闇色の魔珠(PC)|ネタバレ感想

Win版のゲームソフト「闇色の魔珠」をプレイした感想記事です。

こんばんは。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
また、やる気ボタンを押していただき感謝致します。

楽しみにしていた闇魔珠!
発売の延期延期で本当にプレイできるのか不安な時期もありましたが、無事に世に出てくれて嬉しいです。
久しぶりのPC乙女ゲーと言うことで、張り切ってプレイしてきました。

感想はふわっとしているかもしれません。
シナリオをすすめて明かされる事実や繋がりを全部説明するとものすごい量になるので、書いてないことも多くて…。
もし「その話どこから来た?」みたいなのがあっても目をつぶっていただけると幸いです。

プラットフォームWindows10/11
メーカーDaisy2
発売日2023年12月22日
対象年齢全年齢
シナリオ雨宮うた
イラストめろ
キャスト山下誠一郎/佐藤拓也/千葉翔也/小野友樹/斉藤壮馬/他
公式サイトhttp://www.daisy-daisy.in/products/majyu/
敬称略
オープニングムービー

あらすじ

主人公・リカは魔法界では高名なスターニス家の娘。

優秀な兄・フィンの決断で、選りすぐりの白魔法使いの子弟が集まっているエリート魔法学園(オリエンス学園)に入学したが、実は魔法が大の苦手
入学早々、周囲のレベルの高さに圧倒されるが、親切な友人やフィンに助けられなんとかがんばろう決意する。
だがリカは、フィンしか知らない秘密を抱えていた。

公式サイト

システム

機能名有無
既読/未読スキップ・オートモード
クイックセーブ/ロード
バックログ
チャプター(√又は章毎の途中プレイ機能)×
フロートチャート×
選択肢又は未読箇所までのジャンプ
ヒロインの名前変更
デフォルト名呼びボイス
ヒロインフェイス表示
ヒロインボイス×
キャラクター立ち絵の動作(目パチ・口パク等)×
ステータス(パラメータ)画面×
アイキャッチ×
フォント変更

世界観と共通章

舞台となる世界は、魔法が使える人々が暮らす場所。
魔法があることが当然となっている世界ですが、人々は「刻まれた名前は力であり、力は罪、逃れられない」とある人が語っています。
原罪主義が根付いていて、本人が何もしていなくても先祖の罪はあなたの罪、みたいな考え方が一般的です。
ネタバレになるのでここでは書けませんが、クリアすると世界観も見やすくなると思います。

ガリガ
ヒロインは、ガリカ・ローサ・スターニス。
みんなにはリカと呼ばれている16歳の女の子です。
幼少期の記憶が無く、スターニス家では家からほどんど出ずに生活していました。
シナリオでは、兄・フィンのススメで、オリエンス魔法学校に通うことになります。
でも魔法は苦手です。

共通章は主にガリカの学校生活パートです。
入学して、友だちができて、と普通の学園生活の光景もありますが。
世界の仕組みやら名門の何家がどうだというチュートリアル込みです。
キャラクター同士の関係性などもシナリオに関わってくるので、色んなところにアンテナを張って読んだ方が良い印象でした。

ある事件が起こったことをきっかけにシナリオが回り始め、個別ルートに分岐していきます。
野宿率高めです(笑)

キャラクタールート別ネタバレ感想

Attention

以降はネタバレ回避のため【▽ネタバレ】ボタンを設置しています。
クリック・タップするとネタバレ感想が開きます。
閲覧後の苦情等はご容赦ください。
よろしくお願い申し上げます。

グランルート感想

グラン・エリコ・プレゼンス
Profile

Name:グラン・エリコ・プレゼンス

Age:18

Status:オリエンス学園3年

CV:山下誠一郎

国の守護を誉める「騎士」の一族に生まれ、また尊敬する父の跡を継いで「騎士」となることを目指している。
魔法の能力は学園ではトップクラス。
気さくでやや強引なところもあるが皆に信頼され、彼を熱烈に慕う生徒も多い。
フィンとは仲が良い親友。

公式サイト

明るく熱血な主人公タイプの人!
に相応しく、いつもリカに元気をくれるキャラでした。
白魔法族の騎士の家系生まれで、それなりの権威もあるからオリエンス学園でも公正な幅を効かせてくれて心強い味方になってくれて嬉しかったですね。
猪突猛進とかせずにちゃんと頭も使っていくので頼りになったなぁっ印象でした。
フィンとも親友で、彼の毒舌を受け止められる器の大きさがすごいなって思いました。

そんな後ろめたいところなどゼロにしか見えないグランも実は、黒魔法肯定派。
悪用とかじゃなく、白魔法発展のための肯定ですけど世論はそうはいかず…。
この世界では千年前の戦争から黒魔法やその一族は忌み嫌われているし、黒魔法を信じることは背信とされ重い罰が課せられます。
名門騎士の家系が一家揃って背信はさすがに一大事だとは思いますけど、学園も議会もリカやグランへの民度が低くてイライラしちゃいましたね。

それでも、自分の気持ちを貫いてリカを守ると言ってくれるグランはとてもかっこよかったです。
6年前に出会った時も助けてくれていて、そこからずっとフィンに話を聞きつつほのかに好きって思っててくれたのかなぁってにやけちゃいました。
6年前も守りたい、大変な状況の今も騎士としての誓いを立ててまで守りたい…。
その守りたいはもう「好き」の隠語としこ思えなくてひとりで大興奮しました!
運命枠は強い。
思いの強さがリカには希望にもなったんじゃないかな。
だからリカもグランを思って守られるだけじゃなく守りたいって返したんだと思っています。
リカは黒魔法使いとして居場所がないから、グランを守ること=自分の見つけた居場所を守るにも繋がるきがしました。
打算とかはなしでね!

グランルートに入ると軍兵に不当逮捕されないための逃亡がしばらく続くんですけど、グランの方は父が殺されたり母が黒魔術使いに言いくるめられたり弟が黒魔法に飲み込まれたりと不幸続きで泣きそうになりました。
リカも危うい立場にはいますけど、グランをこれでもかと言うほど議会が打ちのめしてくるのでシナリオを読むのが辛かったですね。
グランがリカの前だけで弱い姿を見せてくれたのはキュンってしましたが!

それにグランの危うさみたいなのも見られてよかったです。
黒魔法を信奉しすぎている点は、BAD EDでは取り返しがつかないことになるので悪意も悪事もないししてないけど、罪にはなるのかなってちょっと考えました。
弟アニスが黒魔法を反対していながら力に巻き込まれて、黒魔法や頭の固い議員からグランを守るためにリカがみんなの刻名を奪う結果になってしまったのでね…。
魔珠の力を使って守ってくれたリカに対して人形のように自我を抑えて希望を叶えるグランは見ていられてかったです。

グランは家名や権威などの力ではなく自力でリカを守りたい人なので、ハピエンで道を切り開いていく方が好きでしたね。
リカも黒魔法の一族であることを隠して、ビルシャとフィンの言う通りに生きてきたけど、身の安全をさし押してもグランのそばにいて助けたいと、今までの自分と決別するシーンは良かったです。
同時にフィンとも道を違えた形になるんですけど、シスコンが爆発していたフィンが突然冷たくなるのでただの妹溺愛の義兄ではなさげでしたね…。

最後はやったことに対して責任を負い問われるリアルなEDでした。
良いと言えばいいんですけど、エーリス議長の裁量で量刑はどうとでもなるし議会の都合の良いようにされた気もして私は腑に落ちなかったです。
グランが背信の罪に問われなかった理由もプレゼンス家の「はじまりの光」の魔法でリカの魔珠の暴走を止められるから…。
たまたま助かった感じで、大変な思いをしたのに報われが少ないなって思っちゃいました。
罪の重さを変えちゃうならいっそ全部ご都合主義でも良かったかなって思いました。

でも、エンドロール後はちょっと甘くて良かったです。
シナリオ中に恋愛要素はほぼ皆無だったので、おまけ感が強いですけど、地位を剥奪されてもリカの騎士として2人で幸せそうに生きていて安心しました。
三点リーダでだいぶリップ音が盛り盛りなのは嬉しかったです。
やっと言葉以外の好き表現がきてくれてバンザイ!
全部ボイレコに保存しました。←

そして最後までヴィクトルの協力がないと衣食住詰みという、グランルートなのにヴィクトルゲーでした(笑)
持つべきものは優しい友だち!
ヴィクトル、見返りもないのに支えてくれて好感度が爆上がりしました。

キャルルート感想

キャル・アイ・ミガッド
Profile

Name:キャル・アイ・ミガット

Age:16

Status:オリエンス学園1年

CV:千葉翔也

主人公と同じ新入生。無口で誰とも付き合わず、皆から離れて一人で過ごして いる。
獣を使う役を果たす高度な魔法が得意で、よく精霊獣と戯れている。

公式サイト

キャルはいつもハマらないタイプだな~って思ってプレイし始めました。
でもやっていくうちにシナリオがとても面白くて好きになれました。

キャルは黒魔法の一族で、世間から疎まれてしまう素性の子。
でも、悪事は嫌いで、亡き両親の教えに従って善人でいることを心がけている良い人でした。
魔法の力が弱いリカを知り合う前から助けてくれるし、最初から優しいなって印象でした。

共通章ではあまり目立つことも無かったんですけど、個別に入ったら急にキズアトを残してきてびっくりしました。、
ナイフ向けられましたからね!?
たぶんこのライターさんの作品にはナイフを所持している人が1人はいるとは思いましたけど、キャルだったかぁ…。

名無し病が流行って身の危険を感じたリカが学園を逃れたあとは、紆余曲折あってキャルと放浪生活をすることになります。
スターニス家から出たことの無いリカはサバイバル力なんてなく足でまといなので置いていこうとするのですが、結局戻ってきてくれるんですよね。
両親の教えもあるけれど根っから優しい人なんだなってキュンしました。

あと、キャルとリカがお互いに共感性が高かったです。
黒魔法の一族であることとか養父に対しての気持ちとか。
そこから仲良くなっていく恋愛過程は微笑ましかったです。
まぁ、リカが名無しの一族だったので共通点ではなかったんですけど…。
キャルの「違ったんだ」みたいな反応を見ると申し訳なくなりました。
知らなかったとはいえ天然で上げて落とすヒロイン、なかなかに悪魔だなって思っちゃいました(笑)
ツンツンしてるけどキャルがリカを好きなのは流れでわかるので、裏切ってる気分で苦しかったです。

名無しの一族の里クルムにたどり着いたときも、リカがサブキャラのメルクからアプローチを受けるとキャルが嫉妬しまくるくらいには好き。
リカを里に置いていくとか言い出すし、情緒不安定で心配になりましたね。
「嫌われたくない」というのが根底にあるから、嫌われる前に遠ざけようとしたんだとは思いますけど。

なんでそんなことを思うかと言うと、キャルは「血読み」という魔法で先祖代々の歴史を見れるんです。
そしてその悪行が血に刻まれているから自分を「汚らわしい」と思っています。
両親の教えも、過去はともかくせめて良い行いをしようという意味も含まれていました。
キャル自身が何か悪いことをした訳では無いのに「黒魔法の一族」としてひとまとめに見られて次世代へも罪のレッテルが貼られ続けるのは本当に可哀想でしたね。
やっぱりこのゲームの世界の民度は私には合わないようです…イライラ←

そして一族の過去がキャルの気持ちをも縛っているのがしんどかったです。
リカを守りたいけど、守るための力=魔法がキャルの嫌う大きな力なんですよね。
リカの名読み女の力で刻名を奪えばキャルが嫌がっているものを取り除けるけれど果たしてそのまま気持ちを汲んでもでいいのか…。
ハピエンとBAD EDの分岐にもなる難しい選択をさせられたなぁと思います。

BADは刻名を奪ってキャルを罪から解放するんですけど、リカが魔珠の木の闇に飲まれてしまいます。
皮肉にも魔法があれば、って状況になっちゃうんです…。
それで苦しむリカを助けられないと悟ったキャルは病んで、誰かに奪われる前にリカを殺してしまいました。
せっかく時間をかけてリカもキャルも大切な人を見つけてお互いに良い変化を遂げたのにやるせなかったです。

ハピエンは、キャルが素直になってくれます。
キャルは自分の気持ちと素性が噛み合わない子なので、何をするにしても辛い選択を強いられるのが辛いです。
情緒不安定なキャラは普段はあまり好きじゃないですけど、キャルはそうなる度に心が痛くなりましたね。
でもハピエンではリカの「キャルを信じる」という言葉を信じて前を向けました。
大嫌いな黒魔法と向き合って、リカとも向き合って、魔法を捨てなかったのはかっこよかったです。
リカへの「好き」すら否定しかけだったんですけど、黒魔法の一族或いはそう言われて孤独に生きてきた2人がやっと居場所を見つけられる展開なので水を差す奴は許さないって思っちゃいました(笑)

ビルシャ貴様だ!←

リカの養父なんですけど、キャルの両親殺害に関与していたっぽくて完全にやばい人でした。
成敗できてよかったですけど、フィンとかは大丈夫なのかな?
全然音沙汰なくて、知らないうちに父が罪を犯していた…ってだいぶ辛いと思うのですが(とこの時は思いました)

エンドロール後は、キャルもリカもクルムで平和に暮らしていました。
長続きしてほしいけど、クルムの掟至上主義を思うと私は不安が渦巻きました。
あと、両親やビルシャの件でお沙汰が待っているみたいで…完全なハピエンではなかったです。
イチャイチャしているシーンは大変美味しかったですけど、このあとまだ…と思うも甘いのに浸りきれず惜しかったです。

ヴィクトルルート感想

ヴィクトル・エリコ・ミガッド
Profile

Name:ヴィクトル・エリコ・ミガット

Age:17

Status:オリエンス学園3年(寮長)

CV:佐藤拓也

学園きっての秀才で品行方正、寮長も居ながら優等生。
現状に甘んじず常に精進を怠らない努力家だが、自分自身にも他人にも厳しく、怠け者には容赦がない。
あっても感情で動くことはない。
いにしえの昔、国を救った白魔法使いの一族で、父親は議会の議員である。
黒魔法を忌み嫌っている。

公式サイト

ヴィクトルルートはヴィクトルがすんごいお話でした。
なんて言うか、真面目メガネと手の早い男って共存するんだなって。←

真面目で頭脳明晰な優等生で、他のルートでも散々お世話になるミガッド家の長男。
魔法は弱いけど、それを補うためにトレーニングなり魔法道具の発明なりしている努力家です。
普段は落ち着いていて理路整然とものを言うけれど、黒魔法関連は憎んでいてかなり激情型ってイメージでした。

リカに対しては、寮長と一般生徒という何の変哲もない関係でしたが。
占いの相性が良いとか、リカの素直なところとか、助けてあげたいと思う庇護欲とか…色々な積み重ねが2人を信用で結び付けていく過程が良かったです。
でも、名無し事件でリカが黒魔法の一族として関与したと冤罪をかけられてからは冷たくされたり、ものすごい形相で憎悪をぶつけられたりと悲しい時間が長くて辛かったです…。
ヴィクトルがもうかなりリカを気に入っていたから「裏切られた」と思っちゃったのが大きかったのかなって思います。

リカもリカで、不当な扱いに対して諦めて生きてきたから何も言わなかったけど、自分の意見を言い始めたらヴィクトルとの関係が回復していったのは良かったです。
怒りのあまりヴィクトルに押さえつけられたシーンとかもありまして…仲良くなれるかな?って不安しかなかったですね。
でも、ヴィクトルも分別はつくからリカと黒魔法を別物として考えるようになり、そこから右肩上がりに好感度が増していく過程は好きでした。

国の黒魔法に対する原罪主義をわかりやすく表したのがヴィクトルって感じでしたので、ヴィクトル自身が変わっていくことで国のよろしくないところに気がつけたし、リカのために変えようってなるのは嬉しかったですね。
BIGLOVEがすぎました…。
「君が望むように生きられるように、永遠に支えよう」
プロポーズする前からプロポーズのお言葉を頂戴してお言葉ありがとうございました!

リカを狙うエーリス議長に会うときは呼ばれてないのについて行くようになるし(笑)
いざと言う時の魔法道具も授けてくれるんですけど、これがまさかの指輪…。
めちゃくちゃ手を触ってるくせに、左手の中指にはめてくるあたりが真面目さ出てるし、正式なやつは薬指にはめるフラグもみえてずるかったです。

そして好感度が上がれば上がるほど、どれだけ段取りを整えてもリカと対面したら全部吹っ飛んでクソデカ感情で動いてくれてギャップ萌え!
1番飛ばしたのは恋人期間です。←
告白と婚約が同時だったんです、真面目なのに手順は踏まないのおもしれぇ男すぎ。
なのに、そんな恋愛初心者のばすなんですけど、雰囲気とか察せるから不器用でもなくて大人でしたね(本当に17歳かな?)
嫌って言われなかったら据え膳は食らう男らしくて、意外と照れずに接触してきてなんかこちらが照れました。

ハピエンの方は逆裁でエーリスを断罪して、イチャイチャの続きがたくさん見れるので最高でした。
他の男が近づいたら嫉妬するし、執着心も強くて、リカに自分だけを見てほしいとか平気で言ってくる甘々モード!
特に、仕事をするフリをしてリカの部屋まで行って「仕事をすると思ったのか?」は反則でした。
チャラ男のムーブを真面目なキャラがやった時、メンタルはもたないです。
膝から崩れ落ちます、いいですね皆様?(なんの話)

キスする時に自分のメガネにイラつくくらい距離を詰めて触れたがっているのも好きが溢れてて良かったです(笑)
リカが何か言う前にちゅーしちゃうのが手の早さ示してましたねニヤリ

ヴィクトルがアグレッシブで、ミガッド家は安泰そうで安心のEDでした。

BAD EDの方はエーリスを追い詰められたけれど、あと一歩のところでリカが諦めてしまって罪を作ってしまいました。
ナイフでやられそうになって、魔珠の刻名を奪う力が暴走して傍聴者たちを巻き込んじゃったんですよね。
ヴィクトルが逃亡を助けてくれて捕まりはしないけどリカの意識は戻ってこなくて…。
最後はリカの中に眠る魔珠を取り出すという最後の賭けに出たところで終わりました。
めちゃくちゃ良くない状況ですが、リカを死なせずに魔珠を取り出せたら何とかなるのかなって1ミリは希望がありそうに感じました。
ヴィクトルの諦めの悪さやリカへの執着心も見れて嫌いじゃなかったです。

シルヴァルート感想

シルヴァ先生
Profile

Name:シルヴァ

Age:28

Status:オリエンス学園教師

CV:小野友樹

オリエンス学園の教師。
人当たりが優しく親切で穏やかな和な先生。
誰にでも優しいが、特に女性には愛想がよく、女子学生や町の女の人からも大人気。
でだるそうに寝転んだ動かない姿が頻繁に見られる。

公式サイト

シルヴァ先生のルートは名無しの一族内情にグッと踏み込むルートでした。

リカも刻名の読める「名読み女」として一族の中では貴重な存在として扱われる描写は他のルートにもありましたが…。
魔珠の苗床としての成功例として扱われていただけでした。
クルムの里にある魔珠の樹が1000年に1度生み出す種が闇色の魔珠。
人に寄生してアニマを吸って成長し、枯れる前に新たな魔珠の樹となる…その連鎖のためにクルムの女性たちが犠牲になっていたという胸糞悪い事情を聞かされてイラァしました(笑)
里の長が一族の存続を第一に人権なんて無視してくるので本当に無理でしたね。

リカは元々サラという名前で、スターニス家に行ってからは無理矢理黒魔法が使えるように「ガリカ」という刻名をもらっていました。
サラだった時、クルムのしきたりで組まされた番がシルヴァ。
最初は全然ロマンチックを感じない運命枠だなって思ってました。
でも、サラと離れ離れになって、再会するまでのシルヴァ先生の11年を知ったらこの2人がパートナーで良かったと思えるようになりました。

シルヴァは元々自堕落だし口も悪いけど根は真面目。
「シルヴァ先生」とは全然違う顔を持っていました。
だんだん本性が見えてくる過程が楽しかったです。
そしてどれだけ悪態をついてもリカのことは「貴方」って二人称を崩さないのが萌えでした。
1人だけ丁寧に扱っているのが伝わってきて好きです!

シルヴァの11年の中には、本当に色々な葛藤があって…。
名無しの一族にはサラを連れ戻す使命を課されて苦しみ続けます。
そして、サラと過ごした5年を探している年月が過ぎると名無しの一族として生きることをやめました。
時には自分を名無しの一族に縛るサラの存在を憎んだりもしましたけど、そんなことを思う自分を嫌悪して憎みきれないのがシルヴァの良いところだなって思いました。

ずっとリカの中の魔珠を吐き出させるための薬を開発していましたし、無償の愛をくれたサラを好きでいたことにはキュンってしました。
サラ(過去)に囚われていたのはそうですけど、名無しの一族が誰も「リカ」と呼ばない中、シルヴァだけは「リカ」をちゃんと見ていて助けたいと思っているのが最高でした。

再会して好きをやり直したとかではなく、愛しく思う気持ちは残っていてそれをどうするべきかって答えを出す感じ?ですかね。
制限をかけられた生き方をしてきた2人だからこそ自分のために生きることが相手の助けになる、幸せになるってことに繋がる関係性が見えて、初めてにときめけました。
自由に生きてそれが成り立つのは運命枠だけですよっと。

でも、自由には責任もついてくるのが当たり前で…。今回はリカの生死を左右する魔珠を、吐き出す薬を飲むか飲まないかの判断を自分でできないと未来が壊れることになりました。

BAD EDは手遅れでリカが樹になっていくことになります。
樹の描写もキツイんですけど、リカが他力本願でシルヴァが責任を取ってくれると思っていることが何よりしんどかったです。
シルヴァとの間に子どもを儲けて自分の代わりにシルヴァと一緒にいてもらおうなどと思っているし…。
里の長の身勝手な考え方と同じ思考回路になっちゃってましたり。
シルヴァもシルヴァで嫌なことを嫌と言わず、リカだから自分を犠牲にしてでも何でもポンポン受け入れていて…。
闇に堕ちてもいいって諦めていたのが悲しかったです。

ハピエンでは、無事に魔珠を吐き出して2人で生きたい生き方を歩んでいきます。
まだ道半ばではありましたけど、シルヴァが時間をかけて選択肢をくれるのが良かったです。
共にすごした累計時間と離れていた累計時間が同じになるまで待つって、余裕が無いとできませんって!
魔珠を育てている間に4年も経ってるんですけど1度も手を出したことがないのは正気か?って思いました。←
私、プレイ前まではヴィクトルがこのタイプだと思っていたので、いい意味でシルヴァはびっくり箱すぎました。

魔珠の樹の方も生まれ変わりは成功して、クルムも再建できていました。
ちなみに胸糞悪い里の長はフィンが始末したんですけど、どう考えても誰よりも手を汚していて大丈夫かなってなりました。
罪についてうるさい世界観(笑)なので普通ならやばいと思うんですけど、謎のまま持ち越されました。

フィンルート感想

フィン・シディム・スターニス
Profile

Name:フィン・シディム・スターニス

Age:17

Status:オリエンス学園3年

CV:斉藤壮馬

主人公の兄。
魔法界では知られた名家・スターニス家の長男。
父はかつて議会の要職を務めていた魔法界の大物。
エリートぞろいのオリエンス学園の中でも抜きん出た魔法の能力を持ち、高い難度の魔法も難なく使い果たす。
妹のリカを愛しており、近付く男は片っ端から追い勝つ。
グランと仲が良い。

公式サイト

フィンルートは「フィン」が一生しんどい物語でした。
しかもちょっとしたきっかけが1000年をも狂わせ、ずっと憎しみの虜になっていたのがただただ悲しい…。
でも、その歪みに終止符を打つ過程が面白かったし、1000年前に叶わなかったフィンの恋がやっと始まってくれて一安心してクリアできました。

1000年前と言うと白魔法の一族と黒魔法の一族が戦争をして、白が国軍、負けた黒が反乱軍という原罪主義の元ができあがった時期です。
戦犯が「名捨て」という青年なのですが、この人がオリジナルのフィン。
血継ぎの魔法で代々記憶の一部を受け継いで、白魔法族への憎悪をためつつ、復讐のために暗躍していました。

1000年前の戦争の時に「名捨て」に協力したのが「魔珠の子(ラヘル)」。
名無しの一族の女で、魔珠の力を使ってフィンに協力していました。
でも、争いたくて手を貸したわけではないので、戦火が泥沼化していくほど心を痛めていて、見ているのが辛かったです。
名捨てもかなり威圧的で暴力的な面を持っていたので、全てのルートで共通している「歩み寄り」ができないと「魔珠の子」と結ばれるのは不可能でした。
2人は両思いだったのに…。

あとここに「語り部」という「名捨て」の友だちが入ってくることでが冒頭に書いたきっかけを作ってしまうんですよね。
「語り部」は「名捨て」と腐れ縁のような友だち関係で、なんて言うかどちらも素直じゃないんです。
でも両方とも「魔珠の子」が好き。「語り部」の日記によると、「魔珠の子」への愛と「名捨て」への嫉妬と憧れが爆発してしまった感じでした。
結果として、「名捨て」視点だと「魔珠の子」が自分を裏切ったように見えてしまい…歪んだフィンが爆誕。
樹になってしまった「魔珠の子」へ何百年も恨みつらみを言いに行くフィンの記憶はしんどすぎました。
ハピエンを見ると、ちゃんと恋愛を始めるまでのタイムラグが1000年ある感じもなんとも言えない気持ちになりました…。
誰が悪いとも言いづらいですのでね。

過去のことはだいたいキャルの血読みで歴史をたどるんですけど、1000年前の戦争において攻略キャラの血筋は全員関りがあったのでびっくりしました!
全員、運命か宿命枠かって感じで、たぎりましたね(私が)

リカは、フィンが1000年を混濁して接してくることに困惑しますし、身近な存在が豹変して辛い思いもたくさんしたと思います。
だけど「フィンをまもってあげなきゃ」の思考になるのがかっこよかったです。
スターニス家に拾われてから一緒に暮らしていた時間の賜物なんですかね。
強く当たられてもフィンの本質を見抜いていくあたり、フィンも完全に兄の皮を被れていなかったのかなと思えて、隙があることが良かったです。

フィンの所業を考えると「素直になれない」では済まないですが、その通り。
何事も「もっと早く○○すれば~」の解決の連鎖でハピエンに向かって行くので、フィンが自分の気持ちにしろ相手にしろ認めることが戦わなくても好きな人と一緒に暮らす世界をつくる一歩になったんだと思います。

ただこのルートは一筋縄ではいかなくて、最初はBAD EDにしかたどり着けませんでした(笑)
リカが魔珠の苗床のまま樹に成長して、1000年前の繰り返し~となったときは泣きそうになりました。
しかもフィンが素直になった後に展開されるから…。
法的な罰の代わりにしても重すぎるし、リカもかわいそうでしんどかったです。

そしてハピエンにいくのも一苦労あってもはや笑いました。
当時の白魔法の一族の筆頭ホレグ家(エーリスの家系)が行った人体実験の日記を読まないといけないんです…。
キモイ記録を30分間読まされる地獄の時間でした(オブラートに書く気もない)

ハピエンの結末は上記の通りフィン(名捨て)とリカの恋愛らしいことが始まりました。
でも、樹になったリカを元に戻すという超難関ミッションがあって、その過程が全てフィン視点で描かれていたのが良かったです。
ほぼ後悔の思念ですけど、他の攻略キャラクターたちとの関係も省みるシーンがあるし、もう過去に囚われていないことが直接実感できました。
そのみんながリカのために協力してくれて、1000年前のいざこざとは反対の展開になっているのも泣けましたね。
魔法こそが罪だからなくそうというムーブをたった5人でやり始めるのでびっくりでしたけど、「名は罪」という問いの答えが得られたのでもう満足。
最後までプレイして良かったなと思えました。

あと、フィンがリルモッドと知り合えたのが一番大きかったです。
ヴィクトルのパパなんですけど、どのルートでも議会側から現状を良くする方へ導いてくれて、この世界に一番必要な人って感じなんですけど。
このルートに至ってはエーリスの失脚で議長になってくれて、安心感が半端なかったです。
5人の無茶も目をつむってくれるし!
持つべき宝はミガッド家かもしれません(笑)

あとがき

シナリオのテーマは一貫しているし、展開も面白かったです。
学園ものだけでは片付かない魔法ファンタジーで、魔法の位置づけがそうなるか~という意外性もあって最後まで楽しめました。
攻略キャラクターも最初の印象をいい意味で裏切ってくる人もいて萌えられましたね~!
糖度はそんなに高くないですけど、変わっていく過程はしっかり見られるので良かったです。
全体的にも、CSゲームとしてそのまま移植できそうなくらいの描写で過激なものもなくてプレイしやすかったです。
世界観やサブキャラは自分にはちょっと合わないと感じる部分もありましたが、それだけ盛り上げ役として本当に大活躍と言うことで…。

この記事で書くのも変ですが、あまりネタバレ情報を仕入れてない状態でプレイしてほしいなと思います。
シナリオの展開はとても良かったので!

詳しいまとめは次回の記事で書きたいと思います。

では👋

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