イシュとの契約が厄介で、アナスタシアを関わろうとすると苦痛に苛まれるのが見ていて痛々しかったです。

でもこのルートは最後の大団円に向けての準備を整える大事な期間でもあるので、イシュとの勝負に勝つことを貫かなければならなくて、アナスタシアもゼンも一番しんどい時間だったと思います。

そもそもゼンは100年以上前からこの世界で生きていて、イシュとの契約は元の世界に戻るためにしたものでした。
イシュは「孤独が一番効く」とゼンを自分の暇つぶしにしていて、本当にいい趣味をしてるな~と思いました(この時点では)
でも、騙されていたことに気が付いて、アナスタシアがゼンを元の世界に戻せるように、契約を書き換えにいくのはかっこいいです。
そして、イシュと魔女裁判で勝負します。
魔女の道化がアナスタシア、被告人はマヤ、ルーシェン、コンラッド、クライオスと知っている人ばかりできついofきつい。
これを全員冤罪で処するか手をかけるかで優勝しなければいけないというとんでもない代償を負うことになりました。

捜査はいつもゼンに付き添ってもらうのですが、最初はクライオスの頼みを聞いて仕方なくという感じでしたが、だんだんとアナスタシアを思っての行動になってきていいな~って思えました。
異世界から来たという特殊な立場だからこそ、立ち向かうような激励ではなく「逃げ道」を示してくれる言葉が嬉しかったですね。
ゼン以外の人はこの世界軸で何とかするしか選択肢が無いので、唯一無二の守り方をしてくれてきゅんでした。
本当に逃げてしまっても、現代っぽい街に来てゼンと異世界で生きていくアナザーEDになるのでこれはこれで良かったです。
ティレル語録に引けを取らない印象深さがありましたね。

魔女裁判は、マヤはアナスタシアの目的も何も聞いていないけれど、主を守るために潔く犠牲になるし、「よくできました」って声をかけて消えていくのが切なすぎました。
クライオスやティレル様といった犯人に気が付いている面々もアナスタシアを尊重して犠牲になってくれるし…。
いっそ悪人に見られた方が楽なんじゃないかと思う死に方をするので胸が痛かったですね。
コンラッドは口封じのためにサクッとやっちゃいましたけど、ゲームの最初から最後まで「悪」なので1回じゃ足りないな~と思っちゃいました(笑)←
この人しぶとくて、このルート以外は全部生きて元気に悪事を働いているんですよね…。

何はともあれ、ゼンを元の世界に返すことには成功します。
ゼンの幸せを願って選択肢を選ぶシーンはめちゃくちゃ良かったです。
でもゼン、帰ってきちゃうんですけどね…(ここまでのお膳立ては何だったのか?)
まぁ帰ってこなかったら帰ってこなかったでアナスタシアが死に戻りできなかったかもしれないので、次につなげる大活躍を見せてくれたということでゼンには大感謝しました。
いきなり、今までのシナリオになかったアナスタシアの記憶が蘇って「終末の魔女」と言われてもねぇ…。

それからイシュには、死に戻り前の記憶は無いのですが、アナスタシアが死に戻ったときに自白させていた事実もでてきました。
やりたい放題やらかしまくってますけど、イシュの扱いもどうするのか…ドキドキしながらルーシェンルートに入りました。

ルーシェンルート感想

ルーシェン
Profile

Name:ルーシェン・ノイシュバーン

Age:18

Status:第三王子

CV:石川界人

ヒストリカ国の心優しき第三王子。
母の身分が低いことを理由に親族から虐げられて育つ。
意気地がなく、泣き虫。
王位継承権の保持者だが、誰からも期待されない。
しかしヒロインの『死に戻り』後、その評価は逆転。
有能かつ冷徹な人物へと変貌する。

何が彼を変えたのか、果たしてどちらが本当の彼なのか、時を変える力を持つ主人公すら分からずにいる。

やっと救えるターンが来ました。
今までの死に戻りでルーシェンとマヤだけは1回も生き残れてないので、どれだけ大団円を待ち望んだか!

ルーシェンは、1回死に戻りしたら、そのあとはずっと冷徹な血も涙もない人に変わったのかと思ったけど、会ってみると本質はそのままで安心しました。
泣き虫だけど気丈に振舞っていて、等身大の男の子って感じでした。
幼い頃に登城したアナスタシアと出会って以来、彼女に憧れて真似をしてきたって可愛い。

そんな感じで、このルートは昔からアナスタシアにずっと恋しているルーシェン視点で始まります。

ゼンルートの死に戻りのあと、アナスタシアは翼騎士団ともマヤとも縁を切って、リンゼル家の屋根裏に自主的に軟禁状態になっていました。
誰も傷つけないために、イシュから取り戻した結界を張ってこもっていたんです。
ゼンルートでのイシュとの契約で、魔女裁判の相手をし続ける…みたいなお話が出ていたので、自分がいなければイシュも動けない、と。

でも、ルーシェンたちがアナスタシアを見つけて説得に来てくれます。
ひとりで戦うのではなくみんなでやろうって。
これまでの死に戻り直前にも、ティレル語録の「敵以上に、味方がいる」やゼンの「絶望なんか、お前には似合わねぇよ」って台詞を言ってくれたじゃないか!
ということで、みんなで協力してイシュを倒そうって流れになります。

説得までには、ルーシェンがアナスタシアと言い合いになって泣きそうになったり、それを見たティレル様やクライオスが慌てたり、結構コメディタッチなものも入ってきて、みんなも精神的に余裕があるように思えました。
今までとは風向きが違ったし、大団円に近づいているな~って雰囲気が漂ってましたね。

「大人になったら、お互いがお互いの一番の味方になる。どんなに離れていても、何が起きても、必ず力になる。そのために強くなろう」
ルーシェンとアナスタシアが幼いころにした約束を健気に守っていて、今までずっとアナスタシアに協力的だった理由もわかって感動しました。
本当に一途…!

それで魔女の道化の欠点も見つけ出せたし、民衆へ注意喚起するためにルーシェンが矢面に立つ姿は泣き虫なところを忘れさせるくらいかっこよかったです。
でも、自分がピンチの時にはアナスタシアが助けに来てくれると言う王子…思考回路がちょっと姫君でウケてしまいました。
確かにアナスタシアは女神クロムの心の生まれ変わりってことでしたけど!
ルーシェンは基本的に可愛い王子っていうのが確定しちゃいました。

いつも邪魔をしてくるコンラッドにも一矢報いることができたのはスカッとしましたけど、先述の通りこの人は生き残って最後までバトることになるんですよね。
いや、消した方が早いって…とやっぱり思う私なのでした。←

最後の方は急展開でちょっとついていくのが大変でしたけど、クロムの願いでイシュは殺さずにルーンが面倒を見ることになりました。
誰も死なせないルートェ…。
でも、クロムが意外と普通の少女で、「クライオスさんとデートしたり、ティレルさんに甘やかされたり、ゼンさんに抱きついたり、ルーシェンくんといちゃいちゃしたり、そういう甘いひととき、もっと楽しみたかったんだよね」と暴露してきたときはにやけました。
その通りすぎ!
まさかのクロムに一番親近感を抱くとは思いませんでした。

リンゼル家やコンラッドや諸々の問題はまだ片付きませんが、とりあえず一番の脅威だった魔女については脅威が片付くとEDへ。
ティレル様が突然アナスタシアを主と言い出して跪いたのでびっくりしました!
めっちゃ言葉遣いも丁寧だし忠誠心も厚いし、キャラ変やばい~すべてを持っていかれました。
ティレル is JUSTICE…ありがとうございました。

悲恋EDでは、ルーシェンが魔女の道化になってしまい、入水してしまいます。
めちゃくちゃ悲しいですけど、水のスチルが綺麗でしたし、アナスタシアへの愛を吐露するところが切なすぎて良いなと思っちゃいました。

最終章感想

アナスタシア

最終章はルーシェンまですべてクリアすると開放されます。
個別ルートというか、全てのお話が死に戻りによってつながった1本の物語のような構成になっています。
なので、クライオス、ティレル、ゼンと良い感じになった時間は全部死に戻りによって消えた過去ということになります。
もちろん、アナスタシアとゼンは記憶もあるのですが、正史は最後の死に戻りとなったルーシェンルートの時間のみです。
なので、ルーシェン、クライオス、ティレル、ゼン、イシュにそれぞれ最終章があるので、ルーシェンルートの最後から5つに枝分かれしている感じです。

クライオスは何回死に戻ろうが8年の貯蓄があるので記憶がなかろうが、恋愛に行きつくのは想像に難くないです。
虚無ってことでしたけど、やることなすことが狡猾で作為的なので、やる気満々の人にしか見えなくてですね…。
ちょっと推しには届かなかったです、惜しい。

ゼンはすべて知ってるし、ゼンルートで恋愛過程を積み上げて、元の世界には還らずそのまま最後まで走りました。
この人がそばにいるととても安心感があるので、アナスタシアと末永く幸せに過ごしてほしいです。
ゼンの不老不死問題が同じ時を生きるのに邪魔でしたけど、イシュのいた神殿が使えそうだったのでなんとかなったのかな。
続きに期待しています。

ルーシェンは最後の死に戻りで恋愛過程が発生してそのままゴールで納得できます。
でも、ハピエンにまでコンラッドが出てきてイラッとしちゃいました。
ルーシェンとアナスタシアがお互いにプロポーズしたりとかなりおいしいシチュエーションも入っているがために、コンラッドに割かれる時間がもったいない…!
結婚式まで挙げていたけど、過程がすっ飛ばされたのでどうにか補完をお願いしたいです。

そしてティレル様は…。
一番恋愛したい人と一番心の距離が遠くて泣きました。
死に戻り前の記憶もない、そんなに関りもない、強いて言えばうっすらと主従関係が残っているだけ。
冗談じゃなく、私が一番絶望したのはここでした(大荒れ)

でも、ティレルの最終章に行くと、主従関係をやっているのは作戦でした。
ティレル様曰く、自分のことはよくわかっていて、今後アナスタシアを好きになる未来が明確に見えているようでした。
なので、アナスタシアとの関係を切らないために、主従関係に持ち込んだ、と。
もう脱帽でした(大荒れしたのは何だったのかチョロ)
しかも、苦手な早起きを頑張ったり、料理を数日で覚えてきたり、有能さが大爆発していました。
さすがすぎます、FDでは甘い展開待ってます。

それからイシュ最終章。
アナスタシアが寿命を全うした後、イシュとルーンと再会します。
人間界の街を回りながらイシュに真相を尋ねていくパートなのですが、最後に輪廻転生するアナスタシアをイシュが呼び止めるんですよね。
「また会いたい」って。
これ、自分のやらかし具合から考えて「好き」の代わりに譲歩しまくって出た言葉のように思えたんですけど、どうなんでしょうね。
謎のまま終わるのですが、FDで何かがあればイシュへの気持ちも定まるのかなって感じがしました。

あとがき

1本の長編物語のようなシナリオでとても楽しめました。
ゲームとしてのボリュームはそんなになかったですけど、綺麗に伏線は回収されますし、何よりしんどい展開に耐えて耐えて、最後に良かったなと思えるのが最高でした。
めちゃくちゃ余談ですが、魔女裁判(カーニバル)と聞いて私の脳内は「おジャ魔女カーニバル」が流れていたので、ダメージはかなり軽かったです(笑)
楽しみ方が特殊…。
とはいえ、えぐい方面の過激なシーンもあるので人を選ぶとは思います。
歴戦の乙女ゲーマーは動じずケロッとこなせるかな?
キャラクターたちも癖が強くて魅力的ですし、ティレル様にドハマりできてニコニコですし、やって損はない良いゲームでした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
では👋

いつもありがとうございます。
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