終遠のヴィルシュ- ErroR:salvation -|ネタバレ感想

こんばんは。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
また、やる気ボタンと戦ワル、薄桜鬼、スチプリ、購入品の記事への拍手を押していただき感謝です!
終ヴィル発売おめでとうございます!
早速ですが、今回は紹介と序盤をちょっとプレイした感想です。
よろしくお願いします。

プラットフォームNintendo Switch各種
メーカーオトメイト
発売日2021年10月7日
CEROD(17才以上対象)
シナリオ中山智美
イラスト
キャスト斉藤壮馬/平川大輔/天﨑滉平/細谷佳正/八代拓/興津和幸/他
公式サイトhttps://www.otomate.jp/virche/
敬称略
プロモーションムービー
オープニングムービー

あらすじ

西ヨーロッパの小国・アルペシェール。
四方を海と黒き災いの花――リコリス・ノワージュに囲まれたこの国の人間は23歳までに死に至る《死の呪い》を抱いて生まれてくる。
万人に等しく死が降り注ぐアルペシェールは、いつしかこう呼ばれるようになった。

――死神に魅入られた国、と。

国民は短命である自分たちの運命を嘆き、抗う。
そして長年にわたる研究の末、あるシステムを創り出した。
23歳までに死を迎える肉体を捨て、記憶だけを生き永らえさせる――“記憶のダウンロード”。
“記憶のダウンロード”によって永続的に生き続ける人々は“リライバー”と呼ばれ、短命に抗い続けている。
時を同じくして、関わる者全てが不幸になることから《死神》と呼ばれる少女がいた。
人生を嘆いた少女が自ら生を終わらせようとした瞬間、目の前に《死の番人》だと名乗る謎の男が現れる。
番人の導きにより、少女は否応なしにこの国に巣食う《様々な死の謎》に近づくこととなる。
死神に魅入られた者の運命が行きつく先は――絶望だと知らずに。

終遠のヴィルシュ公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(ルート又は章毎の途中プレイ機能)○※
フロートチャート
選択肢又は未読箇所までのスキップ
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)
アイキャッチ
フォント変更

基本はいつものオトメイトさん仕様です。
一通りの機能は揃っているので、不便はありません。

※「シーンリスト」という名称でチャプター機能がついています。
これは「第*幕〇章-副題-」毎にストーリーがまとめられた一覧です。
従来と同じくクリア済みの箇所を再生できますが、今回は再生範囲が短期的になっています。
というのも、選択した第*幕〇章-副題-を再生し終えるとシーンリスト画面に戻ってくる仕様になっているからです。※

一方でフロートチャートはシーンリストと同じ区切られ方ですが、こちらはプレイヤーが意図的に止めない限り永続的な再生機能となっています。
選択した第*幕〇章-副題-から最後まで流せます。
今まで乙女ゲーでよく見かけたチャプター機能と同等の再生能力はフロートチャートに付いていることになりますね。
機能分け・使い分けをはっきりさせたのかもしれません。

世界観と第一幕


セレス
この作品のヒロインはセレスちゃん。
関わった人が不慮の死をとげることから「死神」と呼ばれ、周りに忌み嫌われています。
普段は養護施設の手伝いをしていますが、自分の特質故にお出掛けは苦手なよう。

ヒロインに大きなハンデ…コドリアを思い出しますね(ライターさん的に)
根は優しそうな女の子ですが、「死神」を悲観してか、かなり控えめでネガティブ思考の持ち主という印象です。
周りの迷惑を考えて行動しているところを見ると、他人>自分で、乙女ゲーム特有の自己犠牲精神も備わっていると思います。

冒頭から終ヴィルワールド全開で、誰かのBAD EDぽいシーンでセレスが懺悔しているプロローグから始まります。
いきなり刺激の強い描写多めでしたね…(もうしんどい)
アンクゥに出会ってからは、セレスは国の「死の真相」を暴いていくことになります。
そして見返りとして、「死神」ではなく普通の女の子にしてくれるという約束をしました。
ここから謎を追いかける展開に入っていくのですが、序盤から血の表現多めで不穏です!

それからゲームの世界について。
舞台となるアルペシェールは周囲を海に囲まれた島国家です。
庶民区(クーネ)、富裕区(シュディ)、研究区(セルネヴォル)の3区画と島の沿線にはリコリス・ノワージュの花畑が広がっています。
リコリス・ノワージュは黒い曼珠沙華、と思えばいいはずです。

また、この国では23才になると死んでしまう呪いから生きながらえるために「リライバー」というシステムが使われています。
これは攻略キャラのシアンが開発者で、本人もリライバーです。
ただ、リライバーになると代償として大きな感情…特に愛などを失うと言われています。
国民は諦めて呪いを受け入れてしまっている中、今のところ唯一と言っていい抗う術です。

雰囲気は暗め、状況は芳しくない、お話はシリアス、そして進むお先も真っ暗。
それでもグラフにすると今一番左上にいて、これからどんどん右かた下がりになっていくんだなという感じがひしひしと伝わってくるようです。
なかなかに重い展開が待ってるのは必須です。

第二幕ネタバレ感想

ここからはキャラクターの個別ルートの感想です。
共通章を終えたあとのキャラクターセレクトを見て、何となく攻略順は察しが付きました。

リュカ→マティス→シアン→イヴ→第三幕→救済の順番で進めています。
救済EDは仕様上最後の攻略となりますが、感想はキャラクター毎に記載しました。

Attention

以降はネタバレ回避のため【ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

リュカルート感想

リュカ
Profile

Name:リュカ・プルースト

Age:22歳

Status:訪問教師

Theme:信仰

CV:平川 大輔

教会や養護施設を回って子供たちに授業を行う訪問教師。
主人公が暮らす施設にも度々訪れている。
几帳面で人当たりがよいが、正義感が強い一面も。
病気の妹がいて、よく病院を訪ねている。
神を信奉しており、子供たちは賜りものだと特に大切に扱っている。

公式サイト

作中に何度も登場する謎の猟奇殺人鬼・死刑執行人(ブロー)。
この人がリライバーに対して行う無差別事件に攻略キャラクターとセレスで挑み、一応の幕の下りた後リュカルートに入ります。
ブローの件はあまりにもひどい幕引きでしたが、ブロー本人の身元がわからないままだったので、セレスはそれを調べることにします。

このルートの主、リュカは物腰柔らかでとても生徒思いの先生です。
病弱な妹のナディアの面倒もよく見ていますし、良識人で安パイ…かと思うじゃないですか普通。

この人こそがブローでした。

それを知ったアンクゥの慌てようが凄かったです。
まだ謎だらけですけど、クセは強いけど同胞の危機には優しいみたいです。

…まぁリュカは平川さんの時点で二面性キャラクターはお察しでしたが、てんこ盛りで笑っちゃいましたね!
正体が知れてからの苦悶、嗚咽、慟哭などの演技がただただ凄くて、そっちにばっかり気がいっていたかもしれません。

ゲームでは他にも様々な死の謎を追う構成ですが、このルートはさしずめ人としての寿命をまっとうする意義。
それから自然の摂理とは真逆のリライバーの存在が対比される場面も多かったと思います。

リュカは信仰というテーマがありますが、これが全ての絶望の元凶。
エクソシスト教団という、反リライバー組織に属していたのですが。
神託を受けた教祖・カプシーヌがリュカに浄化を言い渡してリライバー狩りが起こっていました。
リライバーを「悪魔」と認定するあたり、なるほどエクソシストだなと。
支援者とやらもいるそうですがここでは不明のままでした。

リュカが浄化を恍惚に語る場面と、「やらなくちゃ」と自分に言い聞かせている場面は相反する必死さと苦しみがとても伝わってきて辛かったです。
浄化の内容はグロすぎてアウトだと思います。
スプラッタとか具体的には書けない…書いたらバンされそう(←私にとっての絶望)

また、リュカはとても敬虔な信徒という事でしたが、実は妹のナディアを人質に取ったカプシーヌが彼を洗脳してやらせていました。
さっきの辛い場面はだいたい洗脳のせいです。

そしてこのカプシーヌが大変に悪趣味。
元々は国立研究所のオーティという研究者でしたが、過去に禁忌の研究をやらかして極刑にされました。
でも自らルールを無視したリライバー化を成して生きていて、研究所から持ち出した技術を密かに研究し続け、反リライバー派の組織に所属しつつ命の倫理を逸脱したことばかりしていました。

そして、ナディアを見初めます(震え声)

彼は重度の遺伝子愛者で、疾患したナディアの遺伝子を愛し、自分好みの人形に仕立てようと非道徳的なことをやりまくります。
実験の為にクローンのクローンを量産するとか頭がおかしい。
ただ、この非道が最新の医療のアップデートに繋がっている点やナディアが今も生きていられるのはこの医療レベルのおかげというのが皮肉すぎてやるせないです。
カプシーヌ自体は人から奪うことしか知らなさそうでちょっと可哀想にも思いましたが、それ以上にやはり所業が強烈で性癖に虫唾が走るレベルなので貴方が浄化されろと何度も思いました。

そんな人を信じ込まされて、ナディアの治療の為に浄化を行っていたリュカ。
真実を知る前の彼は盲信で狂っていましたし、知った後も壊れて破綻してという感じで正常なリュカを見た覚えがないです。
可哀想どころか大丈夫ですらないです。
さすが絶望物語…!

セレスとの普通の恋愛もほぼありませんでしたね。
リュカからの愛はだいたい妄信絡みで歪んでいました。
7年前くらいからセレスを真っ当に生きる「天使」と言っていましたけど、当時死神と称されていた子が天使に見えたならリュカの精神状態は相当かと。
(7年前は、セレスが死神の力で引き起こしたと言われる火災でセレスとイヴが出会い、2人だけが生き残った事件がありました)

でも唯一、セレスがリュカの正体を知らずに「先生好き」となったところだけは純粋な恋愛だった気がします。
リュカが、頑張った時に頭を撫でてくれる事や、苦しい時にこれ以上頑張らなくて言いと言ってくれた事。
セレスは最初から些細なことにすら幸福を感じる子でしたので、その謙虚さからリュカのことを好きになったという過程は良かったです。
リュカの正体と所業を知った後も好きなままなのはもう物好きの範囲に思いました。

生徒が教わったことを頑張りすぎる「リュカ先生」に与えてあげる形でリュカの洗脳を和らげるシーンがあるのですが。
死神と呼ばれるのに誰より人道的で健気でグッときました(好きです)
この、真には通じあっていない愛の中でのキススチルも、恐ろしくも綺麗でもはや芸術品のようでしたね。

でも巨大な鳥籠が出てきた時は爆笑しちゃいました。
某愛しのトラウマ檻ガールを思い出して無理でした(笑)

ただ、絶望メインのストーリーですのでこのまま成就して罪を償って明るい未来へ~は無かったです。
カプシーヌがかねてからの愛を爆発させてナディアを奇形の花嫁に変えてしまったあとは、リュカのさらなる精神崩壊と予め施された洗脳とで共通章以上の悲惨な事件が起きました。

見境なく人を切っていくリュカこそ死神っぽく見えました。
ここだけとは言いませんが血の表現が酷いので苦手な人は厳重注意かなと思います。
何ゲーしてるのかわからなくなるくらいド派手にむちゃくちゃでした…。

ここから続く2つの絶望EDも、セレスはどちらでも死ぬし、歪な恋愛成就がなされてなかなかにしんどかったです。
それでもひとつはメリバ、ひとつは完全にBADという感じです。

メリバっぽい方は、セレスを手にかけたことでリュカの洗脳が解け、狂ったまま彼女を愛して寿命までの短い短い歪んだ幸福の時間を過ごすものでした。

もうひとつの、洗脳されたリュカをセレスが止める方はBADすぎ。
リュカ亡き後、セレスが自分から大罪人リュカの妻を名乗って処刑されてしまうのですが。
やっとリュカと同じところにいけるかと思いきや、セレスは天国へ、リュカは冥界へという感じで永遠の別れみたいでした。

絶望、絶望とは言ったものの、ひとつではなく、たくさんの絶望だらけだった気がします。
真っ当に寿命まで生きること、若者から老人へと普通に歳をとること、健康に生きること、恋すること、願っても抗っても普通を何も実現できなくてしんどい国ですね本当に。

-救済ED-

このEDも救済と呼ぶには圧倒的に救いがないので、BAD好きが一番好きになるルートかもしれません。

リュカの惨劇も、奇形にされたナディアも無かったことに…なんて都合の良いことにはならず。
喧嘩別れした兄妹の再会のために、死亡確定のリュカが残された時間でできうる限りの最善を尽くす感じです。
リュカが自分で「罪人に救いはない」って言っちゃったから、ああ終わったなって思いました。

ナディアとは仲直りできますけど、結局は苦しませないためにトドメを刺すし、元凶のカプシーヌに怒りが収まらない…。
リュカもそのまま力尽きてしまいます。
でも、セレスに看取られてとても穏やかで幸せそうでした。
もう頑張らなくていいと安心して…心だけは救われたと思います。

天使だなんだと言って盲信でセレスを好きになりましたけど、最後は洗脳でもなんでもないリュカの本心からの愛していますを聞けたのは良かったと思います。
セレスも後を追いますけど、クリア後にリュカがそれを嬉しく思うセリフがあって2人にとっては最善の形になったのかな。

私も、亡くなってまでも離別なんてことにならないしいいか…の気持ちです。
アンクゥはセレスとまた会えるまで待つと言っていたので、時間の苦行をまたやるのかと思ってしんどかったです。
実際にナディアっぽい子が最後に出てきたので、輪廻転生が叶うEDみたいで…そんな希望があったらアンクゥはこの先確定で辛ですね。

マティスルート感想

マティス
Profile

Name:マティス・クロード

Age:17歳

Status:クロード家当主

Theme:自分

CV:天﨑 滉平

富裕区に暮らす少年。読書が好きで、部屋の中は本で溢れている。
気弱で人見知りが激しく、人と目を合わせることが苦手で上手く会話がかみ合わない時がある。
敬愛していた兄を《死刑執行人(ブロー)》に殺され、復讐のために犯人を捜している。

公式サイト

リュカがマティスの仇です。
ただ、リュカの正体は隠されたまま、カプシーヌの詳細も出ないのでリュカより先にマティスを攻略するのが正解かと思います。

それにしてもリュカの実力がチートなのでどのルートでブローが来ても最凶の恐怖対象になりそうです。

さてマティスルート、一応のブロー事件の幕引きによって兄の復讐相手を失ったマティス。
茫然自失で過ごしていましたが、セレスが給仕に来てくれることをきっかけに立ち直りの兆しがみえて、2人の距離は縮まりました。

できが悪くて独房で一人泣いていた自分に似た境遇を知っているセレス。
そこから立ち上がったセレス。
彼女への憧憬と一緒に過ごせる時間に幸せを感じてマティスは恋します。
セレスみたいに前を向きたいと自分を変えようとするマティスがいじらしくてかっこよくていいなと思います。

あがり症な話し方の目立つ子でしたけど、一緒にマルシェに出掛けた時に不慣れな外出にもかかわらずセレスと繋いだ手を絶対に離さなかったのは強い気持ちを感じました。
セレスもマティスが勇気を出してくれたと言いましたし、素敵なシーンでしたね。
それから2人で小説を考える時間も楽しそうでした。

でもブローの再来と共にマティスはまた復讐に取りつかれ、そして絶望EDに向けてマティスの真実が明らかになります。
もう本当にびっくり!

マティスは王立研究所から盗まれたバックアップの記憶を植え付けられた人造人間(ホムンクルス)。
作ったのは執事のジャンこと、クロード家の後継カミーユ・クロードでした。

カミーユはその昔、恋人のロザリーと悲劇的な死別をしていて。
バックアップを取っていなかった彼女を「愛」を持ったまま復活させるべく実験を繰り返していました。
(コドリアのアイザック・ベックフォードが近いことをしていたと思います)
胎教のような原理を用いているので、妊娠した娼婦をさらって使っていたんですけど、これもなかなかの所業でした。

だから、他人を集約したようなマティスの中身は全て他人のもの。
復讐心も気弱さも最初から全てが嘘で本物マティスは存在しない、なんとも酷な子でした。

ただ、この真実にたどり着く過程はなかなか面白かったです。
日常の中にマティスの既視感が溢れている描写と伏線は凄かったです。
ですが、誰からも愛されなかった「死神」セレスを好きになったのはマティスだけ。
恋した日々だけはオリジナルというのは乙女ゲーぽいし、いいシーン多かったので尊さインフィニティに感じました。
セレスに恋する「自分」がマティス・クロードという存在なんでしょうね。

しかし、この恋こそが絶望です。
カミーユがいないと未知の生物のマティスは生きれませんし、華奢で非力なセレスとマティスがカミーユから逃げる術もなく八方塞がり…。
ひとつの絶望EDとして、セレスが「どんなマティスくんでも愛する」と言って非道な記憶改ざんの実験に耐え抜くものがあるんですけど、健気すぎて泣きそうになりました。

マティスに最後に宿った記憶が「カミーユ」でも彼との愛と自分の言葉を貫き通したのは、本当に強い女の子だなと思いました。
好感度爆上がりです。
でもこのEDでやった実験で、カミーユはなぜロザリーに近い性格の記憶を使わないのか謎でした。
クセの強い性格ばかりダウンロードしていて…。

最終目標は感情丸ごとロザリーを復活させることですけど、実験を見る限りでは誰に愛されたいんだ?ロザリー最優先じゃないのか?という感じでした。
セレスとマティスの壊れない愛に嫉妬した悔しさもあるんでしょうけど、実験より虐げることを楽しんでいるようにも見えました。

もうひとつの方は残念ながらそんなに心には残りませんでした。
セレスがロザリーと同じ状態にされ、彼女たちを復活させるべくマティスがカミーユの実験に協力的になるお話です。
一番最初の紹介文の通り、兄がいた設定に戻っていて、色んなことを繰り広げてたどり着いたEDなのに一歩も何も進まず解決せずな感じでした。
虚しいな…。

-救済ED-

このEDは凄かったです。

カミーユの謎の人格ダウンロード実験は、リライバーになって恋愛感情を失っても何度でもマティスを好きになるというセレスの自信に昇華されましたし。
マティスもマティスでシアンがリライバーにしてくれて死なずにすみました。
ホムンクルスまでなんとかできるとはシアンの頭脳はチートですね。

蘇ったマティスは記憶も恋愛感情はないはずですが、潜在的な感覚からセレスに一目惚れして、またマティスとの新しい恋が始まりました。
何があってもこの2人の愛は壊れないんだろうなという安心感が沁みました。

カミーユは黒幕かカプシーヌのせいで消えてしまいましたが、狂った愛ではなくロザリーとの本当の愛を思い出せて良かったと思います。
配達人としてやらかした中で、ロザリーの妊娠していた細胞を使ってマティスを作ったのを暴露されて完全には責められなくなりましたね。
どうしたってマティスはカミーユにとって特別な存在だったに違いないじゃないですか(泣)
「亡くなった」とは一言も書いてなかったので、罪を償っていつか弟(自分の子)とセレスの恋を祝福しにくるその後があってもいいなと妄想してしまいます

シアンルート感想

シアン
Profile

Name:シアン・ブロフィワーズ

Age:23歳(肉体年齢)

Status:研究者・国立研究所所長

Theme:バグ

CV:細谷 佳正

国立研究所の所長であり、“記憶のダウンロード”を創った天才科学者。
本人もダウンロードを繰り返し、“リライバー”として長い年月を生きている。
人は使い捨ての道具であり、感情はバグだと思っている。
効率主義者で、自分や身内の命でさえも研究材料の一部という思考の持ち主。

公式サイト

いや、凄いルートでしたね。
初っ端からシアンの雑用係になりたい乙女ゲーマー続出でしょう。

シアンにカチンときたダハトに代わってセレスは小間使いとして研究所に通い始めます。
働くうちにシアンのお眼鏡にかなって小間使いから雑用係へ昇進。
ダハトの言った部下の労い方を実行したり、シアンなりにセレスを気にかけ始めるところは萌えでした。

またシアン自身の行動で、セレスのサンドイッチをパクパク食べたり、パズルを無邪気にやったりと色々可愛いシーンもあってキュン。
雑用係として認められてシアンの白衣を掛けてもらえた暁には時すでに遅しで沼に落ちていて這い上がれる気がしない…一体どれだけかっさらうんだこの男、と思いました(笑)

その後は、シアンが「悪人」と呼ばれる側面を本人から暴露されたりと落としてくるんですけど、それでもシアンに味方したいと(プレイヤーが)思えるかどうか、最初の萌えと天秤にかけて考えさせられて良かったです。

ちなみに「悪人」の詳細は、リライバー技術の発展のために実験体を消費していること。
罪人とは言え生きたままの人体を使うのは倫理観無視もいいところでした。
マムやアンクゥはこのことを何回も心配して忠告をくれてましたね。
セレスの死神の力に価値を見出したら最後、おじゃんという雰囲気でしたけど、それを利用する場面はなかったです。
個人的には、カプシーヌみたいに性癖の混じった気持ち悪さはないのでいっそ清々しい悪人だと思います。

しかもそれだけではなくて、シアンは自らをもその実験体としていて先陣切って未実証の成果を自分で上げるという荒業を成していて、善し悪しはともかくきっちり責任は果たしていて文句を言う隙がないのが強いですね。
傲慢で不遜で、感情はバグと言い切る効率重視の研究者。
人類の叡智こそ「神」で、その神の視点のように俯瞰で世界を見るシアン。

でも、命に向き合う時は俯瞰を捨て地に足をつけて評価し向き合っている…セレスはそんな彼の視線を美しく思って恋に落ちます。
セレス本人よりシアンが先にそれに気がついて「シンプルに俺と共にいたい」と言えと迫られた時は絶望を忘れるくらいにやけました。

なので、王族のくだらないこじつけで絶望にもっていかれたのが悔しすぎます。

犯人・目的は不明ですが、シアンとその関係者を始末しダハトを新たに所長の座につけます。
呪い対策としてリライバー自体の強化を進める効率のシアンに対して、ダハトは心臓(メモリー)の容量を増やすことを掲げる感情派。
2人の仲は良好ですが周りには対立関係に見えるようにしていたので利用されたのかな?
それで傍から見れば窮地に陥ったも同然でしたが、シアンの鋼の意志が凄かったです。
人類を生かすためにと呪いを根本解決する目標を絶対に捨てないし、次を見据えていました。
でも、セレスだけがそこに弱さ(感情)を見つけシアンに知らしめたのは、さすが雑用係でした!

バグといっていたのに、派閥争いで無意識に共感者を求めていたのは盲点でした。
でもこの意志、行動力、頭脳、弱さを知ってより進化した「神」であっても絶望EDは絶望ED。

ひとつはサロメ一家が崩壊する悲しいものです。
実はサロメはシアンの協力者の一人で、養護施設で優秀な人材を育てて、実験送りにしていました。
「呪いの打倒」という点においてシアンと団結していたんです。
でも、きっかけはどうあれアドルフやセレスに家族愛が芽生えて愛していました。
この愛は本物なのですが、サロメもまた「王族排除」という強い信念を持っている人で…。
呪いよりそちらを優先する答えを出したために噛み合わなくなって、シアンを焚きつけるためにセレスを刺してしまうEDでした。
さすがにシアンも素っ気なく「…そうか」では終わらないと想像します。

ちなみにアドルフも王族のくだらないこじつけのゴタゴタの中で56されてしまったのでもうどうしようもなかったです…。
というかサロメの導線が切れた原因はこれだと思われます。

もうひとつはもう救済が欲しくてたまらないEDです。
シアンが所長に返り咲くんですけど、それまでの過程でセレスが亡くなってしまい、強引に自分の中に記憶だけダウンロードします。
シアンもその時に新たなクローン体になっているのですが、感情派の理論を実演して見せたのもあってちゃんと感情があるんです。
だからセレスを失った悲しみに覆われていて、脳から聞こえる彼女の声と話し続ける廃人になっちゃいました。

新調の前に、「最初に恋をするならお前がいい」と感情を持つことを楽しみにさえしていたのに…。
別れる前にした先払いのキスが悲しすぎる…。
シアンの目標である呪いの解決も達成されず、本気で詰んだと思いました。

…せっかく自分から次の体ではバグを望んだので、序盤の萌えと最後のキスの清算を真に堪能したいです。

あと、アドルフ近辺がざわついて不穏でした。
サロメがアドルフを独りにするのを極端に嫌がったりとか、色々過剰に反応する場面が多かったです。

-救済ED-

バグありがとう!のEDです。

ダハトの心臓(メモリー)の研究を完成させ、自分で実験したことによって感情を持ったリライバーシアンが爆誕。
「次に転生した時は最初に恋をするならお前がいい」を叶えてくれます。
アドルフを屠ったにっくき王族にも一発おみまいできましたし、シアンも所長の座に戻れました。

ただ、サロメがアドルフの件からずっと王族排除の狂気に片足を突っ込んでいて、なぜかダハトを巻き込んで殺しちゃうし、最終的に強い負の感情で心臓が持たなくてやばい状態になります。

でも、このシアンは効率が~とか「…そうか」で切り捨てたりせずセレスの「助けて」を聞いてくれます。
心強すぎる!
犠牲も出たし全部が全部はうまくいきませんでしたが、サロメはまたみんなのマムとしてやり直すこともできました。

そしてシアンのバグの破壊力が凄かったです。
キャラが崩壊したんじゃないかと思うくらい甘いこと言うし、前の自分も引き継いでセレスを愛していると囁くし、神の隣にいるのは死神が相応しい、って何もかもを自分のものにしていきましたね。
雑用係から大出世しました(笑)
呪いの打倒も将来的に叶いそうでしたし、先の明るい終わり方でした。

イヴルート感想

イヴ
Profile

Name:イヴ

Age:18歳

Status:便利屋(クルーン)・自警団

Theme:愛

CV:斉藤 壮馬

クルーンと呼ばれる便利屋を営んでいる青年で、自警団の一員。
真面目で誠実な人柄で、街の人々からの信頼が厚い。
博愛主義者で、悪事さえも場合によっては受け入れるものだという考えを持つ。
幼い頃に事故で負った火傷が原因で親に捨てられた。
人を愛し、助け続けていればいつか自分を愛してくれる相手に出会えると信じている。

公式サイト

共通章のアンクゥの示唆した呪い以外の「死」について。

浄化された遺体の事件はマティスルートを経てリュカルートで収束。
目に見えない隠された死はマティス、シアン、リュカルートでそれぞれ判明しました。
そして残りのひとつ、胸を掻きむしった様な変死はイヴルートで…ということになります。
ストーリーの流れ的にリュカの件と混同しそうになるんですけど、別件。
それの追求と、実質の種明かしと、イヴ主体の恋愛、地雷等、色々詰まった物語になっていました。

まず、イヴといえば「愛」ですよね。
一言でいえば狂った博愛主義の持ち主です。

7年前にセレスが引き起こした火災で何とか生き残りましたが、死神の力で与えた火傷が原因で化け物扱いされて孤独になってしまいます。
イヴはそれまでたくさん愛されて生きていたこともあって反動が大きく、博愛を振りまいて見返りを求めるギブアンドテイクの「あい」を探しているとのことでした。
この「あい」がたった一人(セレス)に向ける「いとおしい」に変わり、イヴの博愛が崩れていく中で呼び覚まされる負の感情をも受け止めてセレスを愛し抜く流れは一途すぎて泣けました。

他のルートの比ではないくらいセレスの力やそれを嫌う人々からの迫害を受けるんですけど、どんなに打たれても「普通の女の子」だと証明するという言葉は心強かったと思います。
懺悔や贖罪を求めるセレスにとって全肯定は負担でしたが、イヴに負の心が戻ってからはよりよい感情になったのではないかと。
イヴの被る不幸が多い分セレスの自虐の多かったので、救いの負の感情だったと思います。

でも、セレスもセレスで、自虐するだけでなく誰もが目を背けてしまうイヴの火傷から初めて逃げなかったし、火傷ごとイヴを好きでいるたった一人の特別になったのは頑張ったなと思います。
火傷の元は自分ですからね、命で償うのではなく全部受け止めてイヴに与える姿は全然死神ではなかったです。

この博愛主義の更生にヒューゴも昔から尽力していたんですけど、唯一無二の親友に不幸をもたらすセレスが昇華させたことはとても悔しそうでした。
ヒューゴもヒューゴでイヴの博愛を語るのに重要なんですけど、ちょっとこの辺りは駄目な人にとっては地雷源なので物語の詳細は割愛しますが。
ヒューゴ→イヴへの感情がどう解釈してもブロ○ンス以上801以下に思います。

それからイヴはアルペシェールに外部から来た「漂流者」の末裔という位置づけがあります。
これは色んな所にツタが伸びていて興味深かったです。

始まりは漂流者本人と死の番人の間で交わされたリコリスの守護の約束。
いつか現れる姫君に求婚するためにリコリス・ノワージュを託したけれど、本当かどうかは不明。
でも、イヴもおじいさんから引き継いでリコリス・ノワージュの手入れをしていて、知らず知らずにセレスはその花畑が大好きで…。
みんなが嫌う花畑を好きって、ここでもセレスはイヴの唯一になっているのがロマンチックで運命力を感じました。

アンクゥもそのあたりやイヴには好意的。
リュカはだめ、シアンはだめと言ったけど、イヴはOK、推してました。

で、セレスもこの花畑で捨てられていた孤児だったんですけど、芋ずる式でセレスの両親がリライバーな事や、大きすぎる愛によって心臓(メモリー)が壊れて亡くなったことが変死事件の解決につながっている事など、情報過多でしたね。

事件についての謎ときは推理場面もあったので、段々と明かされていく過程は楽しめました。
そしてダハトの研究の重要性がリアルな重みをもったなと思いました。
大成できたらバグり放題ですよシアンさん!

それから、アルペシェールの短命とリコリスの役割について。
なんちゃって科学ですけど、本当にありそうに感じられて凄かったです。
(リアルにはもちろんないです)

まず、アルペシェールの土壌は毒素に汚染されていて、それが人間の染色体に影響していました。
懐かしの理科で習った22対の常染色体と1対の性染色体が1年にひとつずつ壊されて23年の寿命となっていました。
それを救うための知識とリコリスの守護です。
「アレロパシー」という毒素を吸う力があって、毒を吸って黒くなっていたんだそうです。
そして、リコリスの能力を持った人間がセレスです。
手折ると死ぬと言わていた花と同じ力を持っていて、でも人間でもあるから遺伝子が花になったり人間になったりするそうです。
花の時は吸うから大丈夫ですが、人間だと毒素が開放されるから汚染された土壌と同じで人を害していた(という解釈をしました)
てっきり異能かと思ったのに科学的に証明されてびっくりです。

でも土壌汚染の原因がわからず、毒には毒をの対処法しかないのがとても無慈悲で絶望EDの倫理的ジレンマを引き立てたと思います。
種明かしの後にシアンが打倒呪いを叶えにくるんです…。
セレスの力で土壌汚染が解消できて呪いが解ける理論に気が付き、セレスも多くの人を救えると死ぬような実験に賛成するのですが。
イヴは大多数の命よりもセレスがほしくて…セレスの希望を絶望に変えようとも一途を貫くと決心します。
でもシアンにたどり着くまでに犠牲が多すぎて見ていられなかったです。
絶対悪ではないですが、シアンが「悪人」要素をいかんなく発揮するし、量産されたブローが押し寄せるしわやでしたね。

自警団全滅するし、アドルフも亡くなっちゃうし…。

イヴもアドルフの犠牲は考えてなかったから助けようとしていましたけど、セレスが絶望したとしてお前は希望を与えられる(俺にはできない)と、大事な義妹を託すところはボロボロに泣いちゃいました。
アドルフがよく言っている「守る」は叶ったけど言い方…アドルフは自分が嫌いなのかな?

やっとのことでシアンと対面するんですが、実はシアンと漂流者の家系にも因縁があって応酬が凄かったです。
叡智だ神だとのたまうシアンにイヴがガツンと言って「人間」にしてしまうのは爽快でした。

ただ、絶望EDですので、上手くはいきません。
実験は止められましたが、セレスの力が暴走し毒素をばら撒く本当の死神となり、悲しい分岐に進みます。
この時点で「普通の女の子」になれないのは確定しちゃいましたからね。

ひとつは、セレスが大多数の為に死んでしまうEDです。
しかもこのEDではイヴの愛へ手を伸ばしたいと心の中では葛藤していたのにそれを切って今までの「償い」としてリコリス・ノワージュの一部となります。
セレスのいる場所だけ、赤い彼岸花が咲き誇っていて…。
止められなかったイヴもさすがに不屈の心が折れてしまってセレスを一人にしまいと後を追ってしまいました。
でも、「リコリスの花の下で一緒に生きよう」と言ったのは最後までイヴだったなと思いました。

もうひとつは、一度は大多数の生贄となると決めたセレスでしたがイヴのひた向きな「愛」に応えるものです。
ただ、やっとのことでこたえたのが全てが消し炭となって無に帰した後で、ああ遅かったなという感じでした。
でもセレスにとっては消し炭も火傷も等しく愛しいイヴで、ためらいなく口づけできる唯一だし、もう亡くなってるから呪いで殺してしまうこともないです。
かなり狂気を感じましたけど、イヴの手を取れた点は先ほどのEDよりはいいのかな。

住民の信頼も親友もアドルフも犠牲にして、どんなに絶望がたたみかけてきても折れなかった不屈の心ですら対抗できなかった結末。
希望という希望は全部潰れて吊りあった結果か?とは思いますけど、それがBADか…。
私は胸が痛いです。

-救済ED-

第三幕ネタバレ感想

アドルフルート感想

アドルフ
Profile

Name:アドルフ

Age:21歳

Status:自警団リーダー

Theme:守護

CV:八代 拓

主人公と同じ養護施設で育った自警団のリーダー。
現在は街外れで一人暮らしをしている。
ぶっきらぼうな言動が多いが根は優しく、困った人を見過ごせない。
主人公にとっては頼れる兄のような存在

公式サイト

このルートは、アドルフルートであり、アンクゥルートでもあります。
「アドルフ」の果てしない片思い物語と、ストーリーの全ての伏線が回収されます。

まず、前提としてアドルフは何十年の寿命の「普通の人間」です。
捨てられてアルペシェールに漂着した「2人目の漂流者」。
その後はサロメが拾って養護施設で過ごし、現在25才にして元気に生きています。

23才の時に、穏やかに看取られて死にたいという望みが叶わなくて絶望(呪いが効かない)。
ひとり孤独に自害しようとするのをセレスが止めたエピソードがあるのですが。
その時たった一度だけ「死神」と言ってしまったことを気に病むも、セレスが受け止めてくれたことに救われて好きになりました。
…アドルフの恋愛が2年過去なので、過程を端折られてちょっと寂しいです。
いや、いいんですよ、最初っから好きでしたも!
個人的にキャラクターが好きで強欲になってもっと欲しいと思っちゃうのでそういう意味の残念です(私が)

そしてアンクゥは「第一幕のアドルフ」です。
第一幕でアンクゥが表れないverのプロローグがあるんですけど。
その時空でセレスが死んでしまい、アドルフはどうしても「生きているセレス」に会いたいがために死に物狂いで危険な実験に耐え、タイムマシンにたどり着き、セレスが生まれる数百年前くらいの時間にタイムリープしてきました。

アンクゥからセレスへの助言は最初の時空で得た情報、イヴに好意的だけど合わせる顔がないと思っているのは第一幕で親友イヴを犠牲にしてしまったからでした。
今までのルートで「漂流者」と死の番人のリコリスの守護の契約がありましたが、これは第一幕のアドルフが発起人で、この時から「アンクゥ」と称されるようになったそうです。

ここにたどり着くまでの変な実験とか薬とかのせいで普通の人間の体ではなくなっていましたが、正味は死の番人でも何でもないです。
人間なので、小細工で術を装ったり、死の番人という「設定」を本当は恥ずかしがっていたりして可愛かったです。

「漂流者」と出会うまでの間は、第一幕の時空でイヴから授かったリコリスの球根を植えてセレスのために国民の寿命を延ばそうとしました。
その後は毒素の抗体を作る為にリコリスを摂取し続けました。
そして、気が遠くなる時間の流れと苦痛に耐えて、やっとリコリス・ノワージュで生まれたセレスに再会できたのでした。
…どちらも片思いを拗らせてる「アドルフ」だというのはよくわかります(笑)

シナリオは、第二幕と違って、セレスがアンクゥに自害を止められた場面から風向きが変わります。
2年前から惚れているのもあって、アドルフがべったべたに甘やかしてくれて、初っ端からもう色々義兄のそれじゃなかったですね。
「お前が死ぬなら俺も死ぬ」は本気を感じました。

完全に「女」に見られてるし、セレスがアドルフの異変に気が付いてあたふたしているのが可愛くて萌え。
かと言ってアドルフも自分の立ち位置は決めかねているので、ストレートなのに遠慮が滲んでいて、この義兄妹微笑ましすぎるなと思いました。
しかも、義兄様は守りたい女は閉じ込めて守る系です、おいしい。
アドルフの家でのプチ軟禁生活が楽しすぎてここで終わってもいいと思いました(良くない)

でもそれはメリバの月並み展開なのでへし折っていただいて。
アドルフもアンクゥと出会って、痛いところをつかれまくって目が覚め、セレスの「普通の女の子」になる願いを叶えるため本格的に呪いに挑みます。
共闘するんですけど、アドルフとアンクゥの相性の悪さがめちゃくちゃ面白かったです。
反りが合わないからちょっとのことでののしりあいするんですけど、全部笑いました。
アドルフ不在時に、楽しそうに部屋を漁ってたのも可愛いな~。

それで、ストーリーでは「この国の呪いを解く」という目標で、どんどん攻略キャラクターが仲間として集まって情報を元に真相に迫っていきます。
今まで出てきた悪役たちと王族、全ての黒幕の陰謀に巻き込まれて絶望していく事になるのですが。
カプシーヌはやはり絶許ですね。
アドルフの正常な染色体に興味津々で、実験に使うし、アンクゥのような再生能力を無理やり付与するし、どのルートでも完璧な嫌われ役です。
浄化希望です。

ちなみにアドルフが普通の人間だと勝手にばらしたのもこの人です。
アドルフもアドルフで隠していたことを勝手に後ろ暗い気持ちになって全然何も悪いことしてないのに懺悔と自虐をしちゃうし。
でもそこはセレスとそっくりで義兄妹だなと思いました。

その隠し事さえも「いいよ」って言ってくれるセレスに「好き」って気持ちを零しちゃう流れも最高でした。
色恋になるといい照れ方するから本当に見ていて楽しいです。
敵地に乗り込んで、敵前での堂々とする告白とかめちゃくちゃいいシーンでした。

しかし、いつもいつも肝心な時にセレスを守れない普通の自分を嫌うのは辛かったですね。
命の軽んじられるアルペシェールで、命の重みをちゃんと理解して守る価値観はアドルフだけしか持ってない「正常」だと思いますし。
自警団やイヴを軽んじはしませんが、アドルフと似た事はできるけれど「リライバー」という選択肢が視野にあるため、やっぱり価値観は違うと思いますし。
アドルフは尊いものもの持ってると思うんですけどね。

イヴルートでアドルフがセレスを託すシーンが印象に残っているんですけど、このルートの救済EDは自分が今度こそちゃんと守る番であり、誰にもできない彼の守り方ができるんだから、自己評価上げてと思いました。
もしかしたらテーマの「守護」にもこういうの入ってたりするのかな?
イヴルートのときも「守る」ではなくわざわざ「守護」って表記されていましたし。

でも、普通の価値観に憧れて尊敬してくれたのが、黒幕のダハトなのは皮肉すぎて笑えません…。
本名はリアム・レーヴポワール、王族であり悪役たちの支援者です。
自己顕示欲で呪いの元凶となり国を汚した自分の血族を憎み、普通じゃないアルペシェールを滅ぼそうと暗躍していました。
やることが過激なのは君もしっかりアルペシェール生まれだなと思います。
普通の価値観がない国民は全員37564とか狂気ですわ…。

それから悲願である「死者蘇生」で母を蘇らせようとセレスのアレロパシーやアドルフの染色体も欲していたのですが、この辺りの空想科学とかギミックとかは割愛しますが。
「死者蘇生」や「呪いの解除」など、今までに立証されていない事象にアドルフたちが不可欠ということです。
それでその母はサロメだったので生きていたのですが。
サロメの王族打倒も普通の感覚を啓蒙すべきだと思って行動していたから、ああ本当にリアムと親子だなと思いました。

結局この親子はいいことになりませんし、サロメの演者・桑島法子さんがフラグをきっちり回収しちゃうんですけど、サロメの本来の母の姿を見れてなんだかんだ泣いちゃいました。
それから、セレスが昔サロメが倒れていた場所と同じ所で生まれたからか、サロメの遺伝子を持っているらしくて…。
途中BADでサロメみたいな動きをしたのはびっくりしました。
ツイッターでサロメとセレスが似ているっていう日常会話がありましたけど、あれただの親子の似ているではなくここに繋がっていたとかあるのかな?(震え声)

その後の絶望EDでは、絶望が永遠にループしそうなしんどい展開でした。
ダハトのなんちゃって科学のせいで、セレスは呪いの元となる毒素を吸収する未知の身体となってしまいます。
アンクゥの抗体も効きませんし、ずっと苦しむばかりなのでアンクゥは楽にする道を提案しますが。
何とか治療しようとアドルフは足掻きましたが、結局打つ手無し。
守りたいセレスをアドルフが殺めてしまう一番望まない結末になります。
アドルフの「普通」はとても素晴らしいことだと思ってる私にとっては何よりきつかったです。
普通じゃ絶対守れないって完全否定のEDでしたからね。

でも、アドルフはアンクゥの辿った道を繰り返し、「生きているセレス」を救いに行く決意をしました。
2人目のアンクゥが、アドルフがセレスを守り切れる時空に行くまでずっと苦しみ続け、行った先でも「アドルフ」がいるからアンクゥはセレスと恋人にはなれないという二重苦を繰り返すんだと思います。

ED後、冒頭のアンクゥがセレスの自害を止める場面に戻っていたので、仮に続きがあったなら「第四幕」のスタートなんでしょうね。
最初のアンクゥはアンクゥで第一幕と三幕で、二度もセレスが亡くなるのを見ているので、疲れてしまってドロップアウトしちゃいます。
最後にアドルフが進んだ先に希望があればいいねって願ってくれるあたり、やっぱり優しいアドルフだったんだなって思いましたけど。
絶望EDだからその希望も後に絶望に変わってしまう気がするので残酷でした。
プレイヤーから言えば第二幕でも嫌という程「二度目」を味わわせちゃってるし、その都度全てを無駄にさせていたんだと思うと、1人目のアンクゥに対しても苦しくなりました。

もうひとつ、終焉EDというアンクゥ寄りのEDもしんどい。
ここではアンクゥが無力な自分(アドルフ)を56してしまい、セレスを苦しみから解放する「死神」になります。
セレスを生かそうとする自分(アドルフ)を亡き者にした時点でアンクゥからの終われという圧を感じましたし。
「生きているセレス」に拘っていたのにセレスに手を下すというのも完全に諦めですし、気持ちの面も詰みが確定に思いました。
「命の重さをわかっていないから守れない」と自分(アンクゥ)で自分(アドルフ)に言っちゃったのもきつかったです。
徹底的に叩きのめされました。

ただまぁループの可能性は無いようでしたのでこれ以上アンクゥの苦しみは続かない所だけはある意味救いともとれるけれども…。
結局運命には抗いきれなかったし何もかもここでお終いって感じは悔しかったです。

-救済ED-

アドルフの片思いがやっと成就します。
また実質の大団円です。

リアムからセレスを助けに行くときの理由「告白の返事を聞きに行く」が最高の形になるのですが。
義兄から男として見てもらえるまで、セレスからの返事は5年かかるって見積もってるのがまた…。
時間への耐久性はすごいのよね。

絶望EDや終焉EDではセレスの運命を2人のアドルフが勝手に決めちゃっていました。
でもここではセレスから「告白の返事をする」と苦しくても生きることを選択します。
アドルフもまた無力だった自分にさよならするという意味でアンクゥの決闘を承諾して、見事に最後の試練に打ち勝ちます。
その後、アンクゥはセレスの毒素を消せるかもしれない抗体を残していってしまうのですが。
力尽きるまでのシーンが泣けて仕方なかったです。

アンクゥが自分を受け入れてもう一度セレスに恋したって穏やかに言ってくれて…。
確かにセレスの恋人にはもうなれませんが、アドルフの配慮もあっていつか出会う姫君に求婚するためにリコリスを植えたというお話を本当にできました。
疲れたから楽になりたいとは言いましたが、やり切って満足した気持ちの方が大きかったと思います。

そして、アンクゥとアドルフがお互いに「俺(アドルフ)」「なんだ、私(アドルフ)」って言い合えたのはやっとセレスを守れて自分を認めたあったのかなと思います。
今まで自分呼びしたこと無かったので。
「5年も待つな、強引に行け」って喧嘩腰のアドバイスを残すのはさすがアンクゥでしたけど。
セレスにはイヴが相応しいって常々推していたけど、やっと自分を推してくれてよかったです。

セレスの毒素も国の呪い解除も事が大きいので告白の返事は結局本当に5年後になってはしまいますが。
最後に「普通の人間」同士で両想いになってとても幸せそうなスチルが出てきて報われた気持ちになれました。
他の攻略キャラクターたちも全員生存していますし、呪いの問題もなくなったので次のステップへ進むという感じです。
共通章からセレスとアドルフとサロメとで3人で夕食会するって言ってたのが最後の最後まで回収されなくて、それは心残りかな…。

アンクゥについて

アンクゥ

全てがアドルフと共通のルートなので、好感度はあげられるけれど、攻略・恋愛はできないキャラクターといえばいいでしょうか。
アンクゥ目当てですと、物足りなく終わってしまうかもしれません。

私はアドルフが好きなので、第三幕はそちらからのアプローチで読んじゃったんですけど。
「アドルフとの生活を守るためにアンクゥと契約する」とか、アドルフのことでモヤってアンクゥに相談したりとか。
思い返すとセレスのちょっとの言動がアンクゥに恋愛成就しない現実を知らしめてるなと思いました。
アンクゥもわかった上でのタイムリープですけど、都度ぐさぐさきたと思います。

ちなみにアンクゥへの救済EDはありません。

セレスの二度目の死を見ず、満足できた先程のアドルフ救済EDが最良だったのかなと私は思います。

公言していたように他の幕で恋は出来ないですし、第一幕のアドルフ(アンクゥ)と恋ができたかもしれないセレスはもういないんです。
普通の価値観だからセレスを「死者蘇生」なんて輪廻も倫理も冒涜するような手は思いつきもしないでしょうし。
タイムマシンで第一幕に戻れる理論があるかもですが、そこまでのご都合主義はさすがにやらんだろう思います。

だからどうしようもない…。
せめて天国で第一幕のセレスと恋が実ればいいなと願うばかりです。

あとがき

無事に終えることができました。
救いとは…?と思っちゃうような内容もありましたが、そう思ったところこそアルペシェールが普通じゃないからこうなってしまったのかなと思いました。
でも、誰からも忌み嫌われていた「死神」が誰かと愛し愛される女の子になれたのはどのルートでも間違いないです。
どんなに暗くてしんどくてグロくても今作もちゃんと乙女ゲームだったんですね。

個人的にアドルフのキャラクター性やシアンルートはささったけど、作品全体だと何周もやってる作品たちにはもう一歩届かないかな…。
でも概ね楽しめました。

メンタルと、私にしては珍しく涙腺もやられて満身創痍ですけど、最後にちゃんと評価したいと思います。

ではまた次回👋

いつもありがとうございます。
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